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オフの土曜日、北小浦の港内に入ってきました。

この港内は、おもに講習などに使っています。
お客様を連れてビーチを楽しむには、少々味気ないので、
仕事で使う機会は多くありません。
春から初夏にかけては、他では見られない小さなウミウシが湧くので、
機会を設けて、オフの楽しみにしています。

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折しも春濁りの真っ盛り。
港内の大型褐藻は水面に達し、古代神殿の柱のようにそびえています。
底質はやや泥っぽく、夏にはウミヒルモの草原が出現するのですが、
現在はまったく見当たりません。
ウミヒルモは、17mよりも深場では、まれに数枚の葉が残っていることがあるのですが、
浅所では冬は消失するようです。

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このような泥っぽい海底を好むキセワタガイが早速登場します。
カラスキセワタは、その名の通りカラスの濡れ羽色。

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カノコキセワタは鹿の子模様が特徴です。
この2種は大きさや生息環境、発生時期が似通っています。

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アズキウミウシも、波の穏やかな泥っぽい環境ではよく見かけるようです。
ただし、そうでない外洋にも生息しています。

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砂の上をのそのそ移動中の小さな黒いウミウシ。
5mm程度でしょうか。こちらも見事なカラスの濡れ羽色です。
ずんぐりした体型、小さなエラなど、
全体の雰囲気はキヌハダウミウシの特徴を示しています。

南西諸島で知られているスミゾメキヌハダウミウシに非常によく似ています。
このウミウシは、驚くべきことに、
ハゼのエラを食料にしている偏食家で、
背中に乗っかっている姿も多く写真に収められています。
ハゼの住む穴から穴を移動しながら暮らしているのだとか。

スミゾメキヌハダウミウシは、比較的新しく認識された種のようなので、
佐渡に生息していても不思議はないように思います。
泥底を好むスジハゼなどの穴を渡り歩いているのでしょう。

今回は見かけませんでしたけど、これからゴールデンウィークにかけて、
モウミウシなども豊富に出現します。
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シラウオの季節になりました。
直販所に並んでいたシラウオが、
まだ生きてにゅろにょろ動いていたので、思わず衝動買い。

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美しいですね。春のみずみずしさそのものです。
佐渡で一般にシラウオと呼ばれているものは、シロウオのようです。
シロウオはハゼ科の魚で、よく知られていることですが、
幼魚のように見えるこの状態が、成魚です。
春、産卵のために、海から川へと遡上します。

今回買い求めたものは、両津だったこともあり、
加茂湖へ注ぐ川の上流で獲れたもの、とのことでした。
このごろはどこでも獲っとるけも、もとは国仲の食いもんだがさ。
シロウオを洗いながら父がつぶやきます。

国仲ではシロウオ漁は四月の風物詩です。
国府川という海に集まる、支流の河口付近などが漁場になっています。

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四手網(ヨツデアミ)によるものが、全国的に見て一般的なようです。
これは国府橋よりも下流です。

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小倉川の合流点では、流れを絞って網に誘い込む作戦です。

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白い漏斗状のものが網です。
シロウオを狙ってるのは、人間だけとは限りません。
朝方、新保川の合流点には、シラサギなどが集まっていることがあるのですが、
これもシロウオが目当てなのではないかと思います。

さて、せっかくの旬のご馳走ですが、
わたし、踊り食いというのは、
いくらなんでも無粋な気がするのですけれど、
いかがでしょう。
だって味もへったくれもないじゃあありませんか。

生きたシロウオを、豆腐と一緒に煮ると、
熱がってみんな豆腐に逃げ込むと聞きましたけど、あれは本当かしら。
今回は卵とじとパスタにいたしましたが、独特の生臭さがありますから、
シンプルに揚げていただくのがおいしいように思います。
シロウオのかき揚げそばとか。

「栃餅」は、佐渡の名産品のひとつかと思いますが、
まんべんなく食べられているというわけではないようです。
内海府のほかに、山を越えてつながっていると言われている外海府のほうでは、
作られる方がいらっしゃるようです。
小佐渡のほうではあまり聞きません。

よく仕事をさせていただいている、旧両津の内浦から内海府にかけては、
とちもちの本場です。時期的なこともあり、
年明けからあちこちでご馳走になったり、お話を伺ったり。

内海府方面で、とちもちがさかんに食べられたのは、
第一にかさ増しという要素が強かったようです。
海岸線を走って見ますと、内海府では山の斜面がそのまま海に落ち込んでいて、
外海府に比べましても、田畑に使える土地が極端に少ないことがわかります。

他方、初夏に黒姫の山に登ったことがあるのですが、
渓流を覆い尽くすかのごとく咲き誇るトチの花は壮観でした。
米の収量の少なさを補い、豊かな山の恵みを活かす手段として、
とちもちが親しまれたのではないでしょうか。

トチは集落の共有財産であり、
収獲の季節になりますと、今でも集落の行事として、
一斉に山に分け入って拾い集めた実を、
それぞれに分配し、あるいは販売して集落の収入としているのだそうです。
近年は人足が不足して困っている、とも聞きました。

