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2010.12.31 国府川の賜物
国府川は、佐渡の中央、国仲平野の西を流れる二級河川です。
佐渡では最大の河川で、小佐渡と大佐渡、二つの山系の水を集め、
ゆったりと穀倉地帯を潤しながら、真野湾に注いでいます。
国仲平野は二つの山系の間に発達した、堆積平野です。
きわめて平滑な地形のため、国府川の汽水域は広く、
海水は平野の中央部まで流れ込んでいます。この川が上流に向かって、
緩やかにさかのぼって行くのを見ることは、珍しくありません。
ボラの幼魚など、汽水に適応できる海水魚は、渓流の間近まで遡上します。
夏の渇水期に入ると、河口付近からは淡水の影響が消え、
オニオコゼやイシダイなどの純海水魚が悠然と回遊し始めます。
川の泥濁りが強いせいで、見た目にいい印象を与えないからでしょうか、
多くの佐渡っ子たちは、「国府川という海」の豊かさには無関心です。

12月31日 13:00 国府川河口

一年の一番最後の日に、好き好んで貝殻拾いをしているのには、
それなりの理由があります。
国府川の河口には、徐々に砂が堆積します。
そのまま放置しておくと、河口をふさいでしまうので、
折を見て砂をかき出しています。この砂は、ただの砂ではありません。
いわば砂浜の砂です。その下にさまざまな生き物の暮らす、砂浜の砂です。
かき出され、積み上げられた砂の周囲には、
この河口に生息している貝の殻が無数に散らばっています。
こんな好都合な貝拾いの場所は、滅多にありません。
ただし(一応)立ち入り禁止なのです。かすれた小さな注意書きが立っています。
常時重機が入っているわけではなく、常駐者もいないのですが、
誰にも見咎められる心配のないときに、存分に歩き回るためには、
今日のような日は最適なのです。

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この場所で収集することの出来る貝殻の第一の特徴は、大きいことです。
二枚貝が多いのですが、やはりプランクトンが豊富で巨大化しやすいのでしょう。
上段左から、バカガイ/サルボウガイ/トリガイ
下段左から、ベンケイガイ/タマキガイ です。
上段はいずれも江戸前の高級寿司種です。食用にも耐えうる十分な大きさがありますが、
佐渡では見向きもされません。

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これはハマグリです。佐渡でハマグリの殻が拾える場所は、ここだけだと思いますが、
けっこうな数が見つけられます。サイズもかなり大きい。
誰も採らないのでしょう。それがちょっと不思議です。
生体を見たいものです。

そのほか、次のような種が目立ちました。

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上段左から、マツヤマワスレガイ/カガミガイ/サギガイ
下段左から、サラガイ/キヌタアゲマキガイ です。
真野湾に特徴的なのは、カガミガイとキヌタアゲマキガイです。
両津湾ではカガミガイのかわりにヒナガイが多く見られます。両者は酷似しています。
サラガイは北方系の貝で、加茂湖の湖口近くの平沢でも見ました。
河口のような場所を好むのではないかと思います。非常に厚く、堅い殻なのですが、
割れやすいので、完全な形で収集出来ることはまれです。

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個人的に注目しているのはイソシジミガイです。
河口域を好み、加茂湖へ注ぐ天王川の河口の泥にもたくさん混入していました。
生体はつやのある黒い皮を被っていますが、はがれやすく、
貝殻になって打ち上げられる際には、濃い紫色で目立ちます。
シジミと名がついていますが、「うちのポチとそこいらのムジナ(イヌ科)」よりは遠い関係です。
産地では海のシジミとして、同様に扱われてきたようです。
シジミは淡水貝ですが、イソシジミガイは干潟を好みます。
干潟の貝のうちでも、より淡水域を好むものほど、
セルロースの分解能力が高い、という可能性が示唆されています。
最も分解能力が高いのは、これまでわかっている限りでは、ヤマトシジミガイの系統です。
植物の体を構成する主成分であるセルロースは、非常に固い(分解されにくい)物質です。
これを分解できる生物は「分解者」と呼ばれ、
生態系の中で重要な役割を担っていると考えられています。

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真野湾、とくに長石浜に打ち上がる貝の中に、
墨で染めたように黒く変色しているものがあります。
このような貝は加茂湖でも多く見られます。これは海底に、
還元性の泥や砂の層があることを示していると言われています。
厚く堆積した泥や砂の下のほうは、どうしても酸欠状態になります。
干潟など、深いところは泥が真っ黒です。
そういう泥の中に長く埋もれていると、殻が黒くなるのだとか。
これは汚染によるのではなく、自然環境のひとつなのだと思います。

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ナミベリハスノハカシパンもたくさん落ちていました。
右のもの、かなりキレイな五角形だと思いませんか。
ハスノハカシパンかなあ。。。
ただの欲目かしら。

もうすぐ2011年です。
さようなら、2010年、たくさんの苦い涙たち。
どうぞ皆様、良いお年をお迎えください。
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