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以前、介護施設に勤めていたとき、なんとなく気が合って、親しくしていた高齢の女性が、
あなたはここの外にも、いっぱい友達がいるでしょう。
だけどわたしにはなんにもないの。
わたしにはあなただけしかいないのよ。
そう言って泣いていたのを思い出します。
認知症の彼女は、すっかり女学生の気分に戻って、わたしたちはよく、腕を組んで歩きました。
学生だったころには、そういうスキンシップを厭い、
できるだけひとを遠ざけて生きていたわたしだったのに。

中学生くらいの若者を見ていると、人間がいかに不平等に生まれてくるかがよくわかります。
ひとによって、持って生まれたものの質や量が全然違うのです。
こればかりは恨んでみても、どうしようもありません。自然は理不尽で厳しい存在です。
より多く恵まれた者ほど、そのことには無頓着です。
持って生まれた資質で勝負できるのは、せいぜい中学生まででしょう。
そのあとは、実際の行動が人生を決めるのだと思います。

自分がいかに恵まれた存在であるか、
考えたこともないような若者たちは、ときどきわたしを苛立たせます。
思い返せば、わたしもまた、そういう尊大な若者のひとりだったのでした。
いかに多くのものを無駄にしてきたか、容赦なく切り捨ててきたか、
与えられた恩恵を当然のものとして感謝すらしなかったか、
わたしはまず、わたし自身を深く恥じねばならぬのです。

あのとき、わたしは彼女に、どうして言わなかったのでしょう。
わたしにもあなたしかいない。
この孤独をわかちあえるのはあなたしかいない。
それすらも思い上がりだったかもしれませんが、
あのとき確かに、心からそう思ったのでした。
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