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2012.03.28 大いなる遺産
今の家はとても気に入っていますけど、
実家はわたしにとって、一番の宝物です。

小学生の課題作文みたいな書き出しになってしまいましたけど、
かけがえのない、幼い日の記憶につながっているばかりでなく、
ちゃんと大人の事情もあるのです。

北向きの斜面は、年中じめっとしていて、
家は寒く、かび臭く、ヘチガネの巣窟で、その分、まあ夏は涼しいのですが、
日当たりが悪くて、何を植えても思うように育ちません。
そんな場所で、ひとつだけ、何が気に入ったのか、
大繁殖している植物があるのです。

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冬でも青々しているこの下草が全部、そう。
わさびなんです。いわゆる畑わさびだと思います。
これは、ほんの一画です。

気丈な曾祖母の尻に敷かれる鬱憤を、
草木を植えることで紛らわして生きた曽祖父が、
どこからかもらってきたのが、種で殖えて一面に広がっているのです。
よほど土が合うのか、たちまち大株になって、
根も、小指くらいの太さには育ちます。
ひとに差し上げると喜ばれるので、
一時期、わたしがかなり採り尽くしたんですけど、
最近また、ぐんぐん盛り返してきています。

長年の試行錯誤の末、母はこれを、ものすごく辛くさわすことが出来ました。
そのやり方を見ることも聞くこともなく、
逝かせてしまったのは、本当にもったいないことをいたしました。
乾煎りするとか、さっと湯にくぐらせてよく揉むとか、
ひとによって様々に秘訣があるようです。
酒豪の方々は、とにかく辛く、とおっしゃいますけど、
個人的には、あまり辛すぎても食べにくいものです。

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阿部なをさんの本に載っていた方法が、簡単でしたので試しました。
塩水で洗って水を切り、ざくざく切って、ビンに詰め、
熱湯をまわしかけて、そのままフタをして、3時間程度放置するだけです。

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さすがに、料亭の味といった雰囲気に仕上がります。
食べるときに、白だしをかけるのがわたしの好み。
辛すぎないぶん、一度栓を開けると、気が抜けてしまうのも早いのですが、
お茶漬けに、汁ごとたっぷり乗せて頂くにも、食べやすく感じました。
酒の肴に、ちょっとずつ味わいながら、長く食べ続けるには、
なるほど、もっと辛く漬ける必要がありそうです。

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久しぶりに実家のまわりを歩き回ってみると、
下界の春が早いのには驚くばかり。
雪踏み分けて探し回り、結局花を見ることは出来なかったマンサクも、
ここではもう満開です。

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足元には福寿草。キクザキイチゲも花首をもたげています。
よく、東欧あたりで、ヒアシンスやシクラメンが、一面に自生している写真を見ると、
おとぎの国ではなかろうかと見入ってしまうものですけれど、
その国はきっと、わたしたちの生活のすぐそばにもあって、
妖精たちが舞い降りるときは近いのです。

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