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2011年 6月20日 大浦(七浦海岸) 11:30

海草の開花期にあたる6月は、たいてい砂浜へ向かうのですが、
今日はちょっと趣向を変えて、大浦の転石海岸、典型的な岩場に入ってきました。

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1mほどの水深から、アクアリウムのような素晴らしいガラモ場です。
この写真、随分赤みが強いと感じませんか。
これ、この時期に特有の現象なのです。浅瀬のガラモ場は、
繁茂した褐藻が防波壁になるので、潮がよどんで、内部の水温が高めになります。
ぬるい海水に煮出されて、老成した褐藻の色素が溶け出しているのです。
こうなるといよいよガラモ場の最終段階です。

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深所では、褐藻は倒れたり、沈んだりしています。

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冬の季節風が吹きつける大佐渡沿岸のガラモ場には、カイフモクがよく見受けられます。
円錐状の根でしっかりと岩にしがみついています。
夏でも冬でも、草丈にはほとんど変化が見られません。
強烈な波浪に適応した結果であろうと思います。

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褐藻の空白地帯には、ツルモが生い茂っていました。
これは、冬の時化にかかわらず、5月ごろに凪の続く場所でよく見かけるようです。
長い髪の毛のような海藻が、まっすぐに林立している様は、ちょっと不思議です。
ツルモはどうして直立できるのですか、と聞かれたことがあるのですが、
確かに的を得た質問です。この海藻には気胞はありません。
太い茎(葉?)の先端部分に、空気を蓄えているのです。

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大きな岩の頂上付近は、浅瀬と同じ環境です。
サンゴモや紅藻の草原で、たくさんのアメフラシが食事中です。
高原で草をはむ牛の風情です。

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今はアメフラシの産卵期です。岩陰に、オレンジやピンクやアイボリーの、
ぐちゃぐちゃに絡まった細い紐のようなものを見かけたら、
それがアメフラシの卵塊です。ウミゾウメンと呼ばれています。
あの海藻のウミゾウメンとは、まったく別物です。
こちらの卵塊の通称ほうが、よく知られているようです。

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護岸の下では、クロヘリアメフラシが集団交尾中です。
ウミウシは雌雄同体で、前のものがオスになるのだったか、メスになるのだったか、
前にも後ろにもいたなら、体の半分がオスで残り半分がメスにもなり・・・
そんなこんなで、自在にオスとメスを使い分けているようです。
背中の赤いゼッケンが目立ちます。これは貝殻です。
ウミウシは巻貝の仲間で、殻は退化してなくなっているものも多いのですが、
アメフラシには薄い膜状のものが残っています。
特に写真の一番下のものは、わかりやすいのではないかと思います。

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巨岩のヘリで、エメラルドグリーンの細長い葉をした海草が、たなびいています。
エビアマモです。アマモの仲間で、岩の上に生えます。海草の中で、
岩の上に生えることが出来るのは、エビアマモを含むスガモ属3種だけです。

岩の上は本来、海藻の専売特許です。
陸から海へ舞い戻ったアマモは、遅れてやってきたので、
海藻の生えることの出来ない砂底に、活路を見出さねばなりませんでした。
岩場はすでに海藻に覆われてしまっていたからです。
この話は、以前にもいたしましたでしょうか。

ではどうしてスガモ属だけが、岩の上へと侵出することができたのでしょう。
それはここが砂浜同様、空き地だったからです。
エビアマモが生えるような場所は、一見岩場なのですが、砂地が隣接していて、
海が時化ると、砂がクレンザーのように岩の表面を磨くのです。
せっかく定着した海藻の芽なども、すっきりと削り落とされてしまいます。
陸上生活で鍛え上げた変幻自在の根を張り巡らすことで、
スガモ属は、この空白域を安住の地とすることに成功しました。

エビアマモは、佐渡では素浜や大佐渡沿岸を中心とした、
強い季節風にさらされる海域に生育しています。
大浦は、大佐渡沿岸では最西端になると思います。外海府では普通に見られます。

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ファンタジーの世界の美少女の髪を思わせるこの海草が、
ときどきこんなふうに編み込まれていることがあります。
最初は、波のいたずらで、からみあっているだけかと思っていたのですが、
それにしてはちょっと不自然です。たぶん何かが住んでいるのだと思います。
“何か”が何かは、まだ確かめたことはないのですけれど。
世界を破滅から救う希望の剣のかわりに、
ゴカイなんかが出てくるのだろうと思います。
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