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春の山の木で、特に好きなのはタムシバです。
自生しているものは、白木蓮のようにあでやかでも、
辛夷(コブシ)のように凛々しくもなく、
ひょろりとしていて、遠目には、
冬枯れの枝に、どこからか飛んできたちり紙の屑がひっかかっているような、
そんな冴えない姿をしたタムシバがお気に入り。

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なぜならタムシバには、見目麗しい他の仲間たちにはない、
えもいわれぬ極上の香りがあるから。
枝を手折ると、清清しい芳香が立ち上ります。
南佐渡では、クロモジに比して「シロモンジャ」と呼ばれたとか。
名にたがわず、クロモジを女性的にしたような甘さを秘めています。
(通念上の女性です、あくまでも)

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山に生えていると、どうしても遠目になってしまうのですが、
間近で見る花は木蓮にも引け劣りません。
花は枝ほどには香らず、甘さだけを抽出した、ヴァニラのような雰囲気。

この愛する花を、愛するあまり、
数本の小枝と共に、ガラス瓶に閉じ込めて、
そうっとホワイトリカーを注ぎます。
数日のうちに、タムシバのリキュールは、神秘的なローズレッドに染まりました。

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この赤はどこからやってきたのでしょう。
大家さんの奥さんは染織家なのですが、以前、
植物は内奥に必ず花の色を持っている、と話して下さったことがありました。

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純白の花びらに、埋もれるようにして隠されていたしべは、
なるほど、世にも妙なる朝焼けの明るい紅だったのでした。

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