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2011.01.09 長手岬考 ②
ウミウシに対するわたしの知識と理解と入れ込みは、
かなり漠然としています。同定が曖昧で確実とはいえませんが、
どのような種をどこで見たか、少しずつまとめていきたいと思っています。

長手岬で、わたしがこれまでに見かけたウミウシは、以下の通りです。

アメフラシ目・・・・・アメフラシ/クロヘリアメフラシ/クロスジアメフラシ
背盾目・・・・・・・・ホウズキフシエラガイ
裸鰓目
ドーリス亜目・・・・・エダウミウシ/ヤマトウミウシ/シロウミウシ/
           ミヤコウミウシ/クロシタナシウミウシ
スギノハウミウシ亜目・シロホクヨウウミウシ
ミノウミウシ亜目・・・エムラミノウミウシ/サガミミノウミウシ

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佐渡の磯で最もよく見かけるのは、アメフラシやクロヘリアメフラシですが、
長手岬では、もしかするとホウズキフシエラガイが一番の普通種です。
その名の通り、巻貝の殻の名残を持っています。
特有の青緑がかった岩の上では、彼らの鮮やかなオレンジ色はよく目立ちます。
まれに黄色っぽいものも見ます。海にこぼれ落ちた蜜柑のひと房のように、
浅い海のそこかしこに散らばっています。

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ミヤコウミウシもよく見かけるウミウシのひとつです。
このにぎやかな配色は一見よく目立ちそうですが、
ピンク色のサンゴモが生い茂るタイドプールの浅瀬では、かえって保護色になります。
サンゴモと呼ばれる海藻はサンゴとは全く別物ですが、
石灰分を多く含むので、およそ海藻らしからぬ硬い手触りです。
右上にアメフラシが見えます。同じくらいの大きさに見えるミヤコウミウシは、
ウミウシの中では大型の部類に入り、6cmくらいになります。
多くの人は、アメフラシは見たことがあると思うのですが、
こんなに巨大化するウミウシは、実は例外的な存在です。
1cmに満たないウミウシは少なくありません。よく目に付くのは3cmくらいのものです。
ウミウシは、ごくごく小さな宝石なのです。

ふつう生き物は、写真より実物のほうがはるかに美しく、迫力があります。
しかしウミウシに関しては、わたしは写真で見るほうが魅力的だと思います。
泳ぎながら、慣れない水中で人間の目が見分けることの出来る対象には、限界があります。
写真ならば、小さな斑点ひとつににも、じっくり目を凝らすことが出来るでしょう。
でもやっぱりわたしの足は、本屋さんじゃなくて、海へ向かってしまうんだなあ。
出会えた興奮は実物にはかないません。

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ヤマトウミウシです。図鑑を紐解くと、日本各地で見られる最も普遍的な種とありますが、
わたしは2回くらいしか見たことはありません。

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とても優しい色合いだけど、イラガの幼虫に似てませんか?
シロホクヨウウミウシは北方系の種のようです。
わたしが見たのは2006年4月27日です。
このときはたくさんいました。どういうわけか、
ひとつの種はある程度まとまった数で見かけることが多いのです。
当然その方が繁殖などに有利なのでしょう。意識的に群れを作っているとも思えませんが、
ナメクジが這ったあとにネバネバした跡が残るでしょう。
あれにニオイ物質が含まれていて、同じ仲間をかぎ分けると言われています。

