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実に奇跡的な偶然の采配によって、佐渡には、
屋久島をしのぐ豊富な植物種が存在すると言われています。
南方系植物と、北方系植物の分布の境界となる、
北緯38度線が島の中央を横断し、両者が混在しているのです。

もっともらしく書きましたけれど、これらはすべて、
『佐渡の花』を著された伊藤邦男先生の受け売りです。
わたしが先生にお会いしたのは1度きりで、
それが最後の機会になるとは夢にも思わず、
ろくにお話も出来なかったのは、今思うと、大変もったいないことをいたしました。

先生の著作は多く、リサイクルショップなどにも出ているので、
見かけたら必ず購入するようにしています。
最近読み込んでいる、『佐渡花紀行-自然探訪テキスト』(1999)の巻末に、
佐渡の優れた自然(植物)として、
1995年までに県の指定を受けた58件が記載されています。
その中に、西三川海岸のウミミドリ群落がありましたので、
時期柄もよく、早速散策に出かけました。

佐渡を南限とする、北方系植物として、
ウミミドリ、ハマハコベ、ハマベンケイソウは、よく知られています。
特に北方系植物に恵まれる地としては、佐渡の北端である二ッ亀がしばしば紹介されます。
以前わたしも、二ッ亀のウミミドリ群落は見に行ったことがあるのです。
より南に位置する西三川は、海岸近くを道路が通っていないためか、
あまり聞かないのですが、学術的には価値が高いのでしょう。

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かつては鉄砲鼻のドライブインから、海岸に降りる通路が整備されていたのですが、
現在は使えませんから、西三川漁港から岩伝いに歩きます。

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岸壁に満開のマルバシャリンバイが出迎えてくれたのは、
幸先のよいスタートだったのですけど、想像以上に海岸が険しい!

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普段の水面上から、波しぶきがかかっていくらか湿り気のある範囲は、
小さな巻貝のタマキビが多く付着するので、タマキビ帯などとも呼ばれます。
帯の太さは、干満の差の乏しい日本海側では、
垂直方向にわずか数cmほどしかないのが普通なんですけれど、
ここは最上部のタマキビの位置が、見たこともないくらい高いのです。

それだけ波当たりが強い証拠でしょう。
佐渡の北方系植物を南進させる、特異な環境のひとつに、
冬の季節風が影響していると言われているのもうなずけます。

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ここ数年、ほとんど人が入っていないと思われる海岸は、
北端の藻浦の海岸に、驚くほど雰囲気が似ています。
転石の隙間から、たくましく枝を伸ばすハマエンドウが、花盛り。

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見慣れた植物ですけど、ハマエンドウが繁茂するような昔ながらの海岸は、
存外に少なくなっていると思います。

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この海岸線を開発から守った、海岸段丘の急峻な斜面には、
トビシマカンゾウがちらほら咲いています。

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大野亀のような大群落になるのは、そこが里として利用されていた特殊な環境だからです。
自然の海岸では、こんなふうに、
そのほかの多くの植物と入り混じって生えるのが本来の姿です。

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北の海に、夏の色彩を焼き付けるようなオレンジ色のイワユリは、
平らな遊歩道脇にも生えているのですけれど、
やはり荒削りな岩の上に咲いているのが似合います。

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ハマボッスは岩の隙間を好み、砂浜には生えません。
ただし砂浜の近くでも、ガレ場のようになっているところでは見かけます。

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ウミミドリは、これらの植物よりも、より波打ち際に近いところに生育する植物で、
塩沼(えんしょう)植物と呼ばれます。
海抜が低く、根元がしばしば海水に浸かるような場所を好みますが、
いくらかの淡水や、根を張るのに不可欠な泥の供給を必要とします。
ちょろちょろと淡水の流れ込む磯で、なおかつ、
泥や塩分を洗い流してしまうほどには、流れの強くない場所でなくてはなりません。

小型のイ草であるドロイと混在することが知られ、
塩分濃度が低いとドロイが優先し、高いとウミミドリが優先します。
所々にあるドロイ群落を目印に探していくと、ありました。

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狙い通り、ほんのり酔ったような、紅の差した小さな白い花が群れ咲いています。
花が散って、赤い実が結んだあとも見ごたえがありそう。

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艶のある緑色の葉は、ハマボッス同様、
塩が付着してもいいように、コーティングされているのだそうです。

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何気ないようですけど、ウミミドリも、一緒に生えているドロイも、
塩沼の特殊な植物で、越後には分布しないと聞いています。

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日本最南端の、ウミミドリのお花畑です。

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