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イモ類は全般的に好物なんですけれど、
この時期のお気に入りは、ヤーコン。
健康食材として人気がありますよね。

ふつうのイモと違って、炭水化物っぽくなくて、
よく、梨に例えられますけど、
しいて言うなら、味のない白いたくあんみたいな食感。
生食は、それほどおいしいと思いませんでした。
でも、これ、りんごと組み合わせると、お互い引き立てあって、
うっとりするくらいおいしい。
ちょっと褒めすぎかしら。

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細かく刻んで、りんごと同量でジャムにします。
りんごがグズグズになるまで煮込んでも、ヤーコンの質感が残ります。
独特の匂いがあるんですけれど、もし気になるようでしたら、
仕上げにローズゼラニウムの葉を加えて、香り付けするのもおすすめです。
もともと糖質が多いので、砂糖なしか、控えめにして、
トーストにたっぷり載せて、どうぞ。

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アップルパイのフィリングとしても優れています。
やはりりんごと同量で使います。
絶対にりんごだけよりおいしい!
ヤーコンのアップルパイを作れないと困るので、自分で植えて育てているほど。
店先で、幸運にもヤーコンを見かけたら、
奇跡のアップルパイを、ぜひお試しください。

  にげなきもの(似つかわしくないもの)、下衆の家に雪の降りたる。
  また、月のさし入りたるもくちをし。

                                  『枕草子』


今朝は痛いくらいの寒さで目が覚めました。
期待していた雪のほうは、前評判ほどでもなくて、
昼間はまた、うらうらと日が照っています。
思い立って、今年初めての雪かきをしました。そう、初めてなんです!
去年は毎日のように雪を運んでいたのに、
今年はやっぱり、雪が少ないんじゃないかしら。

雪かきしなきゃならないほどの雪でもないんですけれど、
新しい雨具も買ったし、(うぐいす色!)
天気もいいし、外仕事するには気分のいい日和です。

夜明け前から動いていた除雪車のおかげで、道路はさっぱりしています。
除雪車が通ったあとって、はね上げられた雪が道の脇で硬い山になって、
その雪を取り除くだけでも大仕事でしょう。
女一人の山暮らしを気遣ってか、いつも、家の前のところを、
除雪の方が、少しばかり、引っかくようにして、雪をのけてくれてあるんです。
これだけで手間が全然違います。本当に助かっています。

昨日、薪が少なくなってきたんで、実家から運び上げました。
今は実家では全く使っていませんけれど、風呂を焚くのに、
以前は薪が必要だったんです。
用意するのは祖父母の担当でした。
祖父が他界してからは、祖母がひとりでチェーンソーをふるっていました。

3年前に、祖母が脳梗塞で倒れてからは、
薪を作ることも、使うこともなくなっていました。
家族が少なくなると、ボイラーで一気にお湯を溜めるほうが効率的だからです。
家の裏に木小屋と呼んでいる薪置き場があって、
どのくらい薪が残っているのか、3年ぶりに見に行ったんですけれど、
驚きました。
薪ストーブでたっぷり2年分くらいの蓄えがあるんです。

八十ばあさんのにわか仕事ですから、杉の枝なんかが多いんですけれど、
きちんと切りそろえられて、持ち運びに都合がいいように、
ひとかかえずつ束ねてあります。
それが整然と、うずたかく積み上げてありました。

コンクリを張っただけの床には、今さっき置いたようなチェーンソー。
3年前のあの冬、
さあ、今日はもうこれくらいにしよう、
明日またやろうと思って、祖母がチェーンソーを置いた日、
夜半に倒れてそのまま寝たきりになってしまった日、
何もかもがその日のままでした。

後生大事にたぼうておいても、朽ちてしまう薪です。
山の家の暖房に消えるとは、祖母にとっては少々、不本意かもしれませんが、
大切に使わせてもらっています。
ばあちゃんが、冬支度を手伝ってくれたみたい。

きっと、大きな大きな自然の中で、
何もかもひとりで生きるなんて、出来ないのです。
一人で暮らしていても、実際には、
たくさんのひとたちに支えられているんだな。
現在を生きる誰かだけでなく、過去を分かち合った誰かが、
いつもかたわらで支えてくれているのです。
ひょっとしたら、未来にめぐり会うまだ知らぬ誰かの手が、
そっと添えられている、そんなときもあるかもしれません。