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エムラミノウミウシは、橙色のみのに、目を奪う蛍光ブルーのラインが入っています。
2度くらいは見ました。太平洋側に少なく、日本海側では普通種です。
これが2cmくらいです。ナメクジのほうが大きいくらいです。
いくら色鮮やかでも最初は見落としてしまいます。
それが、海中を見るのに慣れてくると、5mmくらいまでは見分けられるようになります。
気を入れたらもっと見えるのかな。
見つけられなければシャッターを切ることも出来ません。
人間の眼が一番高性能のマクロレンズです。
2011.01.09 長手岬考 ①
海に暮らす生き物のうちでも、ウミウシは、
特に人気が高く、よく知られた生き物のひとつだと思います。
一方で、これは案外知られていないことですが、
巻貝の仲間です。メダカラガイやツメタガイのように、
常時体が殻の外に出ているような巻貝を想像してみてください。
殻の外に出ている部分がどんどん大きくなると、
殻は貝の体の中に取り込まれてしまいます。
身を守るという本来の機能を失った殻は、やがて退化していきます。
このようにして巻貝から派生したウミウシの仲間には、
雲母の片鱗のような薄い殻の痕跡を残すものもあれば、
すっかり消失してエラが背中にむき出しになっているものもいます。
さて、「海の宝石」とも呼ばれるウミウシですが、
陸上にも同様の進化を遂げた生き物がいますね。
ナメクジです。ウミウシは「海のナメクジ」なのです。
ウミナメクジという、ちょっと可哀想な名前のウミウシもいます。
加茂湖で大量発生しているのを見たことがありますが、まさに緑色のナメクジでした。

1月2日に長手岬を訪れた際の記録を元に、①ではこの時期の長手岬の特徴について、
②では、これまでにこの場所で見かけたウミウシについて、まとめておきたいと思います。

1月2日 12:30 長手岬 12.0℃

観光地にもなっているこの岬は、海底火山の産物である岩盤の台地が、
ほとんど海面と同じくらいの高さに隆起して生じた独特の地形です。
こういう地形は小木半島でも見られますが、こちらの方が家から近いのでよく通っています。

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灯台の向こうが台地の先端で、足元からすぐ、10mくらいの比較的深い海です。
その海は白波が立っているのに、手前の浅い入り江は静かです。
岩礁の先端が波消しブロックのような効果をあげていて、
台地の奥のほうは強い波浪から守られているのです。
この入り江は、大きな潮溜まりと連結した巨大なタイドプールです。
こういう場所は磯歩きにはうってつけです。
深い海と浅い海、荒れ狂う海と静かな凪の海、
二つの異なる環境が出会う場所は、さまざまな生命が交錯する生命の十字路になるのです。

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タイドプールの浅瀬には、たくさんのウミニナ(とその殻を被ったヤドカリ)が散らばっています。
岩の上に堆積する海中の微細な有機物を食べて暮らす、おとなしい貝です。
彼らの食物となる細かな有機物が沈殿するには、それなりに波の穏やかな環境が必要でしょう。
たとえば、波浪から遮断されたタイドプールや、泥が堆積するような静かな海です。
ウミニナは干潟に多い貝なのです。加茂湖でも見られます。
ちょっと不思議なのは、より外洋を好むとされるホソウミニナが、
佐渡の磯ではあまり見られないのに、加茂湖では優勢になっているということです。
加茂湖の中でも特に静かな入り江のひとつで、時々生き物調査を行うのですが、
ホソウミニナのほうがはるかに多く採れます。
一方長手岬では、目に付く貝はほとんどウミニナです。

ウミニナが多いのに対して、佐渡人たちが「シタダミ」と呼んでいる
オオコシダカガンガラなどや、サザエなどはほとんど見当たりません。
磯ねぎと呼ばれる漁の対象になっていることも要因かもしれませんが、
これらの巻貝は有機物ではなく若い海藻を食べます。海藻が発生するには、
新鮮な海水が常に動いている必要があります。その点から考えても、
このタイドプールでは、思いのほか海水が停滞しているのかもしれません。

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冬の風物詩である波の花が、わずかですが飛んでいました。
だいぶ白っぽい色になっているのは、今年はすでに何度か海が荒れているからです。
去年はほとんど時化ませんでした。そのため「島へぎ」は不作でした。
佐渡で「島へぎ」と呼ばれている海藻は、いわゆる岩のりで、
大半はウップルイノリであろうと思います。この海藻は飛沫帯(ひまつたい)を好むので、
海が時化ないと生えないのです。満潮時の水面より高い位置にあり、
時折波しぶきがかかって、いつも岩が濡れているような場所が飛沫帯です。
こういう場所を選んで生える海藻があります。その代表が岩のりです。
写真を見てください。潮溜まりの水面すれすれより上方には緑藻が生えていますが、
そのさらに上は黒ずんで見えます。ここにびっしり岩のりが生えています。
海水がかからないと、乾いて岩に張り付いてしまうのです。
のり棚と呼ばれるコンクリの平地だけでなく、岬の先端に近い場所では、
通路やタイドプールにもびっしり生えていました。

