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天野尚さんが写真で紹介して以来、
妙見山のキャンプ場に生えている老木が、佐渡の桜の代名詞になりましたけど、
かつては山桜の名木といえば、北小浦の与六郎桜でした。

内海府は国仲からは遠く、片道しっかり1時間半はかかるので、
満開の姿には、滅多にお会いできないのですけど、
他に思うところもあって、足を伸ばしました。

国仲のヤマザクラが咲き始めたので、4月24日に行ったときには、
こんな感じ。

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惜しい! ちょっと早すぎました。
それにしても素晴らしい枝振りです。
こんなふうに横に広がっているのは、内海府が海沿いと言えども、
冬の豪雪に見舞われる地域であることを証明しています。

1週間後にリベンジしたら、今度はちょうど満開でした。

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前にも書きましたけど、わたしの気分としては、
桜は満開のときが、最も見栄えがしないものです。
それでもソメイヨシノなどとは違って、さすがは与六郎桜、
堂々とした風格は圧巻です。

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ヤマザクラは、花に先駆けて萌えいずる若葉の紅が特徴です。
それが盛りの花にも、絶妙な濃淡を与えていて、見るものを退屈させません。
幹が黒いのも花色を引き立てるのだと思います。

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一般にヤマザクラと総称されているものには、佐渡に自生しているものだけでも、
数種類あると聞いています。
同じ種類でも、クローン増殖のソメイヨシノとは違って、
木、それぞれに個性があって見飽きないのです。

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花ぶりがあまりよくなく、ほとんど葉ばかりに見えるようなヤマザクラでも、
それなりに風情があるものですが、与六郎桜は、驚いたことに、
花房が手まりのように丸くなっています。
名木と呼ばれる木には、やはり、
ただ老いているだけではない理由があるのでしょう。

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2012.04.29 ここより遥か
いよいよ海のシーズンがやってきて、あちらへ、こちらへと、おおわらわ。
久しぶりに、山を越えて多田へ向かいました。

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山道の脇には、キケマンが満開。
わたし、この花が大好きなんです。
実家の周囲には、ムラサキケマンしかなくて、それがずっと不満でした。
他の花だったら、黄色なんか見向きもせずに、絶対紫を選ぶんですけど、
どうしてだか、ケマン草だけは黄色の方が心惹かれます。

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茎に赤味があって、黄緑と朱とカナリアイエローの組み合わせもいい感じ。
花がエンゴサクに似ているのは同じ仲間だからです。
もっとずっと、ボリューミーで豪華な雰囲気です。

ああっ!

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思わず車を停めてしまったのは、道端のしみ崩れの崖に、
優しいピンク色のスミレが咲いているのを見つけたからです。
スミレでこの花色をしたものは多くはなく、これはマキノスミレだろうと思います。
ドンデン山で見られることは知っていたので、
そろそろ行かなくちゃ、と思ってたんですけど、身近にもあったのですね。

そんなこんなで、ここ最近は、
海へ行こうと思っても、あちらへ、こちらへと目移りして、
なかなか真っ直ぐにはたどり着けないのが、悩みどころ。

2012.04.28 杏仁の誘惑
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いっせいに木の芽が芽吹いて、山肌が複雑な萌黄色に染まっています。
日々刻々と移ろう濃淡を見ているだけで、
心の霧が晴れるような、華やいだ気分。

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アンニンゴの蕾もふくらみ始めています。
ウワミズザクラ(上溝桜)が正式で、実際、サクラの仲間なのですが、
花姿はおよそサクラからはかけ離れています。
それに、あの強烈な杏仁の香りをかいでからは、
アンニンゴの名のほうがふさわしく思われ、つい、その名で呼んでしまいます。
幹の樹皮の感じだけは、なるほど、サクラによく似ています。

越後では、この蕾を塩漬けにして食べるとか。
口に含むと、えもいわれぬ芳香が広がって、究極の箸休めになるのだそうです。
いつも花が咲いてから、しまった、と気付いて、
蕾は収穫し損ねるのですけど、今年は試してみようかしら。
『越後の絶品』は、えてして佐渡人の口には合わないものですが、
アンニンゴ酒には感激しましたから、これは十分期待できそうです。

ソメイヨシノが終盤に入り、山桜の季節になりました。
現金なようですけど、ヤマザクラが咲き始めると、
はやる気持ちのまま、うっかりソメイヨシノを誉めてしまったことが、
我ながら無粋と思われ、かえすがえすも口惜しい。
やはりヤマザクラは格別の風情があるものです。