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2012.01.25 隣の通小町
今夜はひと息に積もりそうな雪です。
午後3時に山に帰ったときには、路面に雪はほとんどなかったのに、
6時に再び家を出るときには、
車の下腹をこすりこすりしながら走り出しました。
今、なんとか家に戻って、これを書いています。

よくしたもので、山暮らしに慣れた人びとは、
こういう夜には家を出ないものです。
わだちもあらかた消えかけた雪道に、
てとてと、てとてと。
規則正しい足跡を残しているのは、隣の家のオス猫です。
人一倍寒がりなのに、まろぶように雪踏み分けて、
1kmほど離れた、メス猫たちの暮らす家へいちもくさん。

恋は偉大だなあ。
小野小町のもとへ、九十九夜通いつめた深草少将みたい。

   暁は暁は数々多き思いかな。
   我が為ならば鳥もよし鳴け鐘もただ鳴れ夜も明けよ。
   ただ独り寝ならば辛からし。
   かように心を尽し尽して。かように心を尽し尽して。

                          『通小町』


少将の側から見れば、小町は悪女かもしれません。
いかにもうぬぼれた、さかしい女として、物語にえがかれもしますけれど、
彼女は本当は、猫のように、ただおおらかに、純粋に、
メスの特権として、ときとして受け入れもするのと同じような単純さで、
拒絶しただけだったのではなかったでしょうか。

百夜目を目前に、雪に倒れて息絶えてしまった深草少将。
どうかお隣さんの猫には、満願成就の百夜目が訪れますように。

      冬は、いみじうさむき。夏は、世に知らずあつき。
(冬はたいそう寒いのがよい。夏は、かつてないほど暑いのがよい)

                            『枕草子』


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夏生まれは暑さに強く、冬生まれは寒さに強いと申します。
わたし、冬生まれのくせに、ものすごく寒がりで、
9月末には暖房器具を使い始めるんで、
家族にいつも白い目で見られています。
それが、冬本番に入って、0℃を下回るくらい寒くなると、
急にへっちゃらになってしまう。真冬ほど暑がりなんです。

そのせいで、困ったことに、
今日はまだ、どうってことない寒さだろうとたかをくくって、
しばしば水道を凍らせてしまう。
水って、人間の体感温度にかかわらず、
物理的に0℃を下回ると凍ってしまうんですよね。
その律儀さに驚くやら、感心するやら。

大家さんが手作りした家で、屋外のあちこちに配管が露出しています。
カバーが巻いてあるんだけど、寒さが厳しくなると役に立ちません。
最初の年には何度も凍らせてしまって、
やかんを片手に雪の中を走り回ったものでした。
ちょっぴりお利口になって、今夜は、と思う夜には、
水を細く流して眠るのですが、油断すると昼でも凍ってしまうんです。

今年はまだ、1度も凍っていません。
それだけ暖かいってことじゃないかしら。
面倒ですけれど、やっぱり多少は、不便を感じるくらいの厳しさがないと、
せっかくの冬が物足りないような心地がするんです。

今夜は、ぐんぐんぐんぐん、
気温が下がって、うれしい寒さが帰ってきました。
先日、山で雨が降っているのを見て以来、
引きずっていた陰鬱な憂さも、これで晴れそう。

このところ、大根やかぶや白菜が、
とても安価に出回っていますね。作がよかったのかしら。
地物は、大根やかぶの葉も楽しみのひとつです。

特に、かぶの葉は大好物。肉味噌で炒めるだけでもおいしい。
ちょっと重めのご馳走が欲しいときには、
気負わずに、皮なしのキッシュにします。
ざくざく切って、たまねぎやきのこ、自家製のベーコンと一緒に炒め、
グラタン皿に入れて、卵と生クリームを流し込みます。
かぶそのものを入れるのもおすすめ。
軽くしたければ、牛乳や豆乳でも。塩とナツメグで味付けします。
チーズを散らして、200℃のオーブンで20分くらい。
冷めてもおいしいです。

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しっかり、皮のあるキッシュを作りたいときも、
パイ生地だと重すぎませんか? そういうときには、
粉と水とオリーブオイルだけで捏ね上げる生地をお試しください。

薄力粉200g/塩 小さじ1/オリーブオイル 大さじ3/水 100cc
全部混ぜ合わせて、弾力が出るまでこねるだけ。
薄く伸ばして使うといいみたい。かりっと焼き上がります。
なんちゃってじゃなくて、ちゃんとおいしいのに、むつごくない。
塩でなく、砂糖を加えればタルト生地にも使えます。