タイドプールの楽しさは、水に入らなくとも、
海の生き物をじっくりと観察できることにあると思います。
冬~春のイソギンチャクは、ウミウシに勝るとも劣らぬ色彩で目をひきます。

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ミドリイソギンチャクは、胴の側面に蛍光黄緑の斑点があります。
目に見える中心部は口です。触手は白~ピンクで、
これはどちらかといえば白味が強いと思います。
夏場は全体的にぼんやりした色になってしまうのですが、
水温の下がる10月~5月くらいまで、発色が強くなります。
黄緑とピンクって、なんだか気取った組み合わせ。
若い頃は怖いもの知らずで、そういう色味の服も着ていました。
今でも好きな組み合わせだけど、さすがにもう着たいとは思わないなあ。

長手岬では何度か泳いだことがありますが、ここは泳ぐよりも歩くのに向いています。
あくまでも個人的な感想です。磯歩きをしていると毎日のように発見があり、
かなり期待して泳ぐのですが、
一年に一度泳いでも、まあこんなものだろうと思うだけです。
1月4日 12:30 佐和田海水浴場

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これは12月28日の写真です。大量のホンダワラ類が漂着しています。
アマモは、まばらにしか混入していません。
数年前に見たときには、このような漂着物のほとんどはアマモでした。
時期のせいでしょうか。

佐和田海水浴場は、年末から何度か立ち寄っていたのですが、
貝を拾うには波当たりが強すぎ、めぼしい漂着は見当たりませんでした。
今回、いくらか波が収まって貝溜まりが現れたので、50mほど歩いてみました。

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小石が多く打ちあがっていて、貝殻にも破損が目立ちます。
わたしは1度くらいしか泳いだことはありませんが、
ここは佐渡随一の海水浴場で、遠浅の良質な砂浜であり、
このように小石交じりではなかったように思います。
小石はどこからやって来たのでしょう。
小石の角の取れていて丸いのは、川からもたらされた証です。
近年多いゲリラ型の豪雨は、河川長の短い佐渡では、
土砂を一気に海まで押し流してしまいます。
そのことと関係あるかどうかはわかりません。
河口に大量の土砂が堆積したり、
一帯が泥を被って海藻が死滅するというような被害は、時々見られます。

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ちょっと驚いたのは右のナデシコガイです。
両津湾岸の両尾では比較的普通に拾えますが、真野湾岸では初めて見たと思います。
両尾のものは、どれも1円玉くらいの大きさです。こちらではずいぶん大きく育っています。
左側はチリボタンです。made in チリの釦(ぼたん)かと思っていたら、
「散り牡丹」なのだとか。
どこの砂浜にもよく打ち上がっています。
形はややいびつで、色調は赤~白まで変化に富んでいます。
渚近く、色鮮やかな貝殻が波に洗われているのを見て、
いにしえ人たちは、散りかかる牡丹の花びらを連想したのでしょう。
貝の和名は植物や鳥に由来するものが多く、
どこからともなく打ち寄せられる色とりどりの貝殻が、
古来、風雅を愛する日本人の心を捉えてきたことがうかがわれます。
ナミベリハスノハカシパンとか、ブンブクチャガマとかいうような、
ウニの世界観とはちょっと違うようです。
(それはそれでユーモアがあって楽しいけれど。。。)

ナデシコガイやチリボタンは岩場の二枚貝です。
沖合いの海底の岩や、小石のたまっている場所に暮らしていたのか、
あるいは波消しブロックに棲んでいたのかもしれません。
そういうブロックのまわりを泳いでみるとよくわかりますが、
海の砂漠である砂浜で、唯一海藻が生えることの出来る波消しブロックは、
貴重な生態系の要になっていることが多いのです。

