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今日はなんだか、どうしてだか、
小佐渡山脈が大きく感じられます。

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雲が低いせいかしら。
500m程度の山並みが、高くそびえ立って見えます。
こんなに勇壮な山だったっけな。

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2016.01.29 クジラの恵み
冷たい冬の風が吹き抜けていく素浜海岸に、
ひっそりと横たわる黒い影。

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オウギハクジラという小型のクジラで、
冬の日本海ではしばしば打ち上がるそうです。

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成熟しても5mほどで、オスは特徴的な扇形の歯が飛び出しているそうですが、
この個体はメスのようです。

ニュースで流れる前に、ひと足早く弟から情報が入り、行って参りました。
海水浴場近くの、堂釜の海岸です。
これがもし100年前だったなら、
集落の人たちが大騒ぎして鯨肉を分け合ったのでしょうか。
そして小さな祠がひとつ、残りなどもしたのでしょうか。

旧畑野町・多田の弁天さんの鳥居の脇に、
白化した枯れ木のようなものが突き刺さっていて、
それはかつて漂着したクジラのヒゲだと聞いていました。
残念ながら、数年前に撤去されたようですが、
当時は大変なお祭り騒ぎだったのでしょう。

当のクジラにとってはどうでもいいことかもしれませんが、
そうして食べられるほうが、ただ埋められて廃棄されるより、
自然の摂理にかなっていたように思われます。

2016.01.22 魔法瓶の魔法
最近、ヨーグルトを育てています。
発酵食品というものは、本当に育てているような心地がして、
いとおしいものです。

小学生のころ、生物クラブで魔法瓶で育てたときには、
ずいぶん大変だったような記憶があります。
そのころはまだ、ヨーグルトと言えば農協ヨーグルトのような、
寒天で固めたものが主流でしたし、指導する先生ですら、
本当にヨーグルトなるものができるのか、半信半疑の様子でした。

出来上がった、甘味のない、酸っぱいヨーグルトは、
なんとも珍妙な味に思われましたが、さらさらの牛乳が、
ひと晩たつと、とろっとしたクリームのような質感に変わるのは、
魔法を見ているような気がいたしました。

ヨーグルトメーカーなどもあるようですが、土鍋を使って作る方法が簡単です。
魔法瓶でなくとも魔法が使えます。
無調整豆乳1リットルに、市販のヨーグルト1パックを加えて、
よく混ぜながら強火で4分ほど加熱して、そのまま半日放置するだけです。

牛乳でもよいのですが、わたしはカフェオレやチーズなどで、
乳製品を摂りすぎる傾向にあるので、豆乳を使っています。
ヨーグルトはLG21をおすすめされている方が多く、確かに作りやすいのですが、
免疫力を高めるというR-1でも失敗なく作れます。

4分加熱しますと、しっかりと固まります。
今は寒い季節なので、3分半では少し緩い感じに仕上がって、
ふわっとしたその触感が好きなので、わたしは加熱時間を少なめにしています。
45℃くらいが適温だと言われておりますけれども、温度計に頼りすぎますと、
直火に温められている鍋の余熱で、火を止めた後も温度が上がりますので、
低めの温度で様子を見ながら、何度か挑戦して、いい塩梅を探るのがよさそうです。

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この土鍋のふた、うっかり落として割ってしまったので、
別のお鍋のガラスのふたで代用しています。
そのガラスのふたも割ったのですが、ガラスのふたは高いものなので、
接着剤で貼り合わせて使っています。

貼り合わせるときに、継ぎ目からどうしてもはみ出てしまう接着剤の上に、
細く千切ったアルミ箔を乗せて、金継ぎのように見せる方法が、
雑誌に紹介されておりました。
わたくしのようなうっかり者にはちょうどよさそうな方法です。
やってみたいな。


2016.01.20 旅するお漬物
昼食をご馳走になるとき、料理上手な船頭の奥様が、
出して下さるお漬物が、いつも本当においしいのには感動いたします。

秘訣をうかがってみましても、こういう方たちは、たいてい、
レシピなどはなしにお作りになっているので、
特別なことはなにもなさそう。
それなのに、ちょっと塩を振って、もんだだけの白菜漬けのおいしいこと。

学生の頃、微生物の授業で聞いた酵母のお話が記憶に残っています。
漬物がそれぞれ家庭の味になるのは、調味料のさじ加減もさることながら、
野菜を混ぜ合わせる主婦の手に、
その家系独自の酵母が棲みついているからなのだとか。

娘が嫁に行くとき、母親の酵母を連れて行くので、
その手が漬けた漬物は、不思議とお母さんの味になるのだそう。

いつまでも自立しないわたしたちと、亭主関白ぶった父の世話と、
百姓とフルタイムパートに追われていた母は、たぶん、
料理を慈しむとか、生活を楽しむとかいうような時間を持てずに、
この世を去らなければならなかったと思います。

