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2012年 3月18日 15:00 椿尾海水浴場

3月の佐渡は、冬を抜け出して、
うららかな日和が多いものなのですが、
今年はなかなか天候が安定しません。
水温も10℃を下回ったままです。

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さすがにイワノリなどは姿を消して、春の海に特有の海藻が目立ちます。
波打ち際を覆っている緑藻は、
マットな質感が特徴のツヤナシシオグサです。
合間に見える小型の褐藻はカヤモノリでしょう。
細長い袋状の枝が、ところどころくびれたような形状になっているので、
すぐにそれとわかります。この時期の、
波に洗われる汀線付近では、この2種はよく見受けられます。

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こちらは同じ汀線付近でも、タイドプールや、入り江の奥など、
波があまり寄せない環境です。
色味は似ていますが、全く別の海藻に覆われています。
緑色に光沢がありますよね。
こちらは、苛酷な環境にも適応できるアオサの一種、スジアオノリです。
褐藻はウミトラノオです。ホンダワラの仲間ですが、
波打ち際や浅いタイドプールなど、
他のホンダワラ類が生育できないような場所に出現する変り種です。

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もう少し深い潮間帯上部には、
ソゾと呼ばれる紅藻の芽が生えそろっています。
これから5月ごろに向けて、すくすくと生長してゆきます。
春から初夏の潮間帯上部の優先種です。

エビアマモのことを忘れていました。
ここは、わたしが知る限りでは、最も浅瀬でエビアマモを確認できる場所です。
この海草は波が荒い環境を好むので、時化の時期は、
なかなか、じっくりと観察することが出来ません。

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花芽はまだ出ていないようです。
数本抜いてみると、白い、新しい根が展開し始めています。
陸上の植物と同じならば、まず根が動き出すものです。
花穂が上がり始めるのは、まだ少し先かもしれません。

2012.03.18 雨夜の気分
今日の雨はちょっぴり、ぬくい感じがするなあ、と思っていたら、
ヘッドライトの薄明かりの中に、ちらほら、見覚えのある物影が。
車を降りて確かめると、やっぱり。
冬眠から目覚めたばかりのヤマアカガエルです。

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もう少し温かくなると、アマガエルが無数に現れるのですが、
ヤマアカガエルの方が、ひと足お先にお目覚め。
起き抜けで寝ぼけているのか、ほとんど動きません。
春とはいえ、まだまだ冷たい雨ですものね。
体温が上がらずに、思うように動けないんでしょう。

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それとも月形半平太を気取って、
「春雨じゃ。ぬれて参ろう」
って気分なのかしら。

2012.03.17 春は名のみの
雨のお彼岸となりました。
傘を差しかけ、うなだれながら歩く人びとの手に、
お参りの花束が握られています。
今年は思うように気温が上がらず、花の少ないお彼岸の入りです。

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思うように花が手に入らない春のお彼岸に、
『嫁泣かせ』と呼ばれて重宝されてきたアラゲヒョウタンボクも、
ようやく新芽が膨らみ始めたところ。
この木のことは、母からも、祖母からも教えらたのは、
思えば奇妙なことです。
女としての人生を生きねばならぬ者への戒めとして、
女から女へ伝えられる象徴の木だったのでしょうか。
こんにちでは市販の花でも済むことですが、
今年のようなお彼岸は、本当に、
百姓の嫁にとっては辛いものだったことでしょう。

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色とりどりの小菊やキンセンカに混じって、
ネコヤナギが添えられているのは、
手ずからの花を手向けたいと願う心遣いも知らぬ幼心には、
ずいぶんと貧乏臭い感じがしたものです。
綿毛にすっぽりと覆われた小さな猫の尻尾は、
確かに学術的には花でしょうが、しなびた実のようにも思われ、
他の季節だったら見向きもされないのに、春浅く、他に花がないので、
ネコヤナギも花の内に入るお彼岸参りです。

