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2011.11.15 柚子の恵み
今夜はだいぶ気温が下がって、木枯らしらしきものが吹いています。
ようやく冬の実感が涌いてきて、少しはしゃいでしまいました。
もっともおっと、さあむくなあれ。

今年佐渡では、生りものは全体的に作がいいようです。
母が大切にしていた柚子の木にも、
見たことがないほどたくさんの実が生っていました。

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これで全体の半分くらい。
例年だと、この半分も収穫できないので、誰にも譲らず、
こっそりたぼうて(隠して)おいて、それでも足りずに結局買ったりするのですが、
にわかに柚子長者となり、大盤振る舞いも出来そうです。

これは香りの素晴らしい本柚子です。
毎年、カイガラムシの害にあって、果皮が真っ黒になっていることが多いのです。
それを磨いて磨いて、少しも無駄にするまいとあの手この手を尽くすのですが、
今年はカイガラムシがほとんど発生しなかったようです。
どれも綺麗な黄金色に輝いています。

今住んでいる山の家のあたりは、柚子には寒すぎると聞いています
枯れはしないのですが、木がなかなか成熟せず、作も悪いとか。
それでなくとも、
「柚子の大馬鹿18年」とも言われる極めて生長の遅い果樹です。
母の柚子は、弱弱しい小さな木ですけれど、ずっと大切にしたい宝物です。

強健で、無農薬で収穫出来る、この北限のかんきつ類を、
もっと自由に使わない手はありません。
砂糖との相性は抜群です。
細切りにした皮と果肉を砂糖に漬け込み、熟成させる韓国の柚子茶は有名ですが、
ジャムやレモネードにしてもよいものです。
レモンのようにケーキに使うと、より日本人好みの味に仕上がります。
パイ生地の上に、レモンクリームとメレンゲを乗せて焼くレモンクリームパイも、
柚子で作るのがおすすめ。
あんこにも混ぜて使っています。

あ、今、あられが降ってきたみたい。
冬が柚子の香りと共にやってきました。
2011.11.14 Belive the wings
2011年11月10日 13:30 多田海水浴場 20℃

なんだかんだといろいろあって、くさくさした気分。
そのせいか、ここのところ迷走が続いています。
今日も和木まで足を伸ばしたのに、風がイマイチで濁りが強く、
引き返して多田海水浴場に入りました。

アマモ場は、今はあまり動きのない時期です。
海藻が次々新芽を伸ばしているのとは対照的です。
わたしを迷わせる風、
その風の思いがけない恩恵で、
海水浴場にたくさんのツノクラゲが流れ着いていました。

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暖流に暮らす大型のウリクラゲの一種で、
あちこちの沿岸にしばしば迷い込んでいます。
こんなにたくさん入っているのは初めて見ました。

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この写真だとわかりにくいのですが、
全身に突起が散在しているのが特徴です。
ウリクラゲ類の中では、複雑な身体の構造を持っています。

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ウリクラゲ類の特徴である、櫛板が虹色にきらめいています。
最近では多くの水族館で、ウリクラゲの展示が行われているようです。
暗い水槽の中で、櫛板の反射が最大限美しく見えるようライトアップされています。
これは本物の、自然光のプリズム。

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今回、ちょっとびっくりしたんですけれど、
これ、同じツノクラゲなんです。
頭の部分?が翼のように開いて、水中を漂っています。
まっすぐ下に伸びているのは、エサを捕獲するための触手です。
左右に広がっている虫の足のような部分は、これとは別に、
普段はコイル状に巻いて内部に収納されているのですが、
このときはゆらゆらたなびいて、方向転換くらいには役立っているようでした。

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下からのぞくと、ふたつの翼が中央で繋がっているような構造です。

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近付きすぎると、水流のせいか、
ばたばたと翼をたたんでもとのウリ型に戻ってしまいます。
とても柔らかい身体。
翼が閉じると、やっぱり普通のツノクラゲです。
こんなふうにはばたくとは全く知りませんでした。

ツノクラゲは暖流の生き物ですから、水温が下がれば死んでしまう運命です。
今年は水温がとても高いので、こんなにもいきいきとした、
本来の姿を見せてくれたのかもしれません。

