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あけましておめでとうございます。
今年もまた、あたたかい1月です。まるで、もう春の気配すら漂っているような。

旧暦ではまだ12月に入ったばかり。
なかなか寒くならないのはそのせいとも聞きます。
これは師走なのだと思えば、まあ、こんなものかしら。

年明けからナマコ漁の仕事に追われています。
佐渡で行われている潜水漁のうち、最も高収入なのが、実はナマコなのです。
佐渡の潜水漁は、ほとんどが集落から業者への委託なのですが、
サザエはまず利益が出ません。
アワビは、価格が高沸する8月の中頃までに、それなりの量を水揚げできれば、
多少心穏やかなお盆を迎えられるでしょう。
ナマコは、ともするとひと冬でその倍は稼げます。

佐渡でナマコ漁の対象になるのは、マナマコという種類で、
これはその体表の色から赤と黒に大別され、価格もだいぶ違います。
アカナマコは表皮が柔らかく、生食向けに出荷され、年末に最も高値が付きますが、
正月をかわすと捨て値になります。
対するクロナマコは価格変動が少なく、乾燥して中国へ輸出されています。

アカナマコとクロナマコには、不完全ながらも住み分けがあり、
アカナマコが潮の通る岩礁域に多いのに対して、
クロナマコは泥っぽい漁港の内側などを好みます。
表皮の硬さは、漁の時に軍手でつかんだだけでもわかるくらいはっきりしているのですが、
不思議なことに、いざ食べ比べてみると、気になるほどの違いがないのは不思議です。
またクロナマコのうち褐色味が強いものは、アオナマコとして区別されることもあります。

東北地方ではクロナマコを「キンコ」と呼び、
まさにブラック・ダイヤモンドの名にふさわしい高値がつくと言われています。
逆に、関西ではアカナマコが「キンコ」と呼ばれるのだとか。
「キンコ」のキンは金、銀、銅の金、金のナマコという意味の地方名のようです。
地方名としての「キンコ」のほかに、正真正銘、キンコという和名のナマコもおりまして、
そのはらわたは、なんとウニの味がするのだとか。
確かにウニとナマコは、似ても似つかないけれども、
分類上は、比較的近い生物と言えます。

和名キンコは北方系の種で、佐渡では見たことがありません。
このナマコは、普通わたしたちが想像するナマコとは一風変わっていて、
口触手をイソギンチャクのように広げ、受け止めた有機物をこしとって食べています。
佐渡で見られる種でも、似た特徴を持つものがいます。

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夢見るような美しいこのナマコは、しかしイシコという名を与えられています。
食用に適さないため、何の価値もない石ころ同然のナマコ、という意味なのです。
真野湾の転石の海底などには特に多く見られ、
あちらこちらで触手を広げているさまは、まるで白い花が咲いているようです。

佐渡ではナマコ類は夏には休眠状態に入り、
水温の下がる冬から春が活動期になります。
真冬の薄暗い海底で、かえりみられることなく、
うねりに合わせて揺られながら咲いているイシコは、歌を歌っているみたいだな。
ほら、イシコの歌が、聞こえてくるよ。

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