上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
IMG_8944_convert_20101219223944.jpg

晴天に恵まれた一日となりました。
本格的に雪が積もってしまう前に、
やっておかなければならないことは山のようにあるのですが、
昨日、いい風が吹いたので、今日は自分を甘やかすことにして、
あちこち寄りながら、小佐渡を半周してきました。

いい風、と何気なく書いてしまいましたが、島外の出身の人たちから、
「いい」って、どういう意味ですか、とよく聞かれます。
いい風、いい雨、いい雪、いい水が出た(増水した)・・・
佐渡弁でしょうか、島の人たちは日常的に使っています。
語意は良いではなく、大洪水を引き起こすような豪雨のことでも、
「いい雨」と言ったりしますから、
強いとか、量が多いとかいう意味なのではないでしょうか。

風が吹くと、海は荒れ、
さまざまなものが巻き上げられ、打ち寄せられます。
時化のあとの海岸には、海からの贈り物が届いているかもしれません。

12月19日 13:00 多田漁港 10.7℃(表層) 

海水浴場のすぐ隣にある多田(おおだ)漁港に立ち寄って、
港内のアマモを観察します。
ここでは4種のアマモの仲間を見ることが出来ます。
海草はしばしば混生しますが、もともと種類がそう多くないので、
4種もの海草が混生している場所は、比較的珍しいといえます。
多田漁港のアマモについては、またの機会にゆずりましょう。

漂着している流れ藻(海草は厳密には藻ではないが)の中に、
エビアマモの葉とコアマモの蕾が混入していました。
エビアマモの生育は、この付近では確認されていません。
風向きなどから考えて、産地の可能性が多少なりともあるのは、内海府です。
少し遠すぎるような気がします。
コアマモは、秋から開花が続いていたのでしょうか。
折り悪く満潮で、穴の開いた胴長といういでたちだったので、
港内のコアマモ群落からの採取・確認はきらめました。

12月19日 13:30 松ヶ崎中学校前 12℃(表層)/14℃(下層)

表層水は淡水のようです。
アマモの葉の表面には毛のような紅藻(こうそう)がびっしり生えています。
以前あったコアマモ群落は確認できませんでした。
階段状護岸には帯状分布が現れています。

12月19日 14:30 両尾(もろお)海水浴場 
              14.8℃/12.5℃(タイドプール)

この場所には、17日にも来ています。
そのときは、前日に吹いた風が不十分だったのでしょう、
めぼしい漂着はありませんでした。
今日は、お目当てのものに出会えました。アオイガイです。

IMG_8947_convert_20101219224059.jpg

カイと名がついていますが、中に入っているのは貝ではありません。
タコです。カイダコとも呼ばれます。
12月頃、全島的に漂着しますが、
両尾海水浴場は、状態の良さや、数の多さで傑出しています。
薄い半透明の殻の表面には、
細工を施したかのような、繊細な波模様があります。
同じくらいの大きさのものを二枚組み合わせると、アオイの葉形になります。
この完璧な造形美は、古くから珍重されてきました。
付近の漁師たちは、大きくて損傷の少ないものを、
家のお守りにしたりもするそうです。

佐渡に漂着するカイダコは、一種の死滅回遊と考えられているようです。
わたしは生体(もしくは死体)を見たことはありません。
地元のひとや、両津湾で作業することの多い潜水士さんは、
そんなものは珍しくもないと言います。
うらやましいなあ。
あるひとにとっての日常が、別の誰かにとっては奇跡かもしれません。
わたしにもいつか、そんな夢のような出会いがありますように。

IMG_8954_convert_20101219224623.jpg

両尾の砂は暗い灰色ですが、白い帯が現れている箇所もあります。
帯に目を凝らすと、その正体が無数の貝殻であることに気付くでしょう。
両尾はまた、素晴らしい貝溜まりの場所でもあるのです。
たくさんの貝が生息している場所でも、
たくさんの貝殻が打ち寄せられるとは限りません。
ただ、場所によって、漂着する貝殻の種類にはある程度の偏りが見られ、
それらの生息環境は、近辺の海の様子と一致するので、
貝殻が波に乗って遠くまで運ばれることは、多くないと思います。
たいていの貝殻が、海水より重いからではないかと考えています。

両尾で見られる貝殻の種類については、またいつか。
特筆すべきものは、ケマンガイ(マルスダレガイ科)です。
わたしは佐渡の他の場所では、この貝殻を見たことがありません。

IMG_8963_convert_20101219224744.jpg

5年程前にはけっこうな数が拾えました。
いまは、探すのにひと苦労です。
単にわたしの見落としだとよいのですが。

何年か前に、東海岸一帯が記録的な高潮に見舞われた年があり、
両尾海水浴場の風景も一変しました。
わたしはここでは磯歩き専門で、滅多に泳がないので、
沿岸の様子から推察するしかないのですが、大量の砂を失ったようです。
もしかしたらそのこととも関係があるかもしれません。

12月19日 15:30 河崎・久地川河口

ここにも、もしかしたらアオイガイがあるかもしれないと思って、
何気なく立ち寄りました。
アオイガイは、大小たくさん持っているのですが、
魅力的なので、いくつあってももっと欲しくなってしまいます。
残念ながら、アオイガイは見当たりませんでした。かわりに、
80cmはあろうかと思われるサケの死骸が3匹、打ちあがっていました。

IMG_8968_convert_20101219224918.jpg

大きさを比べるものがなかったので、履いていたブーツが一緒に写っています。
わたしは大足で、靴の長さは30cmあります。
本土に比べると、佐渡の河川はどれも貧弱です。
それでも少しずつですが、あちこちにサケが遡上しているようです。
ふつうサケは産卵を終えて川で死に、山の森の養分になります。
海の栄養が山に還元されるのです。
死体が流されて、海に返ってしまうのは、
川の長さが短い佐渡では仕方のないことです。
それでも無駄にはなりません。海の養分になるのです。

美しい貝殻を見ていると意識しにくいことですが、
海の贈り物の多くは、死によってもたらされます。
砂浜を白く染め上げる無数の貝殻も、かつては、
すべてが生きて、動いている貝だったのです。

IMG_8970_convert_20101219225057.jpg

サケの体をよく見ると、まだうっすらと、
婚姻色の赤い縞模様が残っていました。
スポンサーサイト
Secret

TrackBackURL
→http://hirukonoama.blog129.fc2.com/tb.php/7-d78fae5f
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。