海岸をじっくり歩いて、持ち帰った貝殻を同定し、記録しておくことは、
大切なことですが、容易ではありません。
適当に、目に付いたものをいくつか拾い出し、並べてみるだけでも、
案外その海の特徴がよく現れるものです。

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左から、
バカガイ/サルボウガイ/マシジミ/ベンケイガイ/カガミガイ/ウチヤマワスレ
です。数は漂着量には比例していません。
これらの貝は真野湾岸ではよく見られるものばかりです。
カガミガイだけは真野湾以外では見かけません。
そのほかの貝も、こんなに大きなものはまず打ち上がりません。
二枚貝が豊富で巨大なのに対して、ここでは、
ツメタガイの仲間以外の肉食の巻貝がほとんど上がらないのも、特色だと思います。
1月3日 9:20 莚場

正月早々、誕生日でした。
高齢で施設に入っている母方の祖母に会いに、山を越えたので、
せっかく遠出をしたのだし、久しぶりに莚場に立ち寄りました。
本当に久しぶり。たぶん、1年ぶりくらい。
ここは、このあたりでは大きいほうの海水浴場だと思います。
何年か前の夏に来たときには、ぼちぼち人出がありました。
今、この砂浜を歩く人影はどこにも見当たりません。
北西風に偏る冬、風裏になるこちら側の海は、穏やかです。
ひっそり静まり返った砂浜に、さくさくさくと足音が響きます。

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数日前、方角の違う強い風が吹いたせいで、海草がたくさん打ち上がっていました。
岸に近いところを泳いだだけでは、アマモ場は発見できなかったのですが、
沖合いには間違いなくあると思います。
そして厳密には、それはスゲアマモの群落であろうと思います。

漂着している海草を見てみると、普通のアマモも混ざっていますが、
半数はスゲアマモです。
ふつうのアマモでは、シュートはスギナやタケのように、
横に這う地下茎からいくらかの間隔をおいて発生します。
これに対して、スゲアマモでは、シュートや根はひとかたまりに密生します。

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スゲアマモの地下茎は斜めに地中にもぐり込むので、横には広がらず、
全く別の植物ですが、全形はススキのような感じになります。
アマモは、根元を引っ張ると、数節分くらいは簡単に抜けてしまいます。
スゲアマモは深く根を張っているので、まず抜けません。
莚場のように、大量のスゲアマモの漂着が見られる場所は珍しいのです。
より波当たりの強い環境に適応しているのかもしれませんが、
それを裏付けるような報告は、今のところないと思います。
アマモは、沖縄を除く日本各地に分布しています。
他方、スゲアマモは日本海側に多いとされています。
佐渡でもたいていのアマモ場では混在していると思います。

莚場で拾うことの出来る貝殻には、このあたりの海域の特徴がよく現れていると思います。
二枚貝で目立つのは、
ベンケイガイ/アカガイ/チリボタンガイ/イタヤガイ/ナミマガシワガイ/マツヤマワスレガイ
などです。これらの二枚貝は植物プランクトンを食べています。
一方、巻貝の種類はもっと多様です。
ツメタガイの仲間のように、生肉食のものもあれば、
魚の死骸などを食べ、“海の掃除屋”と呼ばれる一群もあります。
河川水の影響で、植物プランクトンが豊富な真野湾岸などでは、
圧倒的に二枚貝が優勢ですが、
潮通しがよく、プランクトンが大発生しにくい外向きの海では、
肉食の巻貝が多くなっているのです。

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左はバイです。正真正銘の、バイ。
一般に“バイ”と呼ばれているのはエッチュウバイです。
本物のバイのほうはツブと通称されているようです。右はキサゴです。
いずれも砂浜に暮らす巻貝で、日中は砂に潜って隠れています。

