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突然、藤棚というものを見てみたいと思い立ち、
海を渡ってきました。

小学校の修学旅行で訪れた豪農の館に、見事な藤棚があって、
まだ花の時期ではなかったのですが、強く心惹かれました。
あれから30年近い歳月が流れ、ふと脳裏によみがえり、
新潟市からのお客様に、どこかいいところ、ご存知ありませんか、と尋ねてみますと、
横越の博物館ですごいところがあるらしいよ、検索してみたら、とすすめられて、
調べてみますと、まさしく少女の日に訪れたあの館のことだったのでした。

北方文化博物館は、越後随一の豪農、伊藤家の邸宅を、
文化財として公開している博物館です。
ちょうど藤の開花時期とあって、平日ながら、かなりの人出でした。

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門扉をくぐる前から、風に乗って漂う甘い香り。
南国に咲くという、イランイランの精油に似ていますが、
もっとさっぱりとしていて嫌味がありません。

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棚の下は、したたる藤色の雨。
隙間から差し込む日の光がゆらめいて、
複雑な色彩の濃淡が、さざ波のように輝いています。

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清少納言は、松に寄り添うように咲く藤の美しさを称賛しました。
聡明な彼女は、はかなげに見える藤が松よりもずっと長生きで、
いずれはその松を絞め殺しさえすることを、知っていたでしょうか。

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伊藤家の藤も、今はすでに寄り添うべき元の樹を失って、
1本の独立した木のごとく鎮座しています。
歪み、ねじれた樹皮に刻まれた歳月には、ただ圧倒されるばかりです。

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北方文化博物館は、大広間から一望される日本庭園も素晴らしく、
その造成にまつわる、歴代当主たちの物語も、
熱心な学芸員さんが、たいへん興味深く話して下さいました。
このような大規模な邸宅は佐渡にはないものです。
佐渡人の感覚として、少なくとも歴史的な側面で言えば、
越後のことは、少し甘く見ているようなところがあったのですが、
考えを改めました。

小学生のころには、藤棚以外、ほとんど記憶に残らないくらい、
退屈な場所と感じたものですが、歳を重ねて訪ねてみますと、
見るもの全てが趣深く、藤のころは言わずもがな、
別の季節にも、また来たいと思わせる場所でした。

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