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例年、年末のころ、10m以浅の岸近くで、
ホテイウオの成魚をしばしば見かけます。

まあるいからだ。よく、おたまじゃくしに例えられますが、
もっと尾が短く、ずんぐりとして、球体に近い姿をしています。
その姿を七福神の布袋様になぞらえて、この名があります。
本場の北海道では「ゴッコ」と呼ばれるそうですが、
佐渡では「ゴウダラ」が一般的です。

ホテイウオはもともと、100m以深の海に生息する魚で、
腹部に大きな吸盤があるのが特徴です。
この吸盤で、岩などに張り付いてじっとしているのが本来の生き方で、
冬、波打ち際に姿を現すのは、産卵のためです。
これから春先までの間、漁港まわりの石積みの隙間などで、
オスが卵を守っている姿を見ることができます。

水中で見ますと、よろよろ、おたおたとしていて、
本当に泳ぎが下手なんです。
波にもまれ、潮に流され、ようやく岩場にたどり着いた個体も、
半ば白濁した目をして、あえぐように大きくエラを動かしています。
泳ぎの苦手なホテイウオにとって、産卵は命がけの旅です。

おもに小木半島と内海府で食べられているようです。
地形的にも、急深なので、出現数が多いのでしょう。
同じような地形の豊岡でもよく見ましたし、
意外なことに、二見でも見ました。地元の方にうかがうと、
気味が悪いから魚は食べないけれども、
卵は炒って食べるとおっしゃっておりました。
炒って、というのは、炒り煮のような感じなのかなと思います。

漁師は堤防の上などから、すくい上げて捕まえるとか。
小型定置網や刺し網にもかかるようです。
年にもよるのでしょうが、多く獲れる魚ではないので、
もしスーパーで見かけたら、そのときが買い時です。

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熱湯をくぐらせると、表面のヌルミが凝固するので、
それを丁寧に洗い落とし、内臓をのぞいて、
適当にぶつ切りにすればよいのです。
卵や精巣、肝も食べられます。

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人気の高い卵は、なますに混ぜて食べるのもおいしいのだとか。
他の部分は、鍋物に。くせがなくておいしいのですが、
淡泊すぎてちょっと物足りないので、キムチ鍋がおすすめです。
コラーゲンの多いぶるんとした皮は、味というよりも食感が楽しめます。
軟骨かと思うほど柔らかい骨は、
なんだか砂を噛んでいるような歯触りで、わたしは残します。

意外にもこわもてで、顔を食べた父の弁によりますと、
ピラニアのように細かい牙の並んでいる口だけが、
ホテイウオの身体で唯一硬い部位だったとか。

ホテイウオを食べると、冬の深まりを実感しながも、
その幼魚が海に放たれる春を夢見ます。
4月になると、ツルアラメの葉にちょこんと乗ている、
5mmほどの幼魚を探すのが、ダイビングの定番になります。
全身水玉模様だったり、天使の輪っかを戴いていたり、
実に変化に富んでいて、そして、どの個体も、
本当に天使が微笑んでいるような顔をしています。

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お母さんとお父さんが、命がけで残した命だものね。
ホテイウオの幼魚は、5月の連休明けには姿を消して、
まばゆい夏には目もくれず、
深く静謐な薄暗がりの海へ、還っていくと考えられています。

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