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それに表層に淡水があるようです。
プランクトンが発生しやすい環境ですから、
たっぷりのご馳走を楽しんでいるところだったのかもしれません。

とても神秘的なクラゲの飛翔。
これでちょっとは、魂の迷走も報われたってことかしら。

2011.11.08 零余子飯
立冬を過ぎました。
暖かかったので、うっかりしていたのですが、
冬間近の気配が日に日に濃くなってきて、
朝夕の冷たい風に追い立てられるように、冬支度に取り掛かっています。

庭の整理や、煙突掃除もあるのですが、
今は秋の収穫におおわらわ。

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わたしの大好物、ヤマイモのむかごです。
葉の付け根のツルに、直接小さなイモが発生しているのです。
あちこちまわって、たくさんたくさん集めて、冬中食べ続けます。

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保存できるの!?
とびっくりされることがあるのですが、ヤマイモと同じで、
凍らない程度に寒い場所においておけば、春までこの状態です。
冷蔵庫に入れなくて大丈夫!?
などと聞くひとがあるのは、いかにも現代っ子らしい笑い話。
(今どきの家は、どこもかしこも暖かいので、
 そういう場所では、実際保存がきかないのかもしれませんけれど)
翌年の春には、全体にびっしりと根が生えて、
やっぱりイモだったんだと妙に納得します。

まずは、むかごご飯がおすすめです。
零余子飯(むかごめし)は季語にも使われるとか。
もともとは、山の百姓のかさまし飯なんでしょうけれど、
飽きない味で、栗やサツマイモのご飯なんかよりずっと好きです。
ぬめっとしたヤマイモ特有のねばりと、少し青臭いような濃厚なイモの香りがします。
わたしはいつも赤米と一緒に炊いています。
むかごの皮の裏が、緑色を帯びているので、色の対比が素敵なんです。
残ったご飯を炒飯やリゾットに転用してもおいしいものです。

2011.11.07 海は何色
いま、ひとつのものが、
ようやく去っていこうとしている。

悲しみと怒りが溢れていた胸の奥を、
何の手触りもない空虚が満たす。
ああ、懐かしい虚無。
失意と絶望の向こうにかすかな風が吹く。

若い頃、世界は真っ白なカンヴァスで、
自由な色でそれを染め上げる権利があると信じていた。
今、わたしは、
折れた絵筆を静かに置いて、
世界のあるがままの色彩を受け入れたい。

わたしは引き潮を見送っている。
その潮騒の中に、満ちてくる次の潮の高鳴りを、
すでに聞き分けている。

気がつけばもう11月。
わたしの人生の谷に白い花を降らせていたマタタビも、実りの季節を迎えています。

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マタタビ酒に使用するものは、まだ青い果実ですけれど、
熟すとオレンジ色になります。
野性味溢れるマタタビ、実はキウイフルーツと同じ仲間です。
断面を見れば納得。

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もちろん生食もできます。
たくさんなっているのを見かけたら、
せっかくですから、ジャムを作ってみませんか。
人生のように、ちょっとだけほろ苦い大人のジャム。

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収穫したもののうち、ヘタが引っ張ってはずれるくらい熟したものを選び、
ブランデーに漬け込みます。完熟したものだけでなく、
まだ少し青味がかっているものを混ぜたほうが、独特の味が引き立ちます。

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青いものはザルなどに広げておいて、
ヘタがはずれるようになったら順次加えていきます。

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ひたひたのブランデーに漬けて、数日放置すると、
マタタビ特有の素晴らしい芳香を放つようになります。
日持ちしますから、十分な量のマタタビが収穫できるまで、
この状態で保管しておくことも可能です。

鍋に果実だけをあけて、つぶしながら煮ていきます。
何十分も煮詰める必要はありません。軽く水気を飛ばす感じ。
最後に砂糖とたっぷりのレモン汁を加えてください。
残ったブランデーは、次のマタタビを漬けるのに利用したり、
ケーキに加えて使い切ります。

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ジャムと言えば、朝食が定番ですが、アルコール分が残りがちなので、
夜のお供に。そのかわり日持ちします。
ちょっと刺激的で大人のお味。あらゆるジャムの中で、わたしは一番これが好き。
ナッツなどが入ったハードなパンに、クリームチーズと一緒に載せて楽しみます。

