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台風が近付いているので、どこもうねりが強くなっています。
でもこの台風、残念ながら、前評判ほど佐渡には近付かないようです。
まだ、ガラモ場の残骸が残っているところが多いので、
ひと荒れして、一掃されるのを期待してたんです。

それに何より、雨が欲しい気分。
植物にとって、雨水は特別な効用があるみたい。
畑で伸び悩んでいる大好物の空芯菜やビートに、
そろそろ恵みの雨がほしいところです。

2011年 7月18日 11:00 多田海水浴場 28.9℃

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アマモ場では、時期を過ぎた生殖枝がまだたくさん残っています。
白っぽく見えているのがそうです。例年なら梅雨のうちに流失するのですが、
今年は梅雨が短かったので、かなりの量が残っています。
彼らも台風を待っているのかな。
このまま残っても、深刻な悪影響などはないと思います。

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群落のへりに、アマモの枯葉がたまっていることがあります。
これは、ゴカイなどによって分解され、アマモ場の養分として循環します。

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群落の中の空き地に、コアマモの小さな群落がありました。
この海水浴場では、コアマモはあちこちに生えるのですが、安定的でなく、
大きな時化が来るたびに、砂に埋もれたり、根こそぎはがされたりして、
生じては消え、を繰り返しているようです。
ここは、決して波当たりの強い場所ではないのですが、
もう少し閉鎖的で穏やかな海が好適地なのでしょう。
加茂湖にはたくさん生えています。

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テトラまわりはガラモ場がなくなり、すっきりしました。
コンクリの表面がむき出しで、ずいぶん殺風景な感じがします。
サンゴ藻や無脊椎動物に、隙間なく覆われている二見のテトラ周りとは大違いです。

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これはテトラの外側。水面に近いところはサンゴ藻が付着してピンク色です。
下のほうで、あばたのように見えるのは大きな岩ガキです。
他には目立った生き物の付着はありません。

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海岸に入っている岩や石の表面には、もっと多くの生き物を見ることが出来ます。
パッとしない風景に見えるのは、全体がかなりの砂を被っているからです。
こういう環境は、必ずしも好都合ではないはずですが、
生き物たちはしぶとくたくましく生きているようです。

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黄色いイソギンチャクはムツサンゴです。
サンゴと名がついているからにはサンゴです。
(サンゴ藻は違います。海藻です)
そもそも、サンゴとイソギンチャクは、とても近い種類です。
専門家ではないので、はっきりしないのですが、
キョウという骨格があるものをサンゴとして扱うようです。

ムツサンゴは、外洋に面した海の、岩陰でよく見かけます。
多田はとても多いところだと思います。
いわゆるサンゴのイメージとは程遠い生き物ですが、
色とりどりのサンゴ藻や、カイメンや、ヒラワツナギソウと入り乱れて触手を広げている姿は
これはこれでけっこう素敵な眺めです。

台風が近付いているせいか、うだるような暑さが続いています。
佐渡は海洋性気候なので、35℃を超える、いわゆる「猛暑日」は滅多にないのですが、
連日のこの暑さには、まったく閉口するしかありません。
毎日、のん気に泳いでるくせに、と思うでしょう。
今は海の冬なので、そんなにがつがつ泳ぐ必要もないのですが、
あまりに暑くて家でじっとしていられないので、
しょうがなく泳いでいる、というのが正直なところです。

下界よりも幾分冷涼な山里では、ほとんどの家が、クーラーなしで夏を過ごします。
子供の頃、夏は、今よりもぎらぎらとしていて、
もっともっと暑かったような記憶があるのですが、
実家では、クーラーどころか扇風機も使用していませんでした。
今でもクーラーは苦手ですが、そうかといって、
始終うちわをあおいでいるわけにもいきません。

そんな夏になくてはならないのが、ハッカ油。
ペパーミントの精油でもかまいません。
実際のところ、アロマオイルなどは、
香りをかぐくらいしか、実用的な用途はないとお思いではないですか。
ミントのオイルは違います。一度使うと手放せなくなります。
お風呂にたらしたり、シャンプーに数滴加えたりするだけで、湯上りが断然さっぱりします。
わたしは化粧水にも加えています。

