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ここしばらく、コウグリが大量に定置網に入り、漁業者を悩ませているようです。
コウグリは佐渡弁でウマヅラハギを指す言葉です。
カワハギなど他のハギ類はコウグリとは言いません。
大量に捕れるので独特の名前で呼ばれているのでしょう。

背ビレのところの硬い棘が引っかかり、
網を破いてしまうのだそうです。
それにコウグリは、大量に捕れてもそれほど値の張る魚ではありません。

それでも以前はもっともっと獲れたのだとか。
頭を斜めに切り落として、えいやっ、と皮を引っ張れば下処理は終了。
それだけの手間も、最近では敬遠されるのか、
コウグリは皮をはいだ姿で売られるのが、普通になってきました。

わたしはコウグリの身は、それほど好きでもないのですが、
肝は、やや臭みがあるものの、甘みが強く、
個人的には好きな味。
子供のころには、内臓という気味の悪さから大騒ぎして嫌がり、
両親になだめすかされ、のせられ騙されもして、
ようやく食べられるようになった、思い出深い食べ物でもあります。

その肝が、いまではトレーにめいっぱい詰め込まれて、
1パック100円前後で売られています。
わたしとしては、懐かしい気持ちもありますし、
無駄にされてなるものかという気色もあって、
見かけると買わずにはいられません。

白味噌を溶いただけの味噌汁に、肝とネギを加えて、
さっと煮たてれば出来上がり。
具材は、何もなしか、短冊切りにした大根が合います。

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初夏に近い今時分が旬ですが、正直なところ、
この時期に食べるにはちょっとむつごいなあ、
などと話しながら、家族ですすっています。

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ダイビングをしていると、時折ざあっと、
コウグリの群れが横切っていくことがあるのですが、
なかなか壮観です。

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タラの芽のことを、我が家では「タランボ」と呼びますが、
この呼び名は佐渡ではあまり使われないのか、
しばしば聞き返されます。

タランボの「ンボ」は、ツクシンボとか、甘えんぼとかの「ンボ」と同じもので、
「~の坊」という意味だろうと思います。
ガガンボや、アメンボなんかの「ンボ」も、同じ語源でしょうか。

店先で売られているようなタラの芽を見ますと、ようやく葉先がのぞいたか、どうか、
というぐらいのものが多いようですが、それが一般的なのでしょうか。
我が家では、開き切ったくらいのものを収獲するのが普通です。

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これを、根本が柔らかくなるくらいに、わりとしっかりと湯がくと、
棘も気にならなくなるので、ぎっちり絞って、
ざくざく切って胡麻和えにするのが定番です。

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砂糖と味噌と胡麻で和えるだけ。
父曰く、醤油ではなく味噌を使うのがコツなのだとか。
ほろ苦い春の味です。

子供のころから、タランボ料理と言えばこの胡麻和えでした。
それほど強い苦みではないのですが、子供の舌には苦手で、
わたしはもっぱら天ぷら党でしたが、
最近は、春になると懐かしいこの味が恋しくなります。

母が他界してからというもの、すっかり主婦化して、
スーパーへお惣菜を買い出しに行くことが、楽しみのひとつになっている父も、
農繁期のこの時期は、山椒の若芽に生味噌を塗って白飯を掻き込む、
といういかにも百姓っぽい質素な食生活になっているようです。

そんな我が家の山椒大夫が、前回弟の調理した、
サワラのムニエルにかけられたトマトソースの上に添えたのは、
やっぱり山椒の若芽でした。

これが驚いたことに、相性抜群なのです。
魚の脂とトマトソースに合わせると、さっぱりとして、
オレガノやタイムを加えたような感じになるのです。

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わたしのところには、たまたまシラスしかなかったので、
シラスのパスタになっていますが、ツナやサバはよく合うと思います。
柔らかい、香りの優しい若芽ですから、
たっぷりと覆い尽くすように振りかけても大丈夫。

この季節の楽しみが、またひとつ増えました。
2016.05.04 春を呼ぶ鰆
このところ、サワラが揚がっているようです。
引退された大謀の船頭さんがおっしゃるには、
数年前まで、佐渡近海では滅多に見なかったのに、
最近は例年名前を聞くようになりました。

大きいサイズも入っているようなので、
えいや、っと清水の舞台から飛び降りて、1匹まるまる、大人買い。
今回飛び降りたのは、わたくしではなく、弟でしたけれども。

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1本もので魚を買うなどという経験のほとんどない、
内陸育ちのわたしたちは大興奮。
およそ80cmです。大きすぎても、大味になっておいしくないのだとか。
漁師のアドバイスに従って購入したもので、5000円くらいだと思います。

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サワラって、あしが早くて、目が死んだ感じになりやすいお魚ですけど、
さすがに鮮度は抜群です。
鋭い歯は、優雅な漢字とは違って、どう猛な印象です。

佐渡のスーパーに並んでいるような、小さいものですと、
ぱさぱさして、粉っぽい感じがしますよね。
佐渡人には馴染みが薄く、外道のイメージが強いサワラですが、
西日本では高級魚として扱われる、いっぱしの出世魚なのだそうです。

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皮を軽くあぶって、いわゆるたたきにしていただきました。
皮がおいしいです。身は、脂が乗っていて、ねっとりとした食感があります。
ブリやサバとは別物で、シイラに似ているような感じがしました。

また、火を通してムニエルにしたものは、
魚の身というよりも、肝のような肉質で、たっぷり乗った脂もしつこくはなく、
臭みはまったくありません。
西日本でより好まれるのが、何となく得心のいくような上品な食味でした。
ぱりぱりに焼き上がった皮も、
昆布のようなうまみが感じられるだけで、魚臭さはありません。

初めて食べる感じの魚でしたが、とてもおいしかったです。
ただ、わたし個人の好みとしては、もう少し魚臭い魚のほうが好みです。

2016.05.01 こごめ採り考
こごめはお好きですか?
King of SANSAI(キング・オブ・山菜)を選ぶなら、まずは、うど。
それからこごめとあまどころが、次点で甲乙つけがたいところでしょうか。

佐渡ではこごめ、と呼ぶ場合が多いようですが、
こごみ、とあえて言い直す方もいらっしゃいます。
和名はこごめでもこごみでもなく、クサソテツというシダです。

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こごめは、山菜のうちでも早い方の食材として、
一部の方が、芽が伸び始めたばかりの、こういうものを、
むしるように採ってらっしゃるのを、いつも残念に思います。

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わたしは、これくらい伸びたものの、
くるんとなった葉先だけを摘んでいます。
そうしたほうが格段に柔らかいですし、葉の下の方が半分残るので、
株に負担が少ないと思われるからです。
毎日山盛りにして食べても飽きないくらい好きですけど、
ひと株の半分以上は手を付けずに残します。

株が弱らないように少しずつ、
来年も再来年も収獲できるよう心がけています。
子供のころ、調子に乗って、あたり一面を全滅させるような勢いで摘んでいると、
こっぴどく怒られたものです。
どう摘むか、ということは、自然とどう向き合うか、
ということにまで繋がっていたのでした。

さて、春早々と、無残にもむしりとられてしまうことの多いこごめですが、
自分がおいしいことをちゃあんとわかっていて、
3回くらいにわけて、時間差で芽を出すので、ご心配なく。
この習性をわかっていると、けっこう遅くまで楽しむことができます。

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