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2012年 6月 6日 15:30 樹崎神社 24.0℃

初夏の日差しに温められ、水深の浅い加茂湖の水温はぐんぐん上昇しています。
濁りの強い状態が続いていますが、海の生き物にとって、
このくらいは、どうってことなさそう。

樹崎は、とくに神社周辺の浅瀬が、加茂湖では本当に貴重な、
昔ながらの海岸の風景を残している一角なのです。

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比較的波当たりの強い東向きの岸辺は、泥や砂の海岸でなく、
岸近くが削られて現われた小石や砂利が、敷き詰めたように転がっています。

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石の上を這う微小な巻貝は、二見やカワツルモ場で見かけるのとは、別種のようです。
表面の刻みがはっきり見えています。
大きく育つ、シタダミなどと同じ仲間かもしれません。

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シワホラダマシかと思うのですが、冬にはたくさん転がっていたのに、
カイウミヒドラを背負っているものは、あまり見かけません。
これから新しく育てるのでしょうか。

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こちらは一面カイウミヒドラに覆われていますが、
発色はイマイチです。イソギンチャクなども、
水温やエサの種類、量などによって、色を変化させますから、
今はこういう色の気分なのかも。

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石の下から小さなエビが飛び出してきました。
生き物調査でおなじみの、あのエビさんかしら。
長いハサミと、筋の入った透明な身体です。
イソスジエビか、アシナガスジエビかもしれません。

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小石の上を跳ね回っていた小さなハゼは、アカオビシマハゼではないかと思います。
生き物調査では入ったことはないのですけれど、
加茂湖を泳いでいると、矢板の壁面などでもよく見かけるのです。
この日もたくさんいました。

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ナベカ! 普通の磯ではよく見ますけど、
加茂湖ではあまり気にしたことがありませんでした。
どこにいても、ナベカはナベカの立ち姿をしているのですね。
当たり前なんですけど、なんだか微笑ましい。

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カレイの稚魚も見かけました。
前回の生き物調査でたくさん入って、みんな驚いたのです。
今年はカレイが多いのかしら。

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ギンポもちゃあんといました。
生き物調査でお馴染みの生き物たちは、樹崎でも見ることができます。
逆に言えば、こごめの入りは、少なくとも表層的には、樹崎に類した環境であり、
特に汚染が強いとか、過酷であるとは言えない、ということを、
生き物たちが証明しているのではないでしょうか。

2012年 5月20日 9:00~11:00 加茂湖・こごめの入り 21.0℃

続いて、泥の中の生き物調査の結果です。
調査地点は第9回以降ほぼ同地点としています。

① なし

② ウミニナ ・・・2
  ソトオリガイ(稚貝)・・・1
  ユウシオガイ ・・・1

③ ホソウミニナ ・・・1
  ホトトギス ・・・1
  ユウシオガイ ・・・1
  イワムシ sp.・・・1
  環形動物 sp.・・・4

④ ホソウミニナ ・・・4
  ウミニナ ・・・4
  オオノガイ ・・・2
  ヒメシラトリ ・・・2
  ユウシオガイ ・・・5
  オトオリガイ(稚貝)・・・13
  環形動物 sp.・・・4

2011年には、順調に増加傾向にあったアサリは、
今年に入ってほとんど採取出来ていません。
移動能力は高くないはずなので、他へ泳ぎ去ったとは考えにくいと思います。

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今回多く見られたのはソトオリガイの稚貝です。
泥底に生息する代表的な二枚貝のひとつで、生息環境は悪くはなっていないと思います。

昨年、多数のアサリの稚貝が発生していたのは、
カキ殻をまいて底質を固くした①~②の地点でした。
他方、底質に手を加えていない④地点は、生物種、個体数ともに、
多くはないのですが、変動も少ないようです。
 
  
2012年 5月20日 9:00~11:00 加茂湖・こごめの入り 21.0℃

取り急ぎ、結果の方、ご報告いたします。
地引網調査の結果は以下の通りです。

スジハゼ ・・・10
ウロハゼ ・・・7
チチブ ・・・1
チチブ近縁種 ・・・3
アシシロハゼ sp.・・・1
ビリンゴ sp.(婚姻色)・・・1

マコガレイ ・・・1
マコガレイ(幼魚)・・・12
スズキ(稚魚)・・・9
ギンポ sp.・・・71
アサヒアナハゼ sp.・・・4

前回魚類はほとんど入りませんでしたが、遅ればせながら、
初夏の加茂湖にも、命沸き返る輝きの季節が訪れたようです。
全体としては、やはりハゼの仲間が優勢です。
ハゼ類の同定には、豊富な知識と経験を要すると言われています。
可能な限り分類しましたけれど、あやしい!