特におすすめなのは、ミントタオル。
100ml程度の水に、1~2滴油をたらし、乾いた手ぬぐいタオルをひたして、
まんべんなく濡らしてから、固く絞ります。
このタオルを肩にかけて過ごすと、メントールの効果で肌寒さすら感じるほど。
真夏のやむを得ない外仕事の際も、首にひと巻きすると体が楽になります。
起き抜けや、出先で汗をかいたときなど、ミントタオルで体を拭くと、
すうっと汗が引いて、さっとシャワーを浴びたくらいの効果はあります。

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それにハッカの香りって、清涼感があって、かいだだけでも涼しさを感じるもの。
ひんやりとした肌から、うっすらミントの香りが立ち昇ってくるのは、気分がいいものです。
普段はベチバーやパチュリーのような、重たい草の香りが好みなのですが、
夏にはミントやローズマリーを選んで、ズボンの裾の縫い代にでも、ほんの少したらして、
コロンのように楽しむのもいいかもしれません。
結局、香りの話になってしまいましたね。

2011年 7月14日 12:00 二見元村 27.4℃

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海藻の茂みの中に、なぜだか白いお腹を見せている小魚がいると思ったら、
別の大きな魚にぱっくり、くわえられてしまっていました。
捕まえたほうの魚は、こちらへじろりと、にらみをきかせています。
誰だったか、肉食性の魚はやっぱりきつい顔つきをしている、
と言っていたのは、本当にそうだと思います。

テトラポットの旅に戻りましょう。
岩などの、オーバーハングになった陰の部分には、日が当たらないので海藻は生えません。
日光が必要ではない動物にとっては、そこは格好の空き地です。
二枚貝などは少なくて、カイメン類がよく発生するようです。
このカイメンを主に食べているのがウミウシたちです。
巨漢のアメフラシは海藻食なのですが、
小さな宝石たちは、けっこう獰猛な肉食性なのです。

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二見で最もよく見かけるのはシロウミウシです。
カイメンに群がって、お食事中の場面に遭遇することも少なくありません。

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アオウミウシも普通種です。でも今日は、あまりにもシロウミウシが多かったので、
なんだか特別な生き物を見た気分。
同じ種類のウミウシが、ひとところにたくさん集まっていることはよくあります。
カタツムリが這ったあとの、ねばねばした粘液のようなものを、ウミウシも出していて、
そこに匂い物質が含まれているので、あとからあとから同一種が追いかけてくるのだとか。

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キヌハダウミウシ。鮮やかな黄色ですが、
単色なので、ウミウシとしては地味なほうかも。

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ジボガウミウシ。同じ単色でも、輝くような純白は目に鮮やかです。
このウミウシはそれほど普通には見かけません。
昨年、初めて二見で遭遇して、すぐさまカメラを向けたのですが、
まさかの電池切れで悔しい思いをしたのです。
今回再会できたのは幸運でした。

これらのウミウシは、お尻のほうに丸い可愛らしい王冠を戴いているのが特徴です。
王冠の正体はエラです。呼吸を行う大切な部位ですから、
びっくりしたときなどは、すぐさま体の中に引っ込めてしまいます。

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ホウズキフシエラガイです。
七浦海岸ではよく見かけます。エラは体の横側にあります。
体内に薄い貝殻が残っている、巻貝に近いタイプのウミウシです。

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サクラミノウミウシは初めて見ました。
青白いような白色のミノに、内臓が透けている体は淡い朱鷺色です。
ミノウミウシのミノは、全体がエラです。
ここは、大切には違いないのですが、とっさに隠すことが出来ないので、
簡単に千切れる構造になっているようです。
これだけたくさんあれば、何本かなくなっても、どうってことはないでしょう。
逆に、ミノを犠牲にすることで、本体は逃げ切れるかもしれません。
もっとも弱い部位を、弱さゆえに強みにかえているのです。