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わたしひとりの、ひそやかな花見の楽しみとして、
しばしば訪れるのは初盛(はつもり)ダムです。
新保ダムのすぐ上流にある、巨大な砂防のようなダムです。

山にガスがかかっているような、花冷えの日に、
雨が止んで、幕が上がるみたいに、さあっと霧が晴れ、
ところどころのヤマザクラに彩られた山容が、次第次第にあらわれて、
深緑色の水面に、花影がぼんやりと映り込んでいる。
そんなお花見が理想ですけど、この日は快晴でした。

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金北山の伏流水が、こんな素敵なせせらぎとなって、
そのままダムに流れ込んでいます。
過度な植樹は一切なく、自然の山肌が三方から迫ります。

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桜って、写真に写すと、途端につまらないものになってしまう。
この景観の素晴らしさを、正確にお伝えできないのが、本当に残念です。

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下草はエンゴサク。この大好きなエフェメラルは、
小佐渡ではまず見ないのですけど、大佐渡では、
人里から少し離れれば、どこにでも咲いています。
淡い神秘的なグラデーション。

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どうして日本人は桜が好きなのかしら。
さくら、さくら。その名を呼ぶだけで胸が苦しくなるのに、
幾度繰り返しても言い足りないほど、いとしい。

     さくらさくらさくさくらちるさくら
                    種田 山頭火


2012.04.26 青い山脈
大佐度の残雪もずいぶん後退して、
いつの間にか山が、青から茶色に色を変えていました。

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写真だとまだ青っぽく見えるかもしれませんが、
実際に仰ぎ見ると、冬の青とは全然違うのです。

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秋には、大佐渡が青く染まるのを見て、冬の到来を痛感したのでしたが、
今度はその青がさめて、山にもあわただしい春が巡ってきたみたい。

2012年 4月25日 13:00 加茂湖・樹崎神社 16.9℃

4ヶ月半ぶりの加茂湖です。
この時期、むっとするくらい暖かな日和で、
泳げそうだね! と声を掛け合っているのを、時々耳にしますけど、
実際には、海はまだとても冷たいのです。
13℃くらいのところが多いのですが、樹崎神社の周囲は浅瀬なので、
他よりは水温が高く、このくらいあると、ほっと肩の力が抜ける感じ。

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湖底は小石交じりの平坦な泥の底質で、黄土色のケイ藻が降り積もっています。
しん、と静まり返っていて、生き物の気配はありません。
今、加茂湖は非常に濁りが強いです。透明度は1mくらい。

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夏には草原になっているコアマモは、ほとんど見当たりません。
残っているものもまばらです。
1年目の実生苗が、夏までに群落を形成できるとは考えにくいので、
地上部だけが枯れて、地下茎は残っているのだろうと思うのですが、
いずれきちんと観察してみる必要がありそうです。

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エビ穴はところどころに開いているのですが、ハゼの姿は見当たりません。
冬に比べると穴の数も少ないように感じます。
濁りが強くてはっきり確認できません。

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時々見かける砂山は、ゴカイの仲間の排泄孔ではないかと思います。
真ん中の穴から、食べかすの砂を排出しているのです。

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波に流されたヨコエビを何匹か見かけました。
この時期、小石の上に繁茂している褐藻から、はがれたものかもしれません。

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ぱらぱらと落ちているホソウミニナは、少し砂にめり込んでいて、
移動した形跡も見当たりません。でも、ちゃんと生きているのです。
ようやく水温が上がり始めたばかりで、まだ動きが鈍いのかもしれません。
いくつか拾い上げてみましたが、ウミニナは見られず、ほとんどがホソウミニナでした。

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真ん中よりやや左より、小石じゃなくて、生き物です。
コツブムシの一種だと思います。
こごめの入りの生き物調査で網に入ったことがあったのですが、
こんなふうに、ふつうに海底を這いまわっているのですね。

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裏側を見るとよくわかるのですが、コツブムシは、
大きな意味では、庭にいるワラジムシの仲間(ワラジムシ目)です。
磯で徒党を組んでいるフナムシも一緒です。

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あ! 2つ並んだこの不思議な穴、多田なんかで時々見かけます。
加茂湖では始めて気付いたんですけど、改めて見渡してみると、
あっちにも、こっちにも。

