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2012年 7月29日 14:00 豊岡 26.1℃

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今日はヤギはあまり開いていません。
こういう姿を見ると、本当に粘土で作ったオブジェみたい。
ケヤリムシの大きさを見ていただければおわかりのように、
これは比較的小さなヤギの群生です。
中にはもっと、ずっと大きなものも。

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古代のエジプトの王様が、お昼寝のとき、半裸の侍女に、
パピルスの大きな扇であおがせているような絵がありますよね。
あの扇ぐらいの大きさかしら。
ゴッホの油絵みたいな黄色をしてますけど、ポリプは硬く閉じています。
燃え盛る情念の花が咲いたら、どんなに感動的でしょう。

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岩の表面のよく陽の当たる部分は、
白っぽいサンゴ藻と舞い上がった砂が覆っています。
ムツサンゴもまばらです。

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でも、裾野の、オーバーハングになっている面は、
ムツサンゴや、ヤギ、カイメン、ホヤなどの、
無脊椎動物たちの原色であふれています。
ヤギも、強いオーバーハングで暗い場所を好むようです。

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その薄暗い天井裏の岩の隙間に、
蛍光グリーンの枝先をゆらめかせる、黒いウミシダが隠れていました。
ニッポンウミシダでしょうか。
分布は潮間帯からとなっていますが、実際に見たのは初めてです。うれしい!

わたし、目分量が苦手なんですけど、
腕を広げると、50cm以上はあるんじゃないかしら。
触ると、本当に、安いプラスチックのおもちゃみたいな感じで、
黄緑の部分がべたべたくっつきます。
ちょっと引っ張ってみましたけど、
しっかり岩にしがみついているのか、抜けませんでした。

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もう少し傾斜の緩やかな、垂直面には、
オウギウミヒドラやケヤリムシを多く見かけます。

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このオオギウミヒドラの表面には、カイメンが発生しています。
他にも、ゴカイの仲間のスナタバムシの巣や、
サンゴ藻などが、よく付着していました。

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ヤギの表面にも。自分の身体の表面に、
他の生き物が住み着かないようにする工夫とか、ありそうなものですけど。

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他には、大きなライ麦パンみたいなカイメン。
莚場でも見たことがあります。

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大きなフジツボを住みかにしているのかしら?
モヒカン頭の気取り屋さんは、ギンポの仲間。
眼力、強めです。

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2smくらいの小さなウミウシのシラユキダマシ。
右側にうずまき型の卵塊が見えます。
途中で気分が変わったのか、端がほどけて、風にたなびいているみたい。
かけぬける夏の風にそよぐ、命のリボンが、ここにもありました。

豊岡は前浜の小村のひとつです。

小佐渡の東海岸は、一周線によって、
もとの海岸線を失っているところが多いのですが、
豊岡も例に漏れず、大部分は埋め立てられてしまっています。
集落の中ほどに、小さな祠の乗った、大きな岩がひとつ残されているだけです。

名前は知りません。定かではありませんけど、このような岩は、
単に『立岩(たていわ)』と呼ばれる場合が多いようです。
長浜の『人面岩』も、地元の人たちは立岩と呼んでいました。

この岩は、神社の周囲の森が、鎮守の森として、
しばしば本来の植生を保っているように、
開発にさらされた海岸線にあって、
かつての姿をとどめる貴重な環境となっているようです。

少々遠いこともあって、毎年1、2度しか入らないのですが、
それでも必ず訪れるのは、海中に没しているこの岩のぐるりが、
無脊椎動物たちの素晴らしい楽園だからです。

2012年 7月27日 13:30 豊岡 24.9℃

水深は2m程度ですが、この水深で、
これほど多彩な無脊椎動物を見られる場所は、ちょっと他には思いつきません。

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特に、オーバーハング(逆傾斜)になっている裾野は圧巻です。
色とりどりのカイメン、オウギウミヒドラ、ヤギ、ホヤ、ムツサンゴなどで、
隙間もないほどびっしりと覆われています。

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ネオンブルーやショッキングピンクのカイメン。
どうやったら、こんな濁りのない色になれるのかしら。

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地味な色味ですけど、大型のかたまり状になるカイメンは、
周囲のオレンジ色のムツサンゴが華を添えます。
細かいイソギンチャクに見えますけど、これはれっきとしたサンゴの仲間。

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赤茶色のカイメンの隙間から、なにやら脚がのぞいています。
クモヒトデの一種は、カイメンをすみかとすることが知られています。
住人は1匹じゃないでしょう。この種類のカイメンからだけ脚が出ています。
住み心地の良し悪しがあるみたい。


2012年 7月28日 14:00 豊岡 24.4℃

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オウギウミヒドラは、とりわけサンゴらしい姿をした生き物です。
でも、これはどちらかというと、カヤやヒドロムシに近い仲間です。

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赤紫色の枝から、白い毛が生えているように見えます。
その毛の1本1本がヒドロ花と呼ばれる個虫です。

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粘土細工の木の枝みたいな姿をした、ヤギ。
きれいな扇形に広がっているので、オウギフトヤギではないかと思います。
こちらは、れっきとしたソフトコーラル、サンゴです。

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ヤギはただの棒っきれじゃないんです。
ほら、よく目を凝らしてみてください。全身に粒々が現れてきたでしょう。

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ええいっ、枯れ木にサンゴの花が咲いた!!

