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2012年 8月15日 14:30 稲鯨 28.2℃

稲鯨の海岸沿いの、集落のはずれに、県外の車が何台か停まっていたんで、
ちょっとした海水浴場なのかと思って入ったら、
足元から一気に落ち込んで、水深はざっと、5-6mはあるようです。

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こういう海を、夏の遊び場に出来る子供たちは幸運です。
もう随分以前、稲鯨にはサンゴがある、と聞いたことがあって、
ダイバーさんに確認したんですけど、あいまいな返答でした。
それっきり忘れていたのですけど、ふと、
そのサンゴって、もしかしたらヤギのことなんじゃないかと思って、
この海に入ってみる気になったのです。

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海底から、山のような岩がいくつもそそりたっている地形です。
潮下帯はオオバモクに覆われています。
この褐藻は波当たりの強い場所を好み、相川などでよく見かけます。
その上部を群れている赤い小魚はチャガラです。

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岩の隙間にはびっしり、イボニシの卵。
隙間という空間は、もちろん、目立たないという利点もありますけれど、
水が早く流れるという効果も期待できるので、
新鮮な海水が供給されるという点も、
選ばれる理由になっているんじゃないかと思います。

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1cmほどのサガミミノウミウシです。
単純なサーモンピンクに見えますけど、ほんのり青味がかっていて、
複雑で神秘的な色彩です。

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岩の表面が真っ赤に染まっているのは、石灰藻と呼ばれる紅藻の一種だと思います。
その上に根を這って広がっているのはオベリアの仲間。

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あ、ありました。
ヤギは潮が通る場所を好むといわれているので、
山と山の間の、狭い通路になっている壁面で、
オーバーハングの岩陰を探したら、案の定。

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ポリプは3分咲きです。
わたしが探せたのは、大人の手を広げたぐらいの大きさの、
この1株だけでした。
海中は比較的濁っていて、夏場の潮通しがイマイチなのと、
オーバーハングの少ない地形が、ヤギの生育には不向きなのかもしれません。

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近くに、オウギウミヒドラも1株だけ。
ムツサンゴは探せませんでした。

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大型のオオパンカイメンと、ビロード状で、鮮やかな緑色をしたカイメン。
ムツサンゴをのぞけば、構成要素は豊岡に似ています。

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所々、表面がはがれたのか、何も生えていないむき出しの更地のような、
すベすべした岩肌が現れている箇所が見られました。
板状に割れやすい岩石の性質と、冬の荒波によるものではないかと思います。

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2012年 8月 5日 10:00 大浦 28.4℃ 

この海の澄んだ青が忘れられずに、今日も来てしまいました。
ところが、どうしたことでしょう。
わずか1日のうちに、別天地かと目を疑うくらい、透明度が落ちていました。

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常々、透明度だけが海の美しさではないと主張しているわたくしですけど、
やっぱり、ちょっぴり残念。
鏡のようだった水面を、細かな浮遊物が覆っています。

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潮流の関係か、大量のプランクトンが吹き寄せられたのが原因みたい。
肉眼で確認できる大型のプランクトンも見られます。

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最もよく見かけたのは、何かのクラゲの一部分、かしら。
10個くらい拾いましたけど、この部分だけ。

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肉厚でしっかりした寒天質です。
ヒレのような形ですね。
一部のクラゲに見られる、泳鐘と呼ばれる部位かもしれません。

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クシクラゲの仲間です。
ピンボケしてますけど、クシクラゲの体は限りなく透明で、
うまく撮るのは至難の業。ご容赦くださいませ。

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はばたいているのは、同じ仲間のツノクラゲ。
このクラゲが羽を広げているのは、元気な証拠。
気分良さそうですね。

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平べったいクシクラゲの仲間、オビクラゲです。
かなり小さめです。このクラゲ、
本当に帯のように、1m近くにまで成長すると言われています。

同一種のクラゲが大量に見られる場合は多いのですが、
今日は色々なクラゲがごちゃ混ぜになっています。

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こちらはクシクラゲに似ていますけど、全く別のサルパという生き物です。
ホヤに近い一群で、無脊椎動物の中では、最も進化したグループに属しています。

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水中に漂う白い粒子は、気泡ではなくプランクトンのようです。
なんとなく、脚のようなものが見えるんです。

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40倍に拡大した姿が、これ。
ほら、脚があるでしょ。
何かの幼生かしら。

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昨日は確かに錦だったアヤニシキは、今日は擦り切れた麻布のよう。
見る影もありません。
娑羅双樹の花のごとく、色あせた天女の衣のなんという儚さ。
海こそは、ひとときもとどまることなく移ろうものの、
最たるものですものね。

2012年 8月 4日 10:00 大浦 27.2℃

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久々の相川方面です。透明度、高い!
夏の装いの褐藻たちは、黄金の輝きを放っています。

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水中から見上げる水面は、磨きぬかれた金属のようになめらか。

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どこまでもどこまでも澄んだ海。
沖合いの白い砂底に、さわやかな青がいっそう映えます。

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その砂底は、モンブランケーキと水風船の不思議の王国。
正体は、タマシキゴカイのフンの山と卵嚢です。
それほど栄養分のなさそうな海ですけど、この光景を見る限り、
白い砂底にもそれなりの有機物が含まれているのでしょう。

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ほこりが舞い上がっているように見えるのは、
懸濁物ではなく、小さな小さな魚の赤ちゃんでした。

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ソロガヤと、産み付けられた何かの卵。
この卵、湾でも外海でも、最近とくによく見かけます。
ウミウシのものだろうと思うんですけど、
よくあるリボン状でなく、ひもを波打たせて固めたコサージュみたい。

