上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
連休が終わると、いつも通っている県道が通行止めになり、
集落の反対側を、ぐるっと遠回りして、下界に降りています。
そちら側を通ることは滅多になかったので、今年になって初めて、
こんな懐かしい風景が残っていたことに気づきました。

IMG_1776_convert_20150521214243.jpg

苗代です。佐渡では“のうしろ”と呼んでいるようです。
水を張った水田で、直接苗を育てる方法です。

IMG_1775_convert_20150521214209.jpg

これはもう田植えのために、覆いがはいでありますが、
種まきの直後は、弓型の支柱を苗の上に渡して、
手前に積んであるビニールをかけて保温しました。

10年前まで、我が家でもこの方法で苗を作っていました。


集落の中央を流れる川の、“こちら側”に育ったわたしにとって、
あちら側はいわば異世界でした。
川幅はわずか数メートルなのに、
幼子には、はるかな別天地のように思われました。

特に、橋が両岸をつないでいる地点から上流の100メートルほどの区間は、
こちら側はブロックを積んだ護岸なのに、あちら側は自然の土手になっておりました。
背の高いクルミの木の下を、崩れかけた細い道を伝って下りてきた媼が、
河原で何か洗い物などしているのを、うらやましく眺めたものです。

またあるときは、集落で最後の1頭を飼っていた翁が、
白い小花の群れ咲く岸辺で、毛並みの黒々とした大きな牛に、
のんびり草を食ませている様子などは、夢を見ているように美しい光景でした。

今はその媼も、翁も、牛もいなくなりましたが、
彼らの足元で揺れていた白い花だけは、
変わらず毎年、花を咲かせています。

IMG_1730_convert_20150516131535.jpg

古代中国の伝説の山、崑崙にちなむとも言われるコンロンソウです。
仙女・西王母が住むという、大陸の最果ての地、崑崙。
その地は確かに、わたしの記憶の中にもあったのでした。

IMG_1729_convert_20150516131502.jpg

2015.04.28 ほろ酔い桜
どの家にも、我が家の桜、と呼べるような木があるものですけれど、
山の家の「うちの桜」と言ったら、この桜。

IMG_1623_convert_20150510135438.jpg

咲き始めは白味の強い花色です。
やや遅咲きで、下界の山桜が散るころ、
ようやく蕾がふくらんだな、と思うと、あっという間に満開です。

IMG_1624_convert_20150510135459.jpg

ふわぁっとした、優しげな花姿。
それが、初夏の陽気にあたると、早いときには半日で、
のぼせたような濃い桃色に染まります。

IMG_1625_convert_20150510135523.jpg

咲き始めの白から、散り際の赤へとうつろう、
酔芙蓉という夏の花があるのですけれど、ちょうどそんな感じかしら。

IMG_1626_convert_20150510135558.jpg

朝、出がけに見た花と、夕方、帰宅して目にする花色の違いに、
毎年驚かされます。

生まれ育った我が家で、「うちの桜」と言ったら、この桜。

IMG_1530_convert_20150428132857.jpg

名もない山桜だけど、見上げるたび思い出す、家族だけの物語があります。

IMG_1534_convert_20150428132948.jpg

花つきは良いのですが、小ぶりで、花びらは薄い感じです。
正午過ぎのいっとき、日の光を透かしてきらきら光ります。

IMG_1536_convert_20150428133013.jpg

散り敷いた花びらの上を横切っていく、猫1匹も、ふと、
思い出の中から飛び出してきたような。

昨日、仕事で水津に行っておりましたのですけれど、
越後の角田山と弥彦山の向こうに、日本アルプスの山容が、
谷あいの残雪の具合まで、くっきりと見えておりました。

そういう日が、秋の終わりや春のころには、時々あるのです。
不思議なもので、晴天の日よりも、
空が均一に白くなっているような曇りの日のほうが、はっきり見えるようです。

漁場のあたりでその話をしておりますと、
海から戻ったばかりの漁師さんが、
今日は富山から山形の方まで、ずうっと陸地が見える。
それが大佐渡とつながって、陸に囲まれとるようになって見える。
興奮気味におっしゃっておりました。

水平線を見慣れている者にとっては、閉塞感があって、
恐ろしい光景なのでしょう。
そういう口ぶりでした。
時化の予兆とも申しますから、春の嵐を予感しているのかもしれません。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。