島外から移入される、温室育ちの花々の傍らで、
まだ野良仕事には早い百姓たちが、
小遣い稼ぎに刈り集めてきたらしいネコヤナギが店頭に並ぶのも、
川原から張り出した枝のところどころが、
誰かに折り取られたようになっているのも、
幾人かの大切なひとを、すでに見送った今にして思えば、
いかにも早春の風情があっていいものです。

もしも東京に暮らしていたら、
ユニクロに行列していたかもしれない、今日のわたし。
でもここは銀座ではないから、
現実のわたしはひとり、飯出山に登ります。

予想外に雪が残っていてびっくり。
登山口まで車で侵入できずに、県道脇に駐車して歩き始めます。
まだ作っている田んぼが何枚かあるのですけれど、
降り積もった雪の上を、
我が物顔で走り回っているタヌキの足跡が、びっしり残っているのが愉快です。
寒さもなんのその、春が来たのが嬉しくて、はしゃいでいるのかな。

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飯出山祭の日に父が生まれたので、我が家では勝手に、
父の守り神と思われている修験の霊山です。
夏には車道も通っているので、子供時分からの思い出の多い山です。
今日ここを選んで登るのは、
マンサクの花に出会えるかもしれないと期待しているからです。
早春の山でいち早く、線香花火みたいな花を頭上に散らせるマンサクは、
「まんず咲く」という東北弁が語源とか。
大佐渡でもよく見かけるようですが、小佐渡では飯出山道が多いと聞いています。

思惑が外れて、登山口から早速、かんじきを装着して登り始めます。
尾根伝いの道に入るまでのだらだら坂は、
左右に古い山ん田を望みながら進みます。
修験者たちの、敬虔な祈りの道が、同時に、
山ん田を見回るための、毎日の生活の道でもあった、不思議な飯出山道。

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それにしても立派な山ん田が、川筋からずうっと、山頂まで、
険しい山の斜面を駆け上がっていく光景には圧倒されます。
放棄されて随分経つみたいだけど、山ん田の記憶はとどまり続けています。

木の芽はまだ固いなあ。いくら春1番に咲くとは言っても、
本当に咲いているかしら。
このコブだらけの木はなんだろう。あちこちが関節みたいに膨らんで、
エル・グレコのフレスコ画みたい。何本も見かけます。
アベマキという落葉樹は、特にこのようなコブを発生しやすいようです。

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背の高いヤマナラシの白い幹は、やっぱりハンサムだな。
ついつい見とれて足が止まります。

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さて肝心のマンサクはどの木かしら。
マンサクの木は、冬でも枯葉を落とさないので、
それが目印になると聞いたことがあります。
あ、これかな。

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案外細身の低木です。木々の背丈が低くなりはじめる、
稜線付近から目立ってきました。

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去年の実が残っています。
花は奇抜ですけど、果実はけっこう普通なんですね。
芽はまだ固いなあ。
春の日差しはうららかですけど、まだ雪がたっぷり残っています。

稜線はあきらめて、一番標高が低いところのマンサクを見上げたら、
雪解けの水滴みたいに、枝先に嬉しい、小さな蕾。
殻が裂けて、花弁の色がのぞいています。

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もうひと息で咲きそう。
もしかして、何かの間違いで、ひとつくらい咲いてるんじゃないかしら。
血眼になってあたりを探し回りましたけど、
間違えるわけないか。
まず咲いて、春を知らせる大任を負っているんですものね。

2012.03.15 翠なす春の海
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山々が新緑に萌えいずるより早く、
いま、真野湾は、きらめく明るい翡翠色に染まっています。

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この緑色は湾奥ほど色味が深い。
国府川が豊かな雪解け水を運んでいる証拠です。
川水は泥水のように見えますけれど、その泥が、
海に陸の栄養をもたらすのです。

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春一番に泡立てられ、降り注ぐ陽光を吸収した海水は、
植物プランクトンを爆発的に増殖させ、緑色に染まります。

