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2012.01.07 天頂虫の夜
今夜は、月は出ていないのですけれど、
曇天が月光を拡散して、
雪明かりでぼうっと外が明るい。

薪を取りに外に出たら、焚き木を積んである車庫の隅に、
いました、冬の居候たち。

IMG_3652_convert_20120107213012.jpg

実家は、北向きの斜面に建っていて、そこは、
膨大な数のカメムシしかいないのですけれど、
山の家は、日当たりが良いせいなのか、
こんなふうに、集団で越冬しているテントウムシをよく見かけます。

小さな可愛らしい虫ですけれど、こうして集まっていると圧巻です。
種類もごちゃまぜ。食べ物の好みもバラバラ。
仲良く肩を寄せ合って春を待ちます。

テントウムシは「死んだフリ(擬死)をする虫」としても知られています。
このことについて、
虫は、死を理解できないのに、どうして死んだフリなどできようか、
とファーブルは疑問を呈しています。

同時に、死というものを知っている人間にだけが、
自殺することができるのだ、しかしそれは、
決して行使してはならない特権である、と強い口調で述べています。

   わたしたちは人生を、ただたんにたのしいばかりのものとしてではなく、
   またかなしいばかりのものとしてでもなく、
   あたえられたたいせつなものとして、
   最後のときまで、かんぜんに生きなければならない。

                 『ファーブル昆虫記6』 奥本大三郎/訳


大学教授などの地位はなく、市井の愛好家に過ぎなかったファーブルが、
自身の人生を、苦々しく噛み締めながら書き上げたであろう一文が、
うらさびしいこんな夜に、ふと思い起こされるのです。

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