母が他界してもう何年もたってしまったのですけれど、
母の酵母はまだ生きているのかな。
塩と柚子と唐辛子だけのシンプルな白菜漬け、
わたしの手で混ぜ合わせたら、母の酵母が息を吹き返すのかな。

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直販で紫色の白菜を見かけましたので、初めて使いましたけど、
ぎょっとするくらい鮮やかな赤紫色です。
塩は佐渡の藻塩で、薄めに。
サラダのようにたっぷりいただきました。

わたしのお漬物はお母さんの手の味。
お母さんのお漬物はおばあちゃんの手の味。
手から手へ、酵母の旅が続きます。

例年、年末のころ、10m以浅の岸近くで、
ホテイウオの成魚をしばしば見かけます。

まあるいからだ。よく、おたまじゃくしに例えられますが、
もっと尾が短く、ずんぐりとして、球体に近い姿をしています。
その姿を七福神の布袋様になぞらえて、この名があります。
本場の北海道では「ゴッコ」と呼ばれるそうですが、
佐渡では「ゴウダラ」が一般的です。

ホテイウオはもともと、100m以深の海に生息する魚で、
腹部に大きな吸盤があるのが特徴です。
この吸盤で、岩などに張り付いてじっとしているのが本来の生き方で、
冬、波打ち際に姿を現すのは、産卵のためです。
これから春先までの間、漁港まわりの石積みの隙間などで、
オスが卵を守っている姿を見ることができます。

水中で見ますと、よろよろ、おたおたとしていて、
本当に泳ぎが下手なんです。
波にもまれ、潮に流され、ようやく岩場にたどり着いた個体も、
半ば白濁した目をして、あえぐように大きくエラを動かしています。
泳ぎの苦手なホテイウオにとって、産卵は命がけの旅です。

おもに小木半島と内海府で食べられているようです。
地形的にも、急深なので、出現数が多いのでしょう。
同じような地形の豊岡でもよく見ましたし、
意外なことに、二見でも見ました。地元の方にうかがうと、
気味が悪いから魚は食べないけれども、
卵は炒って食べるとおっしゃっておりました。
炒って、というのは、炒り煮のような感じなのかなと思います。

漁師は堤防の上などから、すくい上げて捕まえるとか。
小型定置網や刺し網にもかかるようです。
年にもよるのでしょうが、多く獲れる魚ではないので、
もしスーパーで見かけたら、そのときが買い時です。

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熱湯をくぐらせると、表面のヌルミが凝固するので、
それを丁寧に洗い落とし、内臓をのぞいて、
適当にぶつ切りにすればよいのです。
卵や精巣、肝も食べられます。

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人気の高い卵は、なますに混ぜて食べるのもおいしいのだとか。
他の部分は、鍋物に。くせがなくておいしいのですが、
淡泊すぎてちょっと物足りないので、キムチ鍋がおすすめです。
コラーゲンの多いぶるんとした皮は、味というよりも食感が楽しめます。
軟骨かと思うほど柔らかい骨は、
なんだか砂を噛んでいるような歯触りで、わたしは残します。

意外にもこわもてで、顔を食べた父の弁によりますと、
ピラニアのように細かい牙の並んでいる口だけが、
ホテイウオの身体で唯一硬い部位だったとか。

ホテイウオを食べると、冬の深まりを実感しながも、
その幼魚が海に放たれる春を夢見ます。
4月になると、ツルアラメの葉にちょこんと乗ている、
5mmほどの幼魚を探すのが、ダイビングの定番になります。
全身水玉模様だったり、天使の輪っかを戴いていたり、
実に変化に富んでいて、そして、どの個体も、
本当に天使が微笑んでいるような顔をしています。

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お母さんとお父さんが、命がけで残した命だものね。
ホテイウオの幼魚は、5月の連休明けには姿を消して、
まばゆい夏には目もくれず、
深く静謐な薄暗がりの海へ、還っていくと考えられています。

潜水漁のまかないで、余ったナマコをいただくことがあります。
子供のころ、きゅうりの酢の物にして食べた記憶があるのですが、
父が料理長になってからは、たいてい、ぬたになっています。酢味噌和えです。

漁師直伝のナマコ料理は、1口サイズに切って、さっと湯引きし、
ポン酢や三杯酢で食べるのが一般的だそうです。
我が家では細かく薄く切るのが常なのですが、
以前内海府のほうで食べさせていただいたものは、大胆にぶつ切りにしてあって、
歯ごたえの良い皮と柔らかい肉の食感が楽しめました。