しばらくは、あちこちの沢を巡って、一年分のマタタビを集めて回るので大忙し。
幸い野鳥以外にライバルはいないので、
集落中のマタタビを、いつも独り占めにしています。

野生の果実は強い薬効成分を含みますから、
身体に合わないと思ったら、無理に食べないようにしてください。

2011年11月 2日 10:00 梅津・平沢海水浴場横 19.1℃

本当は和木に入りたかったんですけれど、風がよくなかったので、
引き返して、いつもの平沢海水浴場へ。
ここも、別段の変化は望めないので、
堤防をひとつ挟んで梅津寄りの、テトラの内側に入りました。

こちら側は、実は初めて入ったんです。
夏でも、海水浴場の喧騒を横目に、静かなプライベートビーチの様相。
小さな堤防ひとつ挟んだだけですから、
見慣れたアマモ場の光景が広がっているものとばかり思い込んでいました。
それで今日の今日まで、一度も入ったことがなかったのです。

入ってみてびっくり。
海水浴場とは全く違う光景が広がっていました。

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海が暗い時期なので、うすぼんやりとして写っていますが、
このあたりの海としては、透明度は悪くないと思います。
粒子の細かそうな砂底に、褐藻の森が広がっています。

森の周囲には草原が広がっています。
アマモよりも小型のコアマモの群落です。

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非常に大きな群落です。
こんなに大きなコアマモ群落は初めて見ました。
シュートもよく伸びています。

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ここまで長く生長したコアマモのシュートは、滅多に見られません。

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これがだいたい普通サイズ。中央が地下茎です。

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長いものでは3~5倍くらいの長さがあります。

ざっと泳いだところでは、アマモはまったく見当たりませんでした。
海水浴場側では、アマモが優先種で、コアマモはわずかなのですが、
一転、こちら側はコアマモの楽園だったのです。

どうしてこのような逆転が起こっているのか、はっきり断言できませんが、
こちらがより穏やかな環境であることと関係しているかもしれません。
潮通しの良くない海域では、コアマモが優先すると聞いたことがあります。

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砂の上に、たくさんの生き物たちの巣穴。
波当たりが弱く、これらの砂はあまり動かないのではないでしょうか。

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波打ち際の、小石の上にはフクロノリが発生しています。
この褐藻は、短命なオポチュニスト(日和見主義者)ですが、
動きやすい浅瀬の小石にまで海藻が発生しているということは、
ほとんど波も寄せないほど、静かな海であることを示しています。

見慣れた海のすぐそばにあった、見たことのない、新しい世界。
1年に100日くらいは海に入っているのに、
まだまだ知らないことばかりです。
2011.11.03 夏の落とし物
次の満月に向かって、星占いの恋愛運は絶好調。
わたしの場合、こういうときほどツイてないんです。
車はぶつけるし、家のポンプの調子は悪いし、
いよいよ洗濯機まで壊れる始末。

父が電気修理士だったので、見てもらったのですが、
ポンプは早めに部品交換し、洗濯機は、
直すくらいなら買い換えるが良し、とのお見立て。
手痛い出費です。
(車はとりあえず、弟がハンドパワーで応急処置しました)
悪いことは重なるものです。
ほかの山羊座さんたちに、運を吸い取られてるんじゃないかしら。

引っ越して3年になりますが、父が山の家に来たのは、実は今日が初めて。
今朝、慌てて大掃除しました。
窓際を掃いていると、どこからか1頭のチョウの死骸が出てきました。
夏、この山間に避暑に来ていた、貴婦人たちの1頭かもしれません。
今はあの優美な姿はどこにも見ありません。

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死んでしまったチョウは寂しい。
捨てようと思って窓を開けると、不意に雲が途切れて、
晩秋のやわらかな日差しが死骸の上に落ちました。

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地味なこげ茶色だった部分が、目を疑うような青紫色に輝いています。
コムラサキだったのです。
真夏の空をまだ映し込んでいるような、深い深いきらめく青。

チョウなどの持つこの幻想的な色彩は、構造色と呼ばれ、
実際に色があるのではなく、鱗粉(りんぷん)の表面の微細な構造に、
光が干渉して現れる反射光であることが知られています。

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