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これは、番外編。シロウミウシによく似ていますが、やけに平べったい体ですね。
あの特徴的な王冠も見当たりません。縁取りの色彩にも違和感を感じませんか?
これはヒラムシの仲間です。ヒラムシの中には、ウミウシに酷似したものがあるのですが、
陸上で言うと、ナメクジとコウガイビルくらいに違う生き物です。
カイメン食のウミウシは、体内に毒成分を蓄えているので、
毒のある生き物に姿を真似ることで、身を守っているのかもしれません。

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旅を終えて最後に、足元の小さな石の下に脚が見えたので、
ひっくり返すと、たくさんのニホンクモヒトデ!
クモヒトデ、ずっと会いたいと思っていたのです。
一応断っておきますけど、わたし、普段は、こういうことはあんまりしません。
石を動かしたりすると、そこに人為的なギャップが生じることになるので、
極力、環境を変えないように気をつけているつもりです。

岩陰だけでなく、石の下にも動物たちの楽園がありました。
次は、そういう場所を巡る旅に出掛けるのもいいかもしれません。

2011年 7月14日 12:00 二見元村 27.4℃

猛烈な勢いで水温が上がっています。
盛夏、海水温が30℃近くなる二見元村では、
褐藻が著しく枯れ上がる夏枯れが起こります。

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白い骨のような褐藻の茎が、一面に横たわっている姿は無残ですが、
これは毎年恒例のことで、
時期が過ぎればもとの豊かなガラモ場がよみがえります。

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アマモの生殖枝は失われつつあります。
かわりに栄養枝が大きく育っています。繁茂したアマモは、これから10月ごろまで、
さんさんと照りつける太陽の光を浴びて、栄養を蓄えます。

今日は、砂浜のテトラポットまわりをご案内しましょう。
こういう人工物に手放しで賛成はできないのですが、ほかによりどころのない砂浜では、
重要な生態系の場になっていることが少なくありません。
海域によって個性があり、二見は、
植物プランクトンが豊富なので、その影響がよく現れていると思います。

テトラの内側は褐藻がよく繁茂するので、その夏型が表面を覆っています。
外側はちょっと様相が違っていて、多少とも波当たりが強まるせいか、
大型の海藻は少なくなるようです。

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表面の大半を覆っているのはサンゴモで、水面下のテトラポットはピンク色をしています。
ところどころ、オパールのように輝く宝石が散らばっています。

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ヒラワツナギソウです。比較的短命な海藻で、夏のこの時期が見ごろです。
目の覚めるようなサファイアブルーが多いのですが、ヒスイ色をしたものも見かけます。
佐渡沿岸のどこでも発生します。
どちらかといえば、温かくて穏やかな海を好むように見受けられます。

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テトラポットの下のほうには、カキの仲間だと思うのですが、
二枚貝がたくさん付着して口を開けています。

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海藻に混じって、白い羽のようなものが生えています。
これ、一見すると海藻かと思うのですが、れっきとした動物です。
繊細で神秘的なこの生物は、あのヒドロ虫の仲間です。
ですから、素手で触ってはいけません。
試したことはありませんが、軽い痛みがあると言われています。

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こちらはクロガヤです。シロガヤは、岩場ならどこでも見かけますが、
わたしは、クロガヤを見たのは二見だけです。
シロガヤはたいてい岩陰に生えますが、クロガヤは褐藻の茎に生えるようです。

ヒドロ虫の仲間は、至る所に発生していますから、
岩場で泳ぐ際には、肌を露出せずに、靴を履き、手袋をはめて泳ぐことをおすすめします。
人間は海の生き物ではない、ということを謙虚に自覚し、十分に身を守る必要があると思います。

2011年 7月11日 13:00 莚場海水浴場 26.2℃

念願叶って莚場に入りました。
前回は風向きが悪くて引き返したのです。
でも、本当はここ、そんなにお気に入りじゃないんです。
砂浜なのですが、沿岸には、多田のような広大なアマモ場はありません。
ところどころ、ちょびちょび、っと生えているだけです。
けっこう生えてる場所でも、こんな感じ。

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枯葉の漂着は多いので、ずっと沖合いには群落があるだろうと思います。
わたしはそこまでたどり着けません。
アマモ場のない砂浜は、オアシスのない砂漠です。
それで、ちょっと興味がそがれてしまうんです。

