上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2日が満月でした。
満月や新月の前後二日くらいが、干満の差が大きくなる大潮です。
8月の大潮の夜は、特別な夜です。

闇の中、波打ち際で、陸に住むカニたちが産卵している姿を、
テレビなんかでご覧になったことはありません?
クリスマス島のアカガニの大行進が有名です。
あれほど大規模ではありませんけど
国府川の河口でも、盛んに歩き回っています。

テレビでなく、ご自分の目で産卵を確かめたい方は、
加茂湖がおすすめ、のはず。
岸辺にカニがたくさん住んでいるのは、間違いありません。
実は、わたしも見たことがないのです。
では、早速行ってみましょう。

IMG_4657_convert_20120819235042.jpg

最初に訪れた天王川の河口では、波打ち際にカニは見当たりませんでした。
かわりに無数のフナムシが。
舟揚げの波打ち際に殺到しています。
これは、ライトを当てたので、クモの子のように散らばっていくところです。
わたし、虫は好きなほうですし、
フナムシの背中のサファイアの輝きも知っておりますけど、
お願いだから!! こっちへ来ないでーーー!!

2012年 8月 4日 21:00 加茂湖・鳥崎

気を取り直して鳥崎へ。
ここは休憩所があるのですけど、その傍らの松の木の根元に、
たくさんの穴が開いています。カニの住みかです。

IMG_4672_convert_20120820000048.jpg

ほら、立派なハサミを持ったオスのアカテガニが、
草むらを歩き回っています。すごい数!

IMG_4668_convert_20120819235257.jpg

護岸のブロックの隙間に隠れているのは、ハサミの小さなメスのアカテガニです。
エサをとるでもなく、卵を放つでもなく、
水面から少し離れて、じいっと何かを待っているみたい。

IMG_4677_convert_20120820000130.jpg

ほら、おなかには、この通り、たっぷりの卵。
水面は静かで、潮は止まっているようです。
干潮は22時50分ころ。次の満潮は、翌朝の5時すぎです。
カニは、潮が動くのを待っているのかもしれません。
いとしい我が子たちを、出来るだけ遠くへと、運んでくれる、いい潮を。

水際がとても騒がしく、とくとくと水が湧いているような音が聞こえています。
何かははっきりわからないのですが、
無数の稚魚が、黒い影のように岸に押し寄せています。
肉食魚から身を隠しているのかもしれません。
あるいは、カニの産卵を予期していて、
大盤振る舞いのエサを待っているのでしょうか。

仮にそうだとしても、カニもまたそれを知っているのです。
解き放たれる新しい命の大半は、またたくまに、
大いなる循環に飲み込まれてしまう。
運命の網の目を逃れたものだけが、いつかどこかの海岸で、
再び8月の大潮の夜を迎えるのです。

IMG_4658_convert_20120819235207.jpg

月がみなもに映り込んでいます。
魚たちの水音は、いつ果てるともなく続いています。

こんな夜には、忘れたはずの孤独がよみがえってくる。
おそろしい感情だ。
わたしのような人間をすら、
人恋しくさせる魔力がある。

スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://hirukonoama.blog129.fc2.com/tb.php/413-0fa921fe
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。