かつてはもち米と半々で混ぜ込まれていたと聞きますが、
現在はトチの実を拾ったり下処理したりのほうが割高になってしまったので、
自家製でも三割以下にまで減っているとか。
それでも内海府でいただくとちもちが、どこのものよりも薫り高いように感じます。

北小浦の元船頭さんの、料理上手な奥様は、
年末についたとちもちを、使い古しの保温ジャーに入れておくそうです。
こうすると、1週間くらいは、いちいち茹でたりしなくても、
そのままで食べられる柔らかい状態を保てるのだそうです。
実際、10日目でも、よく伸びるつきたてのおもちのようでした。

また、黒姫でいただいたのは、ぼたもちのとちもちでした。
半殺しにトチを混ぜ込んだもので、これは食べやすかったですし、
作るにしても、おもちより気軽に出来そうです。
ぼたもちはあまり得意ではないのですが、目からうろこのおいしさでした。
同じように、ヨモギを混ぜ込んだぼたもちもおすすめです。

どちらも、ちょっと物足りないくらい甘さ控えめの粒あんが、
よく合っていました。
トチには餅の日持ちをよくさせる効果があるようで、
他の餅に比べるとカビが生えにくいという利点もあります。

市販のとちもちでは、両津の田中餅屋さんのとちもちが一番人気のようです。
両津夷の裏通りにあるこぢんまりとしたお店で、直接買いに行くほかは、
滅多に他のお店には並ばないのですが、
田中餅屋さんのとち大福は、もち米とトチと砂糖だけで出来ているので、
硬くなりやすいですが、絶品です。

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こちらで最近、餅だけを販売されているのですが、
トチを堪能したい方におすすめです。
お値段は張りますが、口に含んだ瞬間、ふくいくとした香りが広がります。

今はインターネットでいくらでも情報が集められますから、
仮に文化がなくてもとちもちを作ることが出来てしまうわけですけれども、
やはり本場の味は違うように思いましたので、
そんなとちもちのこもごもを集めてみました。

ゲンゲをいただいた高千で、
エビ篭漁の雑魚が、がさがさっと放り込まれていた箱の中には、
売り物にはならない小さな南蛮エビ(ホッコクアカエビ)のほか、
赤ちゃんズワイガニや、ナンダ(タナカゲンゲ)やハタハタの幼魚なんかも、
紛れ込んでおりました。

南蛮エビを、から揚げにして使いたい方がいるというので、
普段は海に捨ててしまうのを持ち帰ってきたのだとか。
こういう箱は、まるで宝箱ですね。

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水深300mからやってきた宝箱の中に、胴長5cmほどの、
丸っこいイカがちらほら見えます。
ナイト・ダイビングでしばしば見かけるミミイカに、姿形がそっくりです。

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こちらはミミイカ。
いわゆるエンペラのところが、ゾウの耳のようになっているのがその名の由来です。
古いディズニー映画に、「ダンボ」という名の耳で空を飛ぶゾウが登場しますが、
ちょうどそんな感じ。
ミミイカに比べると、大型ですし、触腕が随分長いですね。

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これは深海性のボウズイカの一種、ヤワラボウズイカではないかと思います。
こういう機会でもないと、一生出会うことのない生き物でしょう。

3月、年度末の追い込みで、日々が慌ただしく過ぎていきます。
毎年恒例の、アワビの放流で全島をまわってきました。

普段は、両津界隈での仕事が多いですので、
佐渡中のいろいろな海に入ることができる放流作業は、
いつも楽しみにしています。

特に外海府のほうは、冬中時化るという悪条件のために、
海べたでありながら、内海府のようには豊かな冬の恩恵にあずかることが出来ず、
そんな中でも、常に海と寄り添いながら生きている。
文化的には、内外の海府は似通っていると言われておりますけれども、
海に対する認識のようなものには、随分違いがあるように感じます。

昨年おいしいイジコリをいただいた石名では、
1年ごしでお礼を言うことが出来ました。
今年は高千漁港で、エビ篭の外道に入ったノロゲンゲを頂きました。

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ゲンゲは、外道も外道、「下の下」が語源であるとも言われています。
これは、もしかしたら、高千でも普通には食べられていないのかもしれません。
漁師のおばちゃんも、「細長げえのん」て呼んでましたから。

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10cmほどの小さいものでしたが、3匹のうち2匹に卵が入っておりました。
これで1匹分です。体長に比して、かなり大きいサイズです。
深海では、捕食者は沿岸ほど多くはなく、
エサが少ないことのほうが問題となるので、
少数の稚魚を確実に育てる戦法なのかもしれません。

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調理を父に任せましたところ、煮付けになって食卓に上りました。
見た目は、あまりよろしくありませんね。
味のほうは、意外にも、かなりおいしかったです。
ハタハタを、生の卵白で包んだよう。
卵白のような部分は、コラーゲンだそうです。
骨は硬く、その感じもハタハタに似ています。

糸魚川のほうでは、ノロゲンゲの干物が有名だとか。
生のゲンゲは、おそらく足が速くて流通しないのでしょうが、
外道どころか、人生で5本の指に入るくらい、極上のお味でした。

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