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よく見ると、どの穴も、一方が大きく、他方が少し小さい。
内側には模様があって、トゲのような縁取りが、ぐるりと周囲を取り巻いています。
これ、二枚貝の水管だと思うんですけど、多田では、
掘っても掘っても周囲の砂が崩れてきて、1度も正体を明かしたことがありません。
樹崎は泥が硬く締まっていて、水深も浅いので、一念発起して一気に掘り起こします。

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黒い泥がもうもうと舞い上がって視界をふさぎ、
これだ! という手ごたえもなかったのですが、アサリが何個か出てきました。
売っているものよりは大きめですけど、あんなに水管を広げられるとは考えにくいなあ。
なんだかちょっと釈然としない結果です。

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泥を掘ったら、たくさんのアラムシロガイが現れました。
泥の中に潜んでいたのでしょう。まだ、やっぱり少し寒いのかな。
ちょっと掘り起こしただけでこの数です。
全体ではどのくらいのアラムシロが生息しているのか、想像もつきません。
こんなにたくさんの掃除屋さんを雇っているとは、ずいぶん景気が良さそう。

2012.04.25 霧にむせぶ
朝から下界は深い霧に覆われていました。
昼前には一旦晴れて、太陽ものぞいたので、
まだ多少もやがかかったような陽気だったのですけれど、
性凝りもなく加茂湖で冷たい水に浸かっておりました。

樹崎の浅瀬で、急に背中を、ひやっとした風が吹き抜けた、
と思って顔を上げると、すでに深い深い霧に取り囲まれていました。

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急に気温が下がって、強い風が吹いています。
先ほどまで快晴だったのに、太陽もすっかり見えなくなってしまいました。
これは移流霧(いりゅうぎり)の特徴です。

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ひんやりとした春の海の上を、暖かく湿った大気が通過するとき、
温度差で海霧が発生するのです。密度の濃い巨大な水蒸気の固まりは、
海上をさあっと走るように移動します。
佐渡では5月ごろにしばしば発生します。

この霧が、ちょうど、代かきをしている真っ最中の国仲平野を通過するとき、
驚くべき現象が起こります。
水を張った田んぼの表面から、突如として、煙のような水蒸気が立ち上るのです。
温められた田んぼの水際の、湿度の高い空気が、霧の下層の冷たい空気に触れて、
いっせいに結露するのではないかと思いますが、詳しい原理はわかりません。

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真昼の移流霧は、あっという間に通過してしまうので、
普段、こんな光景にはなかなか出会えません。
トラクターに乗って、日がな一日、広大な整地田を耕し続けている農夫たちは、
霧の一部始終を、見ていながら、見ていないような、
いつも通りの退屈そうな横顔です。

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田植えを前に、息を吹き返した国仲平野が、
歓喜のあまり、煮えたぎっているみたい。

満開の桜にばかり、目が行きがちですけれど、
樹下には可憐なスミレが、ひっそりと咲き誇っています。

     かたまつて薄き光の菫かな
                   渡辺 水巴
      

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どこにでもあって、大群落を形成しているのはタチツボスミレです。
丈夫な雑草みたいに見えるスミレですけど、たいていの品種は、
鉢植えにすると、数年ですっかり弱って消えてしまいます。
スミレは、わたしの経験では、典型的な移動する植物で、
地植えにするとうまくいくみたい。
特に、落ち葉でふかふかした傾斜地はお好みの様子。

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こんなふうに、森へ至る薄暗い小道の脇に群がり咲いているのは、
ガーデナーには真似できない春の賜物です。

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今日偶然見かけたのは、白いタチツボスミレの群落でした。
完全な純白でなくて、距(きょ)という花の後ろの部分が薄紫色で、優しい雰囲気。
乙女スミレなどとも呼ぶのだとか。

下界では、ツクシが生え始めた頃から、ちらほら見かけましたけど、
いよいよ山郷にも、タキシード姿の気取り屋さんが現れました。

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おかえりなさい、ツバメさん。
去年とおんなじ親ツバメかしら。それとも巣立ったあの子かしら。

ほら、見て。
いま、田のくろは、食べられる雑草でいっぱい。

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からし菜も、ギシギシも、カンゾウも、ツクシもみんな。
夢のような、この一瞬の華やぎを、もう少しだけ引き伸ばせたらなあ。

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カンゾウとツクシを、たっぷり使ってリゾットを煮ます。
レモンの皮をすって振るとよく合います。

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