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定番のスジハゼ、ウロハゼは入りましたが、マハゼは見当たりませんでした。
チチブ、もしくはチチブと思われるハゼ類はやや多めです。

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チチブ類近縁種と思しき黒いハゼと一緒に写っている、手前の赤茶色のハゼは、
わかりにくいのですけど、ヒレが黒く染まっています。
婚姻色の表れたビリンゴではないかと思います。

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アシシロハゼと仮同定しましたが、マハゼの子供かもしれません。

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今回飛びぬけて豊漁だったのは、ギンポです。
幼魚でしょうか。あるいは小型の別の種かもしれません。

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アサヒアナハゼではないかと思います。
その名にハゼとありますが、カジカの仲間です。
ハゼに特徴的な吸盤型のハラビレもありません。
ギンポやアサヒアナハゼは、意外なようですが、
加茂湖を泳いでいると、泥底にしばしば見かける顔なじみの生き物です。

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マコガレイは新顔です。20cm級の若魚には驚きです。
幼魚は、海水浴場のような浅い砂浜によく潜んでいます。
加茂湖にもいるのだと見識を新たにいたしました。
後日、加茂湖の別の場所を泳いでいたときにも見かけましたから、
今年は多いのかもしれませんね。

節足動物は以下の通りです。

コツブムシ sp.・・・7
ヨコエビ sp.(大型)・・・1
ヨシエビ sp.・・・261
シラタエビ sp.・・・43
ユビナガホンヤドカリ・・・124
エビジャコ sp.・・・1
ツノナガコブシガニ sp.・・・1

コガムシ sp.・・・1
マメゲンゴロウ sp.・・・2

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コツブムシは、最近なんとなく意識している生き物です。
触るとダンゴムシみたいに丸まります。
一緒に写っているヨコエビは、よく、
佐渡産ワカメなんかに混入しているヨコエビに比べて、とにかく大きい。
黒っぽい色味なんですけど、金属のように青光りしていて、
ヨコエビも、立派に甲殻をまとった生き物なのだと、妙に感心。

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毎回の難題はエビの同定です。ハサミの小さな透明のエビと、
ハサミが長く、緑や赤の斑点で覆われたやや大型のエビとに大別しました。
透明なものは、ヨシエビ、もしくはモエビと思います。
ハサミが長いものは、抱卵している場合があるのですが、
シラタエビが最も近い感じがしました。

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この仮同定の小型のエビは、うまく言えないんですけど、縦型なんです。
採集中に損傷したせいでそう見えるだけかもしれませんし、
まだ幼いのかもしれません。ふと、天啓のように、
エビジャコではないかとひらめいたのですけれど、いかがかしら。

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加茂湖はマメコブシガニが多いのですが、この個体は、小さいけれども、
ハサミが大きめで、脚に縞模様が浮かんでいます。
ツノナガコブシガニの可能性があると思います。

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水生昆虫も入り込んでいました。
季節柄、淡水の流入量が多いのでしょう。

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これらの水生昆虫は飛べるはずなのですが、最終手段は使わずに、
とにかく必死に歩き回っています。
里のイメージが強い源五郎さん、海水でも平気なのかしら。

貝類は以下の通りです。

マガキ ・・・16
アサリ ・・・1
ウミニナ ・・・237
ホソウミニナ ・・・10
アラムシロ ・・・1
ブドウガイ ・・・1

ウミニナが戻ってきたのは嬉しい限り。冬はどうしていたのかしら。
ホソウミニナの割合が顕著に減少しているのは、少々気になる傾向です。

2012年 4月25日 13:00 加茂湖・樹崎神社 16.9℃

4ヶ月半ぶりの加茂湖です。
この時期、むっとするくらい暖かな日和で、
泳げそうだね! と声を掛け合っているのを、時々耳にしますけど、
実際には、海はまだとても冷たいのです。
13℃くらいのところが多いのですが、樹崎神社の周囲は浅瀬なので、
他よりは水温が高く、このくらいあると、ほっと肩の力が抜ける感じ。

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湖底は小石交じりの平坦な泥の底質で、黄土色のケイ藻が降り積もっています。
しん、と静まり返っていて、生き物の気配はありません。
今、加茂湖は非常に濁りが強いです。透明度は1mくらい。

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夏には草原になっているコアマモは、ほとんど見当たりません。
残っているものもまばらです。
1年目の実生苗が、夏までに群落を形成できるとは考えにくいので、
地上部だけが枯れて、地下茎は残っているのだろうと思うのですが、
いずれきちんと観察してみる必要がありそうです。

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エビ穴はところどころに開いているのですが、ハゼの姿は見当たりません。
冬に比べると穴の数も少ないように感じます。
濁りが強くてはっきり確認できません。

