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冬の味覚も最終盤に差し掛かり、
価格も下がり始めています。
今年は特にタラが豊漁なのか、よく見かけるようです。
個人的には、あまり好みではないのですが、
タラだけはなぜかマ○ヤがいいのです。アラがキレイです。

マダラは普段は、比較的深い海に暮らしています。
冬から春にかけて、産卵のためもあって浅場へ浮上してくるものが、
厳冬の食卓に並ぶことになります。
内臓までも重用されるタラですが、真子(まこ)と呼ばれる卵巣を持ったメスよりも、
白子と呼ばれる精巣のほうが珍重され、オスのほうに高値がつくとか。

ですけど、白子だけはどうしてもダメ。
脳ミソに見えませんか?
皆さん、口をそろえておいしいとおっしゃいますけど、
わたし、きっと、自分しか信じられない悲しい女なんでしょうね。
このまま、食べずに人生を終えてしまうのかしら。

真子は、幼心に、こんなおいしいものがあるのかと思ったのを、
今もはっきりと覚えています。
外側の黒い皮が、特に味もなく、噛み切れない、
しええ(しわい/スジっぽい)食感なのも好きでした。
出始めのものは、北海道の大叔母から贈られてくる、
良質の昆布でぎっちり巻いて、何日もかけて煮る昆布巻きが、
行く年来る年の楽しみでした。

とにかく、一気に煮てしまおうなどとは考えずに、
台所にいる間は火にかけて、離れるときには消し、
また煮ては冷ましを何回も繰り返すと、
1週間くらいで昆布がとろりと半分溶けたようになり、
真子の芯まで味が染みておいしくなるのだと教えてもらいましたが、
その母の煮方はまだ試したことがありません。

出盛りにはゴムの水枕のように張っていた真子も、
このごろは卵が育ちすぎ、すっかり緩んで、昆布巻きには向かなくなりました。

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はちきれてしまったものも、しょうゆで煮付けると、
味が早く染みるので、それはそれで重宝します。
市場価値も下がるので、安価に手に入り、
もっぱらこちらを普段用にしていました。

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新潟に出て行って、そのまま越後人になるつもりでいる妹が、
アスファルト工場のそばのアパートで、真子を煮て食べていると話したとき、
他にいくらでも食べるものがあるのに、
どうしてわざわざそんな面倒なことをと、訝しく思ったものです。

今にして思えば、山海の幸に囲まれ、
あちらからは野菜を頂き、こちらからは魚をお返しする。
そんな閉鎖的な佐渡と違って、鉄筋のビルが立ち並び、
24時間営業のスーパーに、県外からの潤沢な食材が流れ込む市内では、
島を思い出すよすがはことのほか少なく、
真子を煮るときにだけ、台所に立つ母の後姿が自分に重なって、
ふと佐渡人に立ち戻る。
去っていった者には、そういう瞬間が必要なのかもしれません。

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