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マクラガイは、莚場では大量に漂着します。
他の砂浜でも見ないわけではありませんが、多くはありません。
ここが最適の生息環境だからでしょうか。あるいは、たいてい、
同じくらいの大きさの小石と一緒に打ち上がっているので、
そのような潮流になっているとも考えられます。

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右はじはメダカラガイだと思います。
左3つはチャイロキヌタガイかもしれません。
これらは両津湾岸にも多く見られます。
タカラガの仲間はフタを持たず、体が殻の半分を覆っているような、
およそ巻貝のイメージとは異なる姿をしています。
残念ながら生体は見たことがありません。たくさんいるはずなのになあ。
1月2日 14:00 長石浜・国府川河口付近

雪は多いけれど暖かい日が続いています。
山は小雪がちらついていました。下界は今日も雨です。
風が収まったので、ここのところ日参している長石浜に、
やっぱり来てしまいました。
空は暗く、強い雨が降っているのに、
岸近くの海は明るい翡翠(ひすい)色をしています。
荒波がたくさんの空気を巻き込む冬、佐渡の海はこういう色になります。
海中の酸素は、海藻や植物プランクトンによって生成されるのですが、
日照時間の限られる冬、このようにして溶け込む空気も、
重要な供給源になっていると考えられています。

雨に降られながらでしたが、来ただけの甲斐はあって、
今日も新しい発見がありました。
知らないことが多いので、いつ来ても新鮮な喜びがあります。

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これ、ナミベリハスノハカシパンによく似てますけれど、
ヨツアナカシパンだと思います。
ナミベリハスノハカシパンとヨツアナカシパンは、分類上、科が異なります。
ハスノハカシパン科とカシパン科です。
「寒いので寄り添って寝ているポチ(イヌ科)とタマ(ネコ科)」
くらいには遠いということです。
こちらはへりが波打っていないのと、
花びら模様の先端が閉じているので見分けます。
うまく説明できないのですが、実際にさわってみると、厚みの感じも違います。
生体は、優しい感じの桃色でした。
これは見たことがあるのです。
二見元村で見ました。本当に素晴らしい生き物でした。
二見についてはまた後日。書き始めると枚挙にいとまがなくなってしまいます。

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これはコブシガニの一種で、ヒラコブシかと思います。
より深い海を好むヒラテコブシかもしれません。
腕が長いのが特徴だと思いますが、
肝心のハサミが欠落しているので決定的な同定は難しいです。
ツノナガコブシガニとは同じ仲間です。砂浜や干潟のカニです。
みんな一円玉くらいの小さなカニだけど、いろいろ種類があって楽しそう。

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完全形のオキナガイも打ちあがっていました。
生体が打ち上がったもののようです。体は初めて見ました。
殻は薄いのですが、柔らかいというか、プラスチックのような柔軟性があります。
片側が少し反っていて、こちらは完全には閉じません。
こういう形状の貝に特有の、厚い鞘に包まれた水管でした。

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マテガイは、真野湾岸は多いはずなのですが、今日はあまり目立ちませんでした。
二十歳くらいの若者たちと貝拾いをしたことがあるのですが、
これ、最初貝だとわからなかったようで、こちらがびっくりしました。
今日は、このところの雨続きのせいか、
川から流れ込んだヨシの枯れ枝なんかが大量に漂着していて、
そういうときには、確かに見分けるのは難しいと思います。

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イシマキガイは、12月29日に初めて見たのですが、今回も漂着していました。
この仲間は河口域~淡水に分布し、
川の中流くらいまで、じわじわ歩いて登っていくのだとか。
殻の頂上部が欠けるのは、淡水貝ではよく見られる現象のようですが、
これは表面におびただしい侵食の形跡があります。
ツメタガイなどに狙われたのでしょう。
殻が厚いのが幸いしたのか、よく生き延びたものです。

あてもなく、貝を拾い集めて歩くのは楽しいのですが、
肝心なことは、同定してデータ化することだと思います。
わかっているけれど、これが本当に苦手。
週末から気温が下がりそうなので、ちょっとずつ手をつけようかな。。。
1月2日 13:10 鹿伏 12.2℃