喘息がちで、セキが取れない弟のために、
母は色々と苦心していました。
冬、保育園の帰り道、とある家の裏庭に忍び込んで、
したり顔で盗んできたもの、
手のひらからこぼれるような、大きな大きな黄金のかりんでした。

持ち帰ったかりんを蜂蜜に漬け込んで、シロップにしていました。
宝物を扱うような慎重な母の手が、さくさくさくと切り分けていったかりんの、
みっちり詰まった緻密な白い肉質。
健康優良児だったわたしには、滅多に舐めさせてもらえなかった、
特別な咳止めシロップ。
両手いっぱいに盗んできたかりんは、1年分の弟の咳止めに変身するのでした。

百姓の一軒家でしたから、土地はあったのですが、
父が乗り気でなかったので、随分あとになるまで、
母はかりんを植えられずにおりました。
ようやく許されたとき、弟の喘息はすっかり治まっていました。
欲しいときになかった、という渇望からか、
もう不要なかりんを、母は2本も植えていました。
今は誰も収穫するひとはありません。

   肉腫が全身に転移しているとわかったとき、
   見せられたMRI画像を、わたしは決して忘れないでしょう。
   腎臓の傍らに発生したそれは、
   わずか数ヶ月のうちに、アメーバーのように増殖し、
   臓器のほとんどを食い破っていました。
   この世に、こんなにも生命力に満ちた、激しい、力強い生き物があったのかと、
   ほとんど感動を覚えたほどです。
   やがて、腎不全のために、全身がむくみ、
   風船のように膨れ上がっていく母を見つめるうち、
   わたしは考えを改めました。
   母親ほど、強く、激しく、美しい生き物は、ほかにありません。

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雪が降って、妙に安心してしまって、すっかり忘れていたのですけれど、
ふと思い出して見に行くと、すっかり落果して落ち葉に埋もれていました。
用途が限られているのですから、かりんは2本はいりません。
どんなに作がよくっても、過去の自分におすそわけは出来ないのです。
硬い果皮に守られて、おおかた損傷もないので、
空箱につめるだけ拾い集めて持ち帰りました。

かりん酒とジャムを作りましたけれど、
シロップを漬けるかどうかは、思案中。
滅多に風邪もひかないわたしは、きっとそれを使い切れないでしょう。
幼心に、あんなにうらやましかったのに、
自分でいくらでも作れる今は、それほど欲しいとも思わないのは、
一体どうしたことでしょうか。
本当に欲しかったのは、甘い甘い、かりんシロップではなかったのでしょうか。

もともとあまり、肉は食べないのですけれど、
ほんの少しばかり、だし代わりに欲しいときがあるでしょう。
1人暮らしだと、1番小さいパックを買ってきても、
半分くらい腐らせてしまいます。
冷凍庫がないんです。冷蔵庫だけ。
あれこれ試行錯誤の結果、
『肉味噌』『塩豚』『ベーコン』を常備しています。

肉味噌は、常備食の本によく載っている定番のレシピです。
同量の豚挽き肉と長ねぎのみじん切りを、
植物油で炒めて豆板醤を加え、
さらに同量の味噌で練るように炒めます。
砂糖かみりんを少し加えてもいいみたい。
仕上げにたっぷりのおろし生姜を加えます。
生姜だけがオリジナル。さっぱりしておいしいですよ。
冷蔵庫で1ヶ月は保存できます。
野菜を炒めたり、麻婆豆腐の素にしたりしています。

豚バラは、いつもブロックで購入しています。
1人暮らしなのに。まんべんなく塩をまぶしておけば保存がきくのです。
必要なだけスライスして使います。余分な水分が抜けて、
ぎゅっとうま味が濃縮されるから、ただの豚小間よりも味わい深い。
しょっぱいので、味付けには注意が必要です。

ブロック肉に、塩とハーブをすりこんで、1週間ほど寝かせ、
いぶしてベーコンにしてもおいしいものです。
ハーブは、ローリエ、タイム、ローズマリーなんかが好み。
子供がいる家族なら、本格的な燻製器を作るのも楽しみのうちでしょうけれど、
女一人のその日暮らしですもの。
鍋と簡易蒸し器で工夫して、作業時間10分で済ませます。

18cmくらいの鍋と、ぱかっと開く花型の蒸し器を用意します。
からの鍋に大さじ1杯の燻製用チップを入れ、強火にかけます。
煙が出始めたら、手早く蒸し器をセットし、
塩漬けにしておいた肉を乗せて、ぴっちりふたを閉めます。