今回2年ぶりくらいに入ったのですが、思いがけない発見がありました。
アマモ場はないのですが、見かける生き物の種類は、多田と大差がないのです。
アマモ場以外のオアシスがあるからではないでしょうか。
茫漠とした砂浜の中に、あちこち、褐藻の繁茂している箇所がありました。

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海藻は砂の中には発生できないので、埋もれているけれど、ここには岩盤があるのです。
岩盤が砂の上に顔を出している場所が、随所にあって、そこに褐藻が生えることで、
砂浜にアマモ場があるのと同じように、生態系の要所が形成されていると考えられます。

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普段は夜行性のバイが、小さな岩にたくさん群がっていたので、
近付いてみると、産卵中でした。

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これは本当にびっくりしました。卵も初めて見ました。
密集しているので、乳白色に見えていますが、
目を凝らすと、透明のさやの中に、細かい茶色の粒々が入っています。
貝の卵って、とっても神秘的です。

砂底の表面は、いろいろな生き物が盛んに利用しているので、
有機物が消費されて白っぽい色をしています。
この砂底が、何かの拍子に深く耕されるようなことがあると、
(時化の際に潮流の加減でえぐれたり、大きな魚が暴れたり、船のいかりを降ろしたりした時など)
地中の有機物が表層に浮き上がってきます。
長く埋もれていた下層の土は、黒味がかっていることが多いようです。
このような転地返しが起こった箇所は、一種のギャップで、
有機物を多く含んでいるので、多くの生き物たちを呼び寄せます。

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ゴカイのフンが所狭しと並んでいます。表面にはハゼやカレイの幼魚が身をひそめています。
ギャップもまた、ひとつのオアシスであるのかもしれません。
表出した養分が消費され尽くすころには、
砂はもとのように白味を帯び、周囲と均一化して、ギャップは消失します。

砂浜で、まわりと色の違う場所を見かけたら、そこは特別な空間かもしれません。
じっくり観察してみることをおすすめします。

梅雨に入ったあたりから、静かな山郷に、
小さな貴婦人たちが乱舞しています。

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これはアカタテハかな?
ほかには、ヒョウモンチョウやクジャクチョウが多いようです。

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白いラインが印象的な、ハチノジチョウ。

これらのチョウは、繁殖のためではなく、
夏の間の避暑のために、下界から上がってきているようです。
種類にもよりますが、チョウの飛翔能力はかなり高いのです。
海を越えて、夏の間だけ佐渡に渡って来るチョウもいます。

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今日、軒下の子ツバメたちが巣立っていきました。
昼頃まで、最期の一羽がぐずぐずしていたのですが、
根気強く呼びかける親鳥に促されて、空高く飛び立っていきました。
プリーツスカートのようなスワロウ・テイルを広げて、時折ホバリングしながら、
2+4匹のツバメたちは、古巣の上を、何度も何度も旋回していました。

夜、疲れて帰ってくると、小さなお尻を並べて出迎えてくれた、
あの子ツバメたちはもういないと思うと、うれしい反面、少し寂しい心地もするのです。
さようなら、新しい命たち。
こんにちは、喜びの夏。

遠くのものでも、近くのものでも、目に見えるものでも、見えぬものでも、
すべての生きとし生けるものは、幸せであれ。

                                     スッタニパータ

2011年 7月13日 14:30 長浜・大須 30.8℃

急速に海水温が上がっています。
梅雨が明けたばかりで、真野湾は豊富な養分をたたえています。
海の栄養分のほとんどは、河川水によって陸からもたらされています。
そこへ、連日の猛暑で強い日差しが照り付けると、
植物プランクトンが大発生して透明度が下がります。
長浜は、今はこんな感じです。

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このような濁りは、湾の宿命です。
透明度が低いと、すぐに「キタナイ」と考えがちですが、
海に暮らす多くの生き物たちにとって、
この程度の濁りは、問題にもならないどころか、大歓迎でしょう。
植物プランクトンが海の食物連鎖を支えているからです。
むしろ、水温が高くなりすぎることのほうが心配です。

