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2012.03.27 Distant Traveler
井坪にスイセンの花を尋ねました。

小木半島は野生のスイセンの多いところです。
とくに井坪から琴浦に至る、半島の先端部には多く見られます。
このあたりは、かつて北前船の寄港地として栄えたように、
こんにちでも、温暖で良好な天候に恵まれ、
いち早く春の訪いを受ける季節の玄関口になっています。

井坪はスイセンの開花が早く、
それが日当たりのよい、集落の海べたの墓地に密生しているさまは、
いかにも当地にふさわしく、わたしは好きなのです。

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冬の潮風に吹かれて、痛んでいるぼさぼさの葉先や、
まだ肌寒いうちから、次々と伸び上がってくる花芽の力強さ。
その野趣とは対照的に、自然の妙技に感じ入るばかりの可憐な花からは、
春のそよ風に合わせて、すがすがしい芳香が漂います。

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馥郁たる、とは、まさにこの花のためにあるかのよう。
香りを写真に残せないのは残念です。

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スイセンはその姿の美しさゆえに、原産地の地中海沿岸から、
シルクロードを経由して中国に至り、海流に乗って海を渡った球根が、
日本海沿岸に野生化したと言われています。
その数の多さから考えて、大陸からにせよ、日本に一度定着したものにせよ、
一部は小木半島にも漂着したのでしょう。
そしてやはりこの島でも、その端麗さが愛され、
こんにちでは、島内のあちこちで見ることが出来ます。
佐渡の反対の突端、藻浦で見たときには、深い感動を覚えずにはいられませんでした。

こうした歴史を踏まえて見ると、ニホンスイセンなどという呼び名は、
ちょっと滑稽に思われます。
花は八重咲きですから、種子は出来ません。
球根の分けつによる、クローン増殖で分布域を広げているのです。
この太古からの孤独な旅人は、ときに荒れ狂う海の流れに、
またときには、人の手に身をゆだねて、今も、
幾世紀にわたる壮大な旅の途上にあります。

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井坪の海は春の嵐に泡立っていました。
その泡が黄緑色をしているのにお気付きですか。
すでに大発生している植物プランクトンが、冬には白色をしていた波の花を、
自らの色に染め上げているのです。

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舟揚げの波打ち際には帯状分布が現れています。
上から下まで、しっかり色が残っていますね。
間もなく、気温の上昇や天候の回復に合わせて、白化枯死が進み、
これらの色彩は急速に失われてゆきます。

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