以前、佐渡沿岸にはオオアマモは生育していないだろうと書きましたけれど、
もし仮に生育地があるとすれば、それは鹿伏であろうと思っています。

第一の理由は、ここが、オオアマモの漂着数が特に多い場所だからです。
今日も、やっぱりたくさんのオオアマモが打ちあがっていました。
大佐渡沿岸では、普通のアマモはほとんど打ちあがりません。
砂底はあるはずですが、アマモが生育するには、
やはり冬の波当たりが強すぎるのだと思います。
オオアマモばかりがこんなに打ち上がるのは、やはり近くに群落があるからでしょうか。

もうひとつ、以前ここでは、アマモのものではない、
大型の果序(実になった花の部分)がいくつか流れ着いているのを見たことがあるのです。
6月頃だったろうと思います。タチアマモの可能性もありますが、
タチアマモのシュートの漂着は、ここでは見られません。

不安材料は、やはり夏季にはどんなに時化ても、全く打ち上がらないということです。
枯葉も見られません。おおよそこことわかっていても、
実際に探すには、海は広大すぎます。
いつかオオアマモが、鮮やかなうす萌黄の葉をなびかせながら、
潮に合わせてゆったりとたゆとうている姿を見てみたいものです。

早くも生殖枝が漂着していました。右端のものがそうです。
これはあらゆるアマモの中で、最も早い開花だと思います。
まだ花序は葉鞘の中に入った状態ですが、それでもこの時期、
すでに生殖枝が発生しているアマモは他にはないと思います。

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2011.01.01 Don't be so sorry
あけましておめでとうございます。
時が止まってしまったかのような一年だったのに、
こうしてまた、新しい年が明けました。

大晦日の夜は実家に戻りました。
新年の一番最初の朝を、家族そろって過ごすためです。
子供の頃からずっとそうしてきました。
初詣は、ここのところ毎年、
三が日のうちに地元の神社にお参りに行っていたのですが、
今年はお休み。
夏に母が他界したばかりだからです。まだ62歳でした。

去年のお正月、母はすでに体調の異変を訴えていましたが、胆石だと言われていました。
まさか半年のうちに逝ってしまうなどとは、誰もが夢にも思いませんでした。
わたしは決して信心深いタチではないのですが、
いいえ、むしろ熱狂的な自然科学の信徒なのですが、
本厄だったので、うすぼんやりと、嫌な予感がしていました。
元旦の願い事は、今でもよく覚えています。

    どうか1年を、健やかに過ごせますように。
    大きな災いが家族の身に降りかかりませんように。
    けれどももし、そのような不幸が避けがたいものならば、
    それに耐えうる心でありますように。

願いは叶えられたのだろうと思います。
一年は、嵐のように過ぎ去っていきました。
年の初めに、わたしも、弟妹もそろって転職し、
うまくいった者もあれば、つまづいた者もある。
突然の余命宣告から死まではあっという間でした。
失ったものを埋め合わせようとして、
誰もがとり付かれたように、何かに没頭してやり過ごしてきた日々。

そして今年、今年という年は、
わたしたち家族にとって、野分のまたの日なのだと思います。
嵐で乱れ、壊れ、失われたものは、いずれ修復されるでしょう。
けれどもその前に、顔を上げて、あるがままの世界に向き合うのです。
誰かが死んでも世界は壊れないのだということを、受け入れなければならない。

海を見ていると、自殺した韓国の大統領の遺書を思い出します。
みぞれを降らせていた暗い雲が途切れて、
金色(こんじき)の光が水平線を照らすときがあるように、
わたしの心にも、
彼の言葉を実感として理解できる瞬間が訪れるのです。

     あまり悲しむな。
     生も死も、すべて自然のひとかけらではないか。
     すまないと思うな。誰も恨むな。
     運命だ。

世界の美しさを教えてくれたのは、母でした。
わたしは水が怖く、小学校高学年まで全く泳げませんでした。
泳げるようにしてくれたのは母です。彼女も泳げなかったので、
そのことが人生の豊かさを損なうと考えていたようです。
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