長浜荘のあたりは、長浜では比較的海藻が少ない場所なので、
かわりにいろいろな無脊椎動物が観察できます。
先日、カイメンとホヤの話をしましたね。

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根拠は色だけで、同定は曖昧ですが、ムラサキカイメンかと思います。
これは珪藻が付着して褐色がかっていますが、
淡い藤色をした美しいカイメンです。

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ナミイソカイメンかと思います。

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ダイダイイソカイメンでしょうか。
ホヤの仲間のイタボヤは、これに極めて類似しています。

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これは、特長的な形状をしています。
岩のうわっ面ではなく、オーバーハングになった暗い岩陰でよく見かけます。

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白い付着物はヘンゲボヤ。これは、ホヤの仲間です。
全体でひとつのホヤではなく、小さな個虫の群体です。
ホヤの仲間は、よくよく目を凝らすと、全体に小さなツブツブ模様が浮かんでいます。

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カイメンとホヤには、はっきりした棲み分けはなく、
同じ岩の上に混在していることもよくあります。
どちらも、海水から植物プランクトンを漉しとって食べているので、
真野湾のような場所はうってつけの住みかなのです。

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岩陰は巻貝たちの産卵場所にもなります。
これはイボニシの卵でしょう。貝の産卵は、本来夜が多いのでしょうが、
イボニシは、昼間でも産卵シーンに出会える確率は高いと思います。

セミが鳴いています、とても、激しく。

ここは、山の上のほう、と言っても、標高はさほどでもないのですが、
もともと本州よりは冷涼な海洋性気候なので、夜の気温が下がり、
下界よりも、セミが鳴き出すのは遅く、鳴き止むのは早いのが普通なのです。
今年は、梅雨明けと同時に、下界で初めてのセミの声を聞きました。
家のまわりでも、全く同時に鳴き始めたのには驚きました。
突然、真夏がやってきたみたい。
今、夕暮れで、ヒグラシとニイニイゼミが鳴いています。

最近は気をつけているのでだいぶいいのですが、
夏はいつも、深刻な冷えに悩まされます。
家にクーラーはありません。この集落ではそれが普通です。
外出先でも、極力、クーラーを避けて行動しているのですが、
毎日のように海に入るので、どうしても冷えが溜まってしまうようです。
とくに、海水温の低い5月から7月は、
おなかを触るとヒヤッとするくらい、内臓が冷えてしまいます。

毎日少しずつ、キムチを食べると、いくらか効果があるようです。
わたしは自分で漬けています。
ニンニクが苦手なので、かわりにショウガをたっぷり加えます。
下漬けするので、ちょっと時間がかかりますが、慣れてしまえば、けっこう簡単。
韓国料理の本にはだいたい、漬け方が載っています。
ほとんど日本の食材で代用できるのですが、
アミの塩辛だけは手に入らないので、タイのカピというエビ味噌を取り寄せて使っています。
イカの塩辛でも代用できるらしいのですが、試したことはありません。
今回は、地物のニラがたくさん出ていたので、ニラキムチを漬けました。

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暑いので、ほんの数日で、乳酸醗酵が進んですっぱいにおいがしています。
わたし、すっぱいキムチが好きなんです。
醗酵してから冷蔵庫へ入れて、1ヶ月あまりかけて、調味料のようにして使います。

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キムチチャーハンにして、さっそくいただきました。
ごはんは、白米に、黒米と黒豆を混ぜて炊いています。
豆の甘みがキムチの辛味によく合うのです。
生卵のほかに、納豆をトッピングするのもおすすめです。

白菜やきゅうりのキムチが有名ですが、本場では、
山菜や、サツマイモのつる、黄変した大豆の葉なども使うとか。
コゴメで漬けたキムチは、さわやかな果物のような味でした。
キムチの薬効ばかりでなく、
あるものと、使えるものを最大限に活用する姿勢を、見習いたいと思っています。

