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梅雨のこの時期、山の谷あいに、
銀色の葉が幾重にも積み重なって、塔のようにそびえているのを見かけたら、
それはマタタビです。木に巻きついて繁茂するツル植物です。

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振りこぼれるような可憐な花は、夏梅などとも呼ばれるようです。
この花、何かに似ていると思いませんか。
果実はもっと似ています。キウイフルーツと同じ仲間なのです。
あまり知られていませんが、熟したマタタビの果実はじつに美味です。
この実を大切に大切に集めて、ジャムを作るのが秋の楽しみです。

根っからの悲観主義者であるわたしには、今が人生の谷であるように思われます。
そのようなとき、わたしは自問します。
おまえは、山の尾根だけを歩いて生きていくつもりなのか。
霧に髪を洗われ、清冽な湧水に足を浸しながら、
マタタビの花が降る谷を歩くときがあったとして、
それがどうして不幸だなどと言えるだろうか。

身に余る幸運に恵まれて、多くのことは順調に進んでいるのですが、
胸の奥にどうしようもない空虚がわだかまっているのです。
それは、たぶんギャップなのです。
以前、アマモ場の話をしました。
アマモの草原では、古くなった群落の中央部分は枯れ上がり、砂地がむき出しになりますが、
間もなく新しいアマモが発生して、群落を更新していきます。
こういう一時的な空白地のことをギャップと呼びます。

木々の生い茂る森では、日光が林床まで届かないので、
新しい植物は発生しにく、万一芽生えても十分に生長できません。
突発的な嵐などによって、1本の木が倒れると、
周囲のわずかな範囲にだけは、日の光が差し込むようになります。
そのとき初めて、森に別の植物が芽生え、生き伸びる余地が生じます。
最初は、暗い森の底だった場所なので、何も生えていません。
間もなくギャップには、新たな植物が侵入し、森を補完し、
時にはまったく別の姿へと、森を作り変える発端になるかもしれません。

心の空白も、それはいっときのギャップであって、
そこから、新しい森の物語が展開してゆくと、信じたいのです。
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