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時々見かける砂山は、ゴカイの仲間の排泄孔ではないかと思います。
真ん中の穴から、食べかすの砂を排出しているのです。

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波に流されたヨコエビを何匹か見かけました。
この時期、小石の上に繁茂している褐藻から、はがれたものかもしれません。

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ぱらぱらと落ちているホソウミニナは、少し砂にめり込んでいて、
移動した形跡も見当たりません。でも、ちゃんと生きているのです。
ようやく水温が上がり始めたばかりで、まだ動きが鈍いのかもしれません。
いくつか拾い上げてみましたが、ウミニナは見られず、ほとんどがホソウミニナでした。

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真ん中よりやや左より、小石じゃなくて、生き物です。
コツブムシの一種だと思います。
こごめの入りの生き物調査で網に入ったことがあったのですが、
こんなふうに、ふつうに海底を這いまわっているのですね。

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裏側を見るとよくわかるのですが、コツブムシは、
大きな意味では、庭にいるワラジムシの仲間(ワラジムシ目)です。
磯で徒党を組んでいるフナムシも一緒です。

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あ! 2つ並んだこの不思議な穴、多田なんかで時々見かけます。
加茂湖では始めて気付いたんですけど、改めて見渡してみると、
あっちにも、こっちにも。

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よく見ると、どの穴も、一方が大きく、他方が少し小さい。
内側には模様があって、トゲのような縁取りが、ぐるりと周囲を取り巻いています。
これ、二枚貝の水管だと思うんですけど、多田では、
掘っても掘っても周囲の砂が崩れてきて、1度も正体を明かしたことがありません。
樹崎は泥が硬く締まっていて、水深も浅いので、一念発起して一気に掘り起こします。

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黒い泥がもうもうと舞い上がって視界をふさぎ、
これだ! という手ごたえもなかったのですが、アサリが何個か出てきました。
売っているものよりは大きめですけど、あんなに水管を広げられるとは考えにくいなあ。
なんだかちょっと釈然としない結果です。

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泥を掘ったら、たくさんのアラムシロガイが現れました。
泥の中に潜んでいたのでしょう。まだ、やっぱり少し寒いのかな。
ちょっと掘り起こしただけでこの数です。
全体ではどのくらいのアラムシロが生息しているのか、想像もつきません。
こんなにたくさんの掃除屋さんを雇っているとは、ずいぶん景気が良さそう。

2012年 3月23日 12:30 加茂湖・樹崎 6.8℃

冬の間、大雪で周遊線が使えずに、
少々時期を逸してしまったのですけれど、
アマモの実生苗を探してみましょう。

アマモの発芽時期は厳冬のころで、加茂湖では12月には、
発芽したばかりの苗が漂流していることが多いのです。
波が立たず、湖底が安定しているので、発芽率はかなり高いと思われます。
50cmほどの水深の浅瀬には多くの実生苗が発生しています。

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かなり生長して、すでに3枚ほど葉が展開している株も見受けられます。
もう間もなく地下茎が伸びて、新しいシュートを立ち上げるでしょう。

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このあたりは、カワツルモ群落を見ることの出来る貴重な環境なのですが、
群落は後退して、沿岸部にはほとんど見当たりません。
冬株はまだ小さく、枝の伸び上がりが弱いようです。

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本来ならこの時期、ぐんぐん伸び始めたカワツルモの体上に、
雪解け水で大量発生したケイ藻が、びっしり付着しているのですが、
肝心のカワツルモがないので、ケイ藻は海底に沈んでいます。

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風波で寄せられてきたのは、
満開の梅の花みたいなベニクダウミヒドラ。
アマモの葉っぱがちょうど小枝がわり。

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かなり大きな株になっています。移動性の高い魚類などは、
一時的に姿を消してしまうくらい、ずっと寒い状態が続いていた加茂湖にも、
こんなにいきいきと花を咲かせる生き物が残っていたのです。

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ヒドロ花と呼ばれるこの先端部分は、
クラゲを逆さにしてくっつけたような器官なのですが、
花弁を持った本物の花のように優雅です。
淡い桜色も素晴らしい。

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株元に、新しい蕾のような小さい枝がたくさん生えています。
これから成長する若い株かもしれません。

ヒドロ虫は、ケイ藻などのプランクトンを捕食していると考えられます。
人間にとってはしびれるような冷たい水ですけれど、
エサが豊富で、ウミヒドラは喜んでいるんじゃないかしら。
ベニクダウミヒドラは、加茂湖では、5月ころまでよく見かけます。

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枝の根元はアマモの葉にしっかり固着しています。
それがツタや海藻みたいに、ふわっと絡んでいる感じでなくて、
ビタっと意思を持ってしがみついているところが、
やっぱり動物なんだと妙に感心してしまいます。

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