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真野湾に風波が立つと、滝脇の沖合いに、
すうっと、線を引いたように、
よく白波の立っているところがあるのですけれど、
あそこはひざ丈ぐらいのごく浅い砂底になっているとか。
以前母が地元の方から教えられたのです。
本当なら、そこに立って、ぐるりと真野湾を見回してみたいな。

2012.03.15 雪虫の誇り
上越で大規模な地すべりが動き続けています。
震災のときもそうでしたが、
個々の家のみならず、ふるさとを失う苦痛には、
本当に、慰めの言葉もありません。

雪国に暮らすものにとって、雪に由来する種々の厄災は、
避けて通れない、終わりのない、うち勝つことの出来ない勝負です。
常勝の将である自然の前に、ただひれ伏すしかない忍従の日々は、
堅実で粘り強い、いわゆる越後人気質の礎となっています。
太平洋岸の方々から見れば、佐渡ですら雪国に含まれるのでしょうけれど、
わたしには、佐渡人と越後人は全く別の人種に見えます。

佐渡人は陽気で、楽観主義者である反面、少々閉鎖的で、見栄張りです。
冬季を除くと、佐渡島の日照時間は東京よりも長いと言われており、
そのことが差異の根底にあるのではないのでしょうか。
桃源郷の夏と、絶海の孤島の冬が同居しているのが佐渡人気質なのです。

雪がただ恐ろしい、忌まわしいだけのものでなく、
雪国に生きる者の誇りでもあると気付いたのは、
長岡に住んでいたときです。越後人が雪について語るとき、
しばしば口にのぼるのが『北越雪譜(ほくえつせっぷ)』です。
多くの佐渡人には耳馴染みのない、江戸時代後期のこの随筆集は、
越後人にとっては郷里の自慢です。
豪雪地として名高い塩沢(現・南魚沼市)の縮仲買商、
鈴木 牧之(すずき・ぼくし)が江戸で出版するや、
一世を風靡する大ベストセラーになったと伝えられています。

雪国の風俗から雪の結晶の姿に至るまで、
多岐にわたって収録されているこの随筆の中で、
とりわけ、雪国の人びとの心をとらえるのは、わたしの印象では、
『雪蛆(せつじょ)』として記されている、残雪の上の小さな虫です。

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こんにちでは、北越雪譜に記載されているこの虫は、
セッケイカワゲラだと考えられているようです。
早春、川べりの雪上に現れるセッケイカワゲラは、『雪虫』とも呼ばれ、
優美な呼称は、俳諧では春の季語として扱われています。

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山の家の水源付近で、わたしが見かけたセッケイカワゲラは、
体長1cmくらいの、翅の短い黒い小さな昆虫でした。

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飯出山麓の支流のそばでたくさん見かけたものは、
よく似ていましたけれど、翅が長いタイプです。
雪虫は雪上で活動する小型の昆虫の総称で、数十種類もあるとか。
多くは、残雪中に発生するプランクトンなどを摂餌していると言われています。
にわかには信じがたい生き物ですけど、残雪に目を凝らすと、
本当に多くの雪虫たちが、自在に飛び跳ねているのには驚かされます。

雪が厳しく恐ろしいものであればこそ、その脅威を乗り越えて、
春を迎えるときには、雪ん子であることが、晴れがましくも思われる。
人びとが雪虫をいとおしく思うのは、
それが待ちわびた春を告げる虫であるからばかりでなく、
そのたくましさに、自分たちの生き様を見る思いがするからかもしれません。

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3月の空はミケランジェロの天井画の空。
澄んだライトブルーの青空に、
優しいパステルカラーのめくるめく雲たち。
天上の花園に咲き誇る花たちの、花びらみたいな風花が、
まばゆい太陽の彼方から、ひらり、ひらり、
風に乗って吹いてくる。

『最後の審判』は、3月に開かれる予定なのかな。
それではこれが、
天国に至る者にとっても、地獄にうずもれる者にとっても、
雲上を見出す者にとっても、水底に沈む者にとっても、
最後に見上げる現世の空。

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今日の朝は、雲ひとつない青空の下に、
去りゆく雪の女王の裳裾を、春の淡い雪が、白銀に輝かせています。

