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「栃餅」は、佐渡の名産品のひとつかと思いますが、
まんべんなく食べられているというわけではないようです。
内海府のほかに、山を越えてつながっていると言われている外海府のほうでは、
作られる方がいらっしゃるようです。
小佐渡のほうではあまり聞きません。

よく仕事をさせていただいている、旧両津の内浦から内海府にかけては、
とちもちの本場です。時期的なこともあり、
年明けからあちこちでご馳走になったり、お話を伺ったり。

内海府方面で、とちもちがさかんに食べられたのは、
第一にかさ増しという要素が強かったようです。
海岸線を走って見ますと、内海府では山の斜面がそのまま海に落ち込んでいて、
外海府に比べましても、田畑に使える土地が極端に少ないことがわかります。

他方、初夏に黒姫の山に登ったことがあるのですが、
渓流を覆い尽くすかのごとく咲き誇るトチの花は壮観でした。
米の収量の少なさを補い、豊かな山の恵みを活かす手段として、
とちもちが親しまれたのではないでしょうか。

トチは集落の共有財産であり、
収獲の季節になりますと、今でも集落の行事として、
一斉に山に分け入って拾い集めた実を、
それぞれに分配し、あるいは販売して集落の収入としているのだそうです。
近年は人足が不足して困っている、とも聞きました。

かつてはもち米と半々で混ぜ込まれていたと聞きますが、
現在はトチの実を拾ったり下処理したりのほうが割高になってしまったので、
自家製でも三割以下にまで減っているとか。
それでも内海府でいただくとちもちが、どこのものよりも薫り高いように感じます。

北小浦の元船頭さんの、料理上手な奥様は、
年末についたとちもちを、使い古しの保温ジャーに入れておくそうです。
こうすると、1週間くらいは、いちいち茹でたりしなくても、
そのままで食べられる柔らかい状態を保てるのだそうです。
実際、10日目でも、よく伸びるつきたてのおもちのようでした。

また、黒姫でいただいたのは、ぼたもちのとちもちでした。
半殺しにトチを混ぜ込んだもので、これは食べやすかったですし、
作るにしても、おもちより気軽に出来そうです。
ぼたもちはあまり得意ではないのですが、目からうろこのおいしさでした。
同じように、ヨモギを混ぜ込んだぼたもちもおすすめです。

どちらも、ちょっと物足りないくらい甘さ控えめの粒あんが、
よく合っていました。
トチには餅の日持ちをよくさせる効果があるようで、
他の餅に比べるとカビが生えにくいという利点もあります。

市販のとちもちでは、両津の田中餅屋さんのとちもちが一番人気のようです。
両津夷の裏通りにあるこぢんまりとしたお店で、直接買いに行くほかは、
滅多に他のお店には並ばないのですが、
田中餅屋さんのとち大福は、もち米とトチと砂糖だけで出来ているので、
硬くなりやすいですが、絶品です。

IMG_2012_convert_20160330113937.jpg

こちらで最近、餅だけを販売されているのですが、
トチを堪能したい方におすすめです。
お値段は張りますが、口に含んだ瞬間、ふくいくとした香りが広がります。

今はインターネットでいくらでも情報が集められますから、
仮に文化がなくてもとちもちを作ることが出来てしまうわけですけれども、
やはり本場の味は違うように思いましたので、
そんなとちもちのこもごもを集めてみました。

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