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2012.02.17 春よ、来い
20代の頃、田んぼに囲まれた小さなホームセンターに、
長く勤めておりました。
冬の寒さが幾分緩むが早いか、老いた農婦たちが、
春もんの種は、いつ入ってくるのんさあ、
と待ちきれぬ様子で聞いてくるのを、今すぐ蒔けるわけでもないのにと、
いつも訝しく思っておりました。

日増しに高くなっていく冬の終わりの太陽に、まぶしげに目を細めながら、
入荷したばかりの春蒔きの種を、ひとつひとつ手にとって、
裏返し、入念に目を通して、選びに選んでいる彼女たちの、
幸せそうな後姿を、今でも時々思い出します。
あのころは、若いわたしには、理解できるはずもないことでしたが、
それは農婦たちの、春を待つひたむきな、いじましい心の発露だったのでした。

種から野菜を育てられるほどの、技量を持たないわたしですら、
この時期は、整然と並んだ春物の種の前で、
ふと足を止めて、嬉しいため息のひとつもこぼれます。

ああ、もうすぐそこに、春。
近くて遠い、春よ、来い。

まだぱっとしない鉢物の花にも、ついつい手が伸びます。
冬の鉢花は、管理が難しいものが多いのです。
そろそろ、ヒヤシンスや水仙の目だし苗が並び始めています。
秋に球根を買ってもよいのですが、そうすると外に植えっぱなしにしてしまって、
春間近になると、そわそわと待ちきれなくなり、
結局、促成栽培の鉢物をまた買ってしまうのです。

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ヒアシンスは、2月に似合う花。
春に咲いているのを見ると、むつごくてちっとも好きになれないのですが、
雪を背景に窓際に飾るなら、これくらいぼってとしているほうがお似合いです。
もっとも、室内に置いておくとすぐに花が終わってしまいますし、
芳香も強いので、寒い玄関がちょうどいいみたい。

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花が終わったら、花壇のすみに埋めておくと、翌年からは、
落ち葉の合間に、野草みたいに可憐な花をもたげるようになって、
わたしはそちらのヒアシンスの雰囲気のほうが好きです。

冬の厳しい日本海側は、球根植物にとっては楽園です。
チューリップや水仙が、あんなに活き活き花開くのは、
厳しい雪の冬があればこそ。
太平洋側では、秋に球根を埋めても、うまく発育しないのだとか。

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雲間草やレウィシアも、寒さにとても強い花です。雪に当たっても平気。
耐寒性に優れた植物は、かえって、高温多湿に弱く、
夏には枯らしてしまうことが多いのですが、
今年こそは、とまだ来ぬ夏に期待をかけ、
雪に咲く花に、春の姿を重ね見て、ひそやかに胸ときめかせているのです。

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