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啓蟄を過ぎ、冬篭もりしていたテントウムシたちも、
窓の上辺を、旅立ちの天頂を探し求めて、あわただしくかけ巡ってます。

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家主の猫たちは、特等席でのんびり、ちゃっかり、日向ぼっこ。
猫は春を知っていて、それを待っているのかしら?
春を知らなくても、日毎ぬるんでいく陽だまりのありかには、
のんきそうに見えて、誰よりも敏感です。

ナンダかなんだがまた食べたくなって、
スーパーをはしごしている最近のわたし。
だけど見当たらないんだな~。。。
もうすっかり、時期を逃してしまったのかしら。

かわりに「かすべ」を買ってみました。
そうそう、これも今のうちに食べておかなくては。
数ある佐渡の奇食の中でも、かすべは最も人気のあるもので、
比較的どこでも手に入ります。
細かい種類まではわかりませんけれど、エイのひれの部分です。
価格的には格段に安くはありませんが、
捨てる部分(ヒレ以外の真ん中のところ)の大きさを思うと、
ちょっと胸が痛む、贅沢なお魚です。

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食べ方を父に相談したところ、ぬたをすすめられ、
食文化以前に、本当にぬたが好きなのだとあきれてしまいました。
煮付けが一般的なのですが、どうしてかな、わたし、
魚の煮付けってあんまり心が動かないんです。
最終的にムニエルを選択しました。
焼く前に、臭み消しもかねてさっと湯をくぐらせます。
塩コショウを振ってバターかオリーブオイルで焼きます。

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レモンをたっぷり絞って、ちょっとおっかなびっくり頂くと、
とろけるような極上のお肉でした。
コリコリした軟骨の歯ごたえも楽しい。
かなり太い骨も食べられます。
実際に食べたことはないのですが、いわゆるフカヒレのおいしさなんじゃないかしら。
舌の肥えた佐渡人に人気があるのもうなづけます。
臭みのことがとかく言われがちですが、全く気になりません。
馬鹿にしてましたけど、醤油で煮付けたら、ちょっとした割烹でも通用しそう。

こんなにおいしいのなら、どうしてもっと早く食べてみなかったのでしょう。
早速、次の冬の楽しみが出来ました。

2012.03.11 赤と白
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川べりのハンノキの雄花が、日ごと赤味を増してゆきます。
粋な海老茶は遠目にもよく目立ちます。

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この花房はまだ蕾のようですけど、気付いたときには随分伸びて、
風にそよいでいました。
3月に入って、ラニーニャが収束したとかで、
ぐうんと気温が上がりましたから、それでひと息に生長したみたい。

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赤い赤いと思っていた花なのに、
今日はもう、どの木の花芽もほとんど黄色くなっていて、
早くも咲こうとしている生命力には驚かされます。
これからの2ヶ月ほどは、昨日はあの草の花が、
今日はこの木の梢が、と目移りしているうちに、
たちまち過ぎ去ってしまうことになるのでしょう。

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多くの木が、芽吹きのときには、えいえいえい、と力んで、
いったん、沈んだような深い色になるのに、
すうっと突き抜けたように、白味を増すのはヤマナラシの木です。
サワグルミも、伸び伸びとした明るい銀ねずに輝き出します。

日本のポプラとも呼ばれるヤマナラシは、その名の通り、
谷あいを響き渡る、乾いた葉音が似合う涼しげな立ち姿をしています。
白い幹にはダイヤ柄が刻まれているので、近付けばすぐにそれとわかるのですが、
はるか彼方からでも、この時期には、
山の斜面のどこにヤマナラシがあるのか、ひと目でわかります。

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雪が消えたばかりの、無彩色の山肌に、
ヤマナラシの枝がぼうっと銀色に光ると、芽吹きのときはもう間近。
他の木々に先駆けて現れる新芽は、どの木よりも明るい黄緑色です。
その黄緑を合図にして、色とりどりの萌黄が、間もなく一面を染め上げてゆきます。

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