2011.07.11 失明する女
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4ヶ月が過ぎた。

この4ヶ月、ひとときも心の休まることはなかった。
最後の日の彼の声、彼の視線、彼の残り香       。
忘れようとしたけれど、それももう疲れてしまった。
思い出を捨てて前へ進むくらいなら、
いっそ進まなくてもいいじゃない。
ひとりで遠くへ来すぎてしまったし、それに、
先を急いだところで、今のわたしには、
きっと何も見えないもの。

そっとしておいて、行きたくなったら行くわよ、
だってそれがわたしでしょ。
前へ進むことだけが、自分の存在証明だと思っていたけれど、
今は目を閉じて、もう少し、ここに立ち止まっていたい気分なの。

2011年 7月 8日 14:30 豊岡 22.2℃

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豊岡は前浜のいち集落です。本当は赤泊側の莚場へ入りたかったのですが、
あいにく風が悪く、両津側へまわることにしました。
前浜には海水浴に適した十分な海岸はありません。
一周線の整備に伴って、ほとんど埋め立てられてしまっているのです。
すぐ沖合いは砂底です。海草群落が点在しています。
はっきりとわかりませんが、開花枝の様子を見る限り、アマモのようです。
この一帯には、より大型のタチアマモ群落が存在している可能性があります。
それはもう少し水深の深い場所にあるのではないかと思います。

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海村にはよくある、小さな祠の載った大岩の周囲は、海の無脊椎動物の宝庫です。
色とりどりのカイメンや、小さなサンゴの仲間、ホヤ類などがひしめきあっています。
2mほどの水深にもかかわらず、不思議と、海藻の付着が少ないのは、
この岩のオーバーハングの形状によるのではないかと、わたしなりに推測しています。
それほど大きくない石でも、岩陰になる部分は、日が当たらないので、
海藻が生育できず、動物に占有されるのが普通です。
この岩の周囲は、それほど暗くはないのですが、やはり、ある一定以上の傾斜があると、
海藻(主に褐藻)が定着しにくくなるのではないかと思います。

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水色や、ピンクの粘着物のように見えているのはカイメンです。
オレンジ色で、煙突のような口を空けているのはエボヤかと思います。
ホヤの仲間には、岩の表面にべったりと張り付いて横に広がるものもあって、
カイメンに非常に類似した印象を与えます。
実際には、カイメンとホヤは、図鑑の最初と最期に載るくらい、かけ離れた生き物です。
多くの生物図鑑では、より原始的な生物から順に掲載されています。
ホヤは、もっとも進化した無脊椎動物のひとつで、魚類に極めて近い生物です。

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ふさふさの毛を花のように広げているのは、ケヤリムシです。
ゴカイの仲間です。この花は、驚くべきことに、彼らのエラです。
茎の部分に棲んでいて、危険を察知すると、素早くひっこんでしまいます。

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枯れ枝のようなものは、サンゴの近縁のヤギの仲間だと思うのですが、はっきりとはわかりません。

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これも、ヤギかと思っていたのですが、
全体に細かい白い毛のようなものが生えています。
ヤギモドキウミヒドラの仲間かもしれません。これはヒドロ虫、つまりクラゲの一種です。

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岩の上に、時々、白やオレンジのバラの花が咲いていることがあるのです。
これはウミウシの卵塊です。
断定できませんが、シロウミウシのものではないかと思います。

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小さな小さなオトメウミウシ。ウミウシとしては標準的な大きさです。
海の宝石と呼ばれるウミウシの大半は、このくらいか、あるいはもっと小さいのです。
すべからく、写真よりも実物のほうが価値があるとは思うのですが、
単に見た目がキレイだという意味では、ウミウシは写真で見るほうが迫力があります。

この小さな生き物を、わたしは自分自身の戒めとしています。
『ウミウシは海の宝石』などと言うと、
実際にいくらか磯遊びをしたことのある子供たちは、得心のいかない顔つきになります。
彼らにとってウミウシとは、10cm以上の巨体をしたアメフラシのことだからです。
これは健全な感性です。わたしは、子供たちには、
映像や写真でしか見ることのできない、南国の極彩色のウミウシのあでやかさよりも、
すぐそばに生きている、地味で不細工なアメフラシの、ありのままの姿を、
自分の目で確かめて、知っていて欲しいのです。

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