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日陰のオーバーハングにびっしり生えているのは、シロガヤ。
ムツサンゴなどは見当たりません。
同じ外海でも、豊岡とは随分趣が異なります。

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あ、ちょっと時機を逸して、色が悪くなってますけど、
華麗なレースを広げた、夏の妖婦、アヤニシキ。『綾錦』ってことかしら。
妖艶な雰囲気の紅藻です。

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幻想的な青紫と、技巧を凝らした透かし編み。
神の手仕事の粋を見る気がいたします。

2012年 1月30日 15:00 長手岬  10.2℃
              15:30 二見元村 6.6℃


今年は海もぐうんと冷えてるみたいです。
10℃。冷たいなあ。
去年、最後に加茂湖で泳いだときの水の感触がよみがえります。

長手岬の遊歩道の側に、むかしの養殖場の跡でしょうか?
人工的なプールがあります。
もう使われていなくって、放置されてるんですけれど、
ちゃんと海水の出入りがあって、
ちょっとしたタイドプールになっています。

ここって、小さな加茂湖みたい。
底質は小砂利で、コアマモも生えています。
潮の交換はありますけれど、全体は隔絶されていて、穏やかな凪の海です。
静かに静かに有機物が降り積もるのだと思います。
コンクリ底が残っている浅瀬にはウミニナ。

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これだけ数がそろうと圧巻です。
ちょっと拾ってみた感じでは、
ホソウミニナよりもウミニナのほうが優勢なようでした。

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潮に流されて、プールの中で沈んでいたのはオワンクラゲです。
初夏によく見かけるのですが、
真冬にこんなに大量に吹き寄せられているのは、初めて見ました。

さて、荒波を被っている磯のほうを歩いてみます。
寒い季節、楽しみにしているのは、ミドリイソギンチャクです。
モエギイソギンチャクとする図鑑もあるようです。別種かしら。
磯の波打ち際で、砂が被るようなところでよく見かけるようです。
体の側面(茎のような部分)に、
蛍光グリーンのいぼがあるのですぐにわかります。
通年見られますけど、冬は特に、触手の色が濃くなるんです。
ピンク味が強まるものが多いです。
中には鮮やかな蛍光ピンクになるものもあって、
グリーンのいぼとの対比は、目が覚めるよう。

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この日長手岬で見つけたのは、逆に、グリーンが濃いもの。
このタイプは珍しいです。わたしの知る限りではほとんど見ません。

同日、真野湾のふちの二見は6.6℃でした。
厳冬期、浅い真野湾は、外海よりも水温が下がるのです。

2011年 8月30日 11:00 大浦 

大浦の海岸は、集落の北(相川側)と南で雰囲気が異なります。
船上げにかかる橋の南側は、旧来の環境が残っていて、
巨岩から砂底まで変化に富んでいます。

一方、北側は、新道を通す際に、
埋め立てが行われたのではないかと思われます。
大きめの石が入っている転石海岸になっています。

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大きな破綻はないのですが、しいて言うなら、
単調な環境かもしれません。
ほとんど離れていないのに、南よりも魚影が少ない印象を受けます。
数えたわけではありませんが、生物種は少ないのではないかと思います。
いつも南に入ることが多いので、今日は北の海岸についてみていきましょう。

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ピントが合っていなくて申し訳ないのですが、
岩の上を這うように生えている緑色の海藻は、フサイワヅタです。
沖縄名物のウミブドウ(クビレヅタ)と同じ仲間の緑藻です。
中央付近に、ウミウシが紛れ込んでいるのがおわかりですか?

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タマミルウミウシです。この擬態はすごい!
こうしてみると、確かにウミウシなんですけれど、
密生したフサイワヅタの間に潜んでいるきには、
完全に海藻と同化してしまっています。
エサに自分の姿を似せることで、カモフラージュしているのです。
粉を吹いたようになっているツブツブの付け根は、
フサイワヅタの葉に付着した珪藻のようにも見えます。
眼を凝らすと、金粉のように輝いてまばゆい。

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タマミルウミウシを探す、ひとつの目安は、卵塊です。
海の薔薇にもたとえられるウミウシの卵塊ですが、
タマミルウミウシのそれは、地味め。
フサイワヅタの葉に、白いひも状の卵塊が巻きついていたら、
その株の中に親ウミウシが潜んでいる確率は、とても高いのです。

今まで、二見(真野湾)、大浦、莚場(赤泊)で見ています。
フサイワヅタは、両津湾にもよく発生しますが、
そこではまだタマミルウミウシは見ていません。

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「タマミルウミウシ」の名にも織り込まれているミルは、
(実際には、ミルの仲間ではなくイワヅタの仲間に棲む)
ウミウシの生息場所として、よく知られているもののひとつです。
ミルとひと口に言っても、何種類かあってなかなか興味深いのですが、
最も一般的なものは、海松布(みるめ)として和歌にも詠まれたミルです。
古代には、重要な食用海藻のひとつだったようです。

あしわかの浦に みるめはかたくとも こは立ちながら かへる波かは

                         『源氏物語・若紫』 紫式部


草間をかき分けてみると・・・

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やっぱりいいました。ヒラミルミドリガイです。
派手さはありませんけれど、ちゃんといるとちょっとうれしい。

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卵塊もミルの体上に生みつけられます。
枝の途中に、ところどころ、
白い渦巻き模様が張り付いているのがそれです。
小さな小さな海の松の木の上で、すべてが完結するのです。

ミルは、加茂湖から海府の果てまで、すべからく普遍的に生えていますが、
ヒラミルミドリガイを見たのは、今のところ相川だけです。
限りなくナメクジに近い外見ですが、
これでなかなか、環境にこだわりがあるのかもしれません。

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