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2011.02.19 凍れる湖
来週から一気に春めく予報です。
早くも過去になりつつあるこの冬は、非常に寒かったので、
しばしば加茂湖の岸辺も凍結しました。
佐渡のひとでも誤解していることが多いのですが、加茂湖は海です。
佐渡くらいの緯度では、海はふつう凍りません。
今も、外洋は10℃くらいはあるのではないでしょうか。
加茂湖は浅く閉鎖的な海なので、夏は外洋よりも高温となり、
冬は低温となります。今は5℃以下です。
同じ量のお湯を深さのあるマグカップと皿に入れておいておいたら、
お皿のお湯ほうが先に冷めることは、経験的に納得できるでしょう。
最大で水深9m程度しかない加茂湖は、そのお皿と同じです。
浅ければ浅いほど外気で冷やされますから、表面や岸辺ほど低温になります。

いよいよ水温が0℃近くなると、凍結します。
いいえ、それだけでは海は凍りません。
塩分が溶け込んでいる海水は、0℃になっても凍らないばかりか、
凝固点付近では、比重が重くなって、沈下し始めます。
冷たい海水が沈み込むと、深層の温かい海水が上昇し、表層に現れます。
こうして、表層には常に温かい海水が供給されているので、海は凍らないのです。
このような縦方向(鉛直方向)の対流によって、
海は静かに、大きく(地球規模で)かくはんされています。

加茂湖が凍るのは、北極が氷で覆われているのと同じ原理です。
地球儀を上からのぞいてみてください。
北極海が、ぐるりと陸地に囲まれた巨大な内湾であることに気付くでしょう。
ここに陸からの淡水が大量に流れ込んでいます。
北極海の塩分濃度は、地球上の他の海域より低くなっています。
淡水と海水は一見すると、容易に交じり合うように思われますが、
実際にはなかなか混合せず、比重の軽い淡水は海水の表面にとどまります。
淡水は凝固点に近付くにつれ、軽くなる一方なので、上下の対流も起こりません。
冷やされるだけ冷やされると、ついに表層は氷に覆われます。
淡水の池やダムが簡単に凍り付いてしまうのはこのためです。

加茂湖でも、淡水の流入量の多い、静かな入り江などがよく凍り付くようです。
かつては砕氷船が出たというほどですが、昨今の暖冬で凍りにくくなり、
わたしも今年になって、初めてこの現象を目の当たりにしました。
流氷のような白い氷を期待していたのですが、
思っていたのとはちょっと違って、寒い朝、水溜りにうっすら、
透明な氷が張っているような、そんな感じでした。

IMG_9229_convert_20110219004956.jpg

砂の上の小さな潮溜まりは完全に凍り付いています。
奥の、黄色いオイルフェンスの手前の水面に、シャーベットのようなものが浮いているように見えるでしょう。
これは氷のかけらではなく、一枚に張り付いた大きな氷でした。
あちこちで凍り始めた小さなかけらが集まりながら成長していくので、
このような不均一な表面になるのではないかと思います。
周囲の小川からは、雪解け水がとうとうと流れ込んでいました。
湖面の水を舐めてみると、全然塩気のない淡水です。
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