1度父に任せたら、湯がきすぎて、
ゴムのような得体の知れない食べ物になってしまいましたので、
今回は自分で包丁をふるいます。
それにしても、ナマコを切るのは心底胸の痛む作業ですね。
どう考えても、悪さなんかしてなさそうな、地味~な生き物なのに、
神代の時代から虐げられていたらしい逸話が、古事記に残されています。

天孫ニニギノミコトが、葦原の中つ国を治めるために降臨したとき、
アメノウズメに「ニニギに仕えるか」と問われて、ナマコだけが返事をしなかったため、
口を切り裂かれてしまったとか。
アマメノウズメさまは、裸踊りをしてアマテラスオオミカミに岩戸を開かせたと言われる女神で、
陽気な方だとばかり思っておりましたのに、容赦なく残虐な一面もあるようです。

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いただいたアカナマコ。
口を切り落としてから縦に開き、内臓を洗い流します。
1口大に切って湯引きし、表面のヌルみを落とします。
さっと湯がく方もいらっしゃいます。くれぐれも煮すぎませんように。
食感が悪くなりますし、ナマコらしい風味も失われてしまいます。

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あとはお好みで、ポン酢や、青じそドレッシングをかけて。
わたしはたっぷりの大根おろしと一緒にいただきました。
独特の臭みが気になる方は、食べやすくなります。

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余ったナマコは、三杯酢に漬けておくと日持ちします。
冷蔵庫で1週間くらい保存できますが、硬くなるので、お早目に。

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こちらはクロナマコ。
最近はいろいろな色の大根が出回っていて楽しいですね。

あけましておめでとうございます。
今年もまた、あたたかい1月です。まるで、もう春の気配すら漂っているような。

旧暦ではまだ12月に入ったばかり。
なかなか寒くならないのはそのせいとも聞きます。
これは師走なのだと思えば、まあ、こんなものかしら。

年明けからナマコ漁の仕事に追われています。
佐渡で行われている潜水漁のうち、最も高収入なのが、実はナマコなのです。
佐渡の潜水漁は、ほとんどが集落から業者への委託なのですが、
サザエはまず利益が出ません。
アワビは、価格が高沸する8月の中頃までに、それなりの量を水揚げできれば、
多少心穏やかなお盆を迎えられるでしょう。
ナマコは、ともするとひと冬でその倍は稼げます。

佐渡でナマコ漁の対象になるのは、マナマコという種類で、
これはその体表の色から赤と黒に大別され、価格もだいぶ違います。
アカナマコは表皮が柔らかく、生食向けに出荷され、年末に最も高値が付きますが、
正月をかわすと捨て値になります。
対するクロナマコは価格変動が少なく、乾燥して中国へ輸出されています。

アカナマコとクロナマコには、不完全ながらも住み分けがあり、
アカナマコが潮の通る岩礁域に多いのに対して、
クロナマコは泥っぽい漁港の内側などを好みます。
表皮の硬さは、漁の時に軍手でつかんだだけでもわかるくらいはっきりしているのですが、
不思議なことに、いざ食べ比べてみると、気になるほどの違いがないのは不思議です。
またクロナマコのうち褐色味が強いものは、アオナマコとして区別されることもあります。

東北地方ではクロナマコを「キンコ」と呼び、
まさにブラック・ダイヤモンドの名にふさわしい高値がつくと言われています。
逆に、関西ではアカナマコが「キンコ」と呼ばれるのだとか。
「キンコ」のキンは金、銀、銅の金、金のナマコという意味の地方名のようです。
地方名としての「キンコ」のほかに、正真正銘、キンコという和名のナマコもおりまして、
そのはらわたは、なんとウニの味がするのだとか。
確かにウニとナマコは、似ても似つかないけれども、
分類上は、比較的近い生物と言えます。

和名キンコは北方系の種で、佐渡では見たことがありません。
このナマコは、普通わたしたちが想像するナマコとは一風変わっていて、
口触手をイソギンチャクのように広げ、受け止めた有機物をこしとって食べています。
佐渡で見られる種でも、似た特徴を持つものがいます。

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夢見るような美しいこのナマコは、しかしイシコという名を与えられています。
食用に適さないため、何の価値もない石ころ同然のナマコ、という意味なのです。
真野湾の転石の海底などには特に多く見られ、
あちらこちらで触手を広げているさまは、まるで白い花が咲いているようです。

佐渡ではナマコ類は夏には休眠状態に入り、
水温の下がる冬から春が活動期になります。
真冬の薄暗い海底で、かえりみられることなく、
うねりに合わせて揺られながら咲いているイシコは、歌を歌っているみたいだな。
ほら、イシコの歌が、聞こえてくるよ。

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