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さらに5分ほど加熱したのち、火から降ろして鍋敷きの上に置き、
段ボール箱をかぶせます。わたしは2重にしています。
あとは1晩放置するだけ。翌朝には自家製ベーコンの出来上がり。
この方法で、たいていのものは燻製に出来るようです。

チップはホームセンターで手に入ります。
最近は種類が色々あって楽しいですよ。
鍋を薪ストーブの上に置いて、日がな一日、じっくりいぶすこともできるでしょう。
1度試したのですけれど、部屋中燻製になりそうなんで、
途中でやめてしまいましたけれど。

2012.01.22 女神の不在
暖かい冬になりそうですね、とのん気なわたしに、
けも、雪が降らんと虫が死なん。
と年寄りたちは言います。

なんと深遠な見解でしょう。
こんなにもシンプルな言葉で、暖冬に警鐘を鳴らすなんて。
初めて聞いたときには、深く深く感じ入ったものですけれど、
案外普通に、社交辞令として使われているんですね。

雪が降らんと、虫が死なん。虫が死なんと、作が悪うなる。
北極海の氷が解けて、ホッキョクグマの生息地が奪われる、
と声高に叫ぶよりも、もっと親身で、百姓くさくて、
経験に裏打ちされた、血の通った言葉だと思うのです。

今年はまだ雪が足りません。
豊穣の春に至るには、もっともっと虫が死なないといけません。

ギリシャ神話に登場する春の女神は、冥界の女王でもあります。
1年の半分を地下世界で過ごす彼女が、地上に舞い戻るとき、
世界は春を迎えます。
まばゆい春が多くの犠牲のうえに到来することを、
古代の人びとは、実感として理解していたのでしょう。

七十二候の款冬華(かんとうはなさく)に入りました。
款冬はフキのことだそうです。「ふきのはなさく」とも読むようです。

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子供の時分には「ふきんじい」と呼んでいました。
幼心に、あの強烈な苦味が苦手だったのですけれど、
春早く採ってくると母が喜ぶので、
ただ喜ばせたい一心で、雪の残る野辺を駆け回ったものでした。

あちこち探し回るうち、田のくろや用水路のへり、
水の染み出している傾斜地なんかを好むらしいことに気付きました。
特に流水の近くは真冬も凍らず、
正月には大きく膨らんだふきんじいを収穫することが出来るのです。

たくさんあっても食べようのないものですけれど、
待ちわびる春の、ほろ苦い風味を、ほんの少し。
季節は先取りが粋と考える日本人の心は、
春を待つ百姓たちの、
切実な願いをも汲み取っているのではないでしょうか。

2012.01.21 烏瓜と乙女
寒の内に、手違いのような快晴が続いています。
冬枯れの木のあちこちに、
しまい忘れたクリスマスツリーの飾りみたいな、キカラスウリの果実。

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これ、食べられなくはないです。
確かに甘みはあるんですけれど、苦味が強いです。
熟しすぎたメロンの味を、更に濃厚にしたような感じ。
あまりおすすめはできません。

この果実、食用としてよりも、しもやけの特効薬と聞いています。
わたしは、まあ、1度もなったことはないのですけれど、
子供はよくしもやけになる(らしい)でしょう。
わたしなんかよりずっと可愛くて、かけっこが早くて、ファミコンを持っていて、
『明星』や『りぼん』を読んでいるような同級生の女の子たちが、
市販薬ではなくて、カラスウリを使うなんて、ずるい。
わたしが使うと貧乏人の浅知恵みたいだけど、
彼女たちが使うと、キラキラした魔女の秘薬にはやがわり。
わたしも塗りたいと親にせがんでは、
しもやけなんかないだろうと叱られていました。

父ちゃん、母ちゃん、
丈夫に生んでくれてありがとう。
だけど冬空にカラスウリを見上げるたび、
木苺みたいな足の指先に、カラスウリをすり込んで過ごす少女の日があったなら、
わたしにももっと別の魔法がかかったんじゃないかしら。
そんなふうに考えてしまうときもあるのです。

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余談ですが、佐渡でよく見られるのは黄色いキカラスウリです。
赤い果実のカラスウリは、佐渡ではまず見かけないのですが、
島外では優勢なのだとか。
実家の周囲には、父が島外から持ち帰ったカラスウリが繁茂しています。
キカラスウリの半分くらいの小ぶりの果実です。

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