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なんて優しいスカイブルー。
粉雪のトゲをまとったサボテンのようにも見えます。

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まだ若い小さなヤギ。ひとつの花はひとつの個虫です。
触手が8本あるのがおわかりでしょうか。
このようなソフトコーラルは、八放サンゴというグループに分類されています。

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ヤギとケヤリムシのシンフォニー。
すべての花が開いていないのが、ちょっぴり残念。

2012年 7月27日 13:30 豊岡 24.9℃

先月はバイの産卵をお伝えしましたが、夏は貝類の産卵の季節です。

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イボニシの卵嚢は、岩陰でよく見かけます。
岩の表面には、色鮮やかな海のバラが。

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大きい! いままで見たこともないくらい、大輪のバラです。
バラというよりも、ダリアみたい。
こういう造形は、だいたい、ウミウシの卵塊である場合が多いようです。
それぞれに個性があって、どのバラがどのウミウシのものか、
はっきりとはわからないのですけど、
オレンジ色のものは、クロシタナシウミウシかもしれません。

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ほら、こちらでは、ちょうど産卵を終えたばかりのようです。
クロシタナシウミウシは、砂地に岩が入っているようなところでよく見かけます。
比較的大型のウミウシですが、これは特に大きめ。

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ちょっと失礼して。
この卵塊は少し色が薄めです。

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表面がしわしわしてますけど、産卵でお疲れなのでしょう。
ウミウシのいわゆるツノは、目ではなく触角です。感度は良さそうですね。

巻貝の一種であるウミウシの卵は、バイと同じような過程をたどって着底します。
プランクトン生活を送る最初のベリジャー幼生は、ちゃあんと巻貝の姿をしているのだとか。


2012年 7月28日 14:00 豊岡 24.4℃

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岩の隙間で息を潜めているのは、マンリョウウミウシかしら。
平沢で会ったものとは印象が違います。色味のグロテスクさも抑えめ。

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近くに咲いていたのは、こんなやわらかな墨染め桜。
マンリョウウミウシの卵塊でしょうか。少し日が経っているようです。

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近くの海藻から、ぽろりと剥がれ落ちてきたのは、フジタウミウシです。
バラを咲かせるには、さすがに小さすぎるかもしれません。

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水中にはオオコシダカガンガラがちらほら見えましたけど、
岸近くにはなぜかクボガイの大群が。
ウミウシを見たあとで、巻貝を見ると、同じ仲間なのに、
急に現実に引き戻される感じがします。
ヘソアキクボガイのようでした。
クボガイはもともと、オオコシダカガンガラよりは浅い場所を好むようです。
海に入れなくなった高齢のおばあちゃんたちが、
やむを得ず拾っているのを見ると、物悲しい感じがします。
「シタダミ」としては最もランクの低い巻貝のひとつです。


2011年 7月 8日 14:30 豊岡 22.2℃

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豊岡は前浜のいち集落です。本当は赤泊側の莚場へ入りたかったのですが、
あいにく風が悪く、両津側へまわることにしました。
前浜には海水浴に適した十分な海岸はありません。
一周線の整備に伴って、ほとんど埋め立てられてしまっているのです。
すぐ沖合いは砂底です。海草群落が点在しています。
はっきりとわかりませんが、開花枝の様子を見る限り、アマモのようです。
この一帯には、より大型のタチアマモ群落が存在している可能性があります。
それはもう少し水深の深い場所にあるのではないかと思います。

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海村にはよくある、小さな祠の載った大岩の周囲は、海の無脊椎動物の宝庫です。
色とりどりのカイメンや、小さなサンゴの仲間、ホヤ類などがひしめきあっています。
2mほどの水深にもかかわらず、不思議と、海藻の付着が少ないのは、
この岩のオーバーハングの形状によるのではないかと、わたしなりに推測しています。
それほど大きくない石でも、岩陰になる部分は、日が当たらないので、
海藻が生育できず、動物に占有されるのが普通です。
この岩の周囲は、それほど暗くはないのですが、やはり、ある一定以上の傾斜があると、
海藻(主に褐藻)が定着しにくくなるのではないかと思います。

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水色や、ピンクの粘着物のように見えているのはカイメンです。
オレンジ色で、煙突のような口を空けているのはエボヤかと思います。
ホヤの仲間には、岩の表面にべったりと張り付いて横に広がるものもあって、
カイメンに非常に類似した印象を与えます。
実際には、カイメンとホヤは、図鑑の最初と最期に載るくらい、かけ離れた生き物です。
多くの生物図鑑では、より原始的な生物から順に掲載されています。
ホヤは、もっとも進化した無脊椎動物のひとつで、魚類に極めて近い生物です。

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ふさふさの毛を花のように広げているのは、ケヤリムシです。
ゴカイの仲間です。この花は、驚くべきことに、彼らのエラです。
茎の部分に棲んでいて、危険を察知すると、素早くひっこんでしまいます。

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枯れ枝のようなものは、サンゴの近縁のヤギの仲間だと思うのですが、はっきりとはわかりません。

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これも、ヤギかと思っていたのですが、
全体に細かい白い毛のようなものが生えています。
ヤギモドキウミヒドラの仲間かもしれません。これはヒドロ虫、つまりクラゲの一種です。

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岩の上に、時々、白やオレンジのバラの花が咲いていることがあるのです。
これはウミウシの卵塊です。
断定できませんが、シロウミウシのものではないかと思います。

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小さな小さなオトメウミウシ。ウミウシとしては標準的な大きさです。
海の宝石と呼ばれるウミウシの大半は、このくらいか、あるいはもっと小さいのです。
すべからく、写真よりも実物のほうが価値があるとは思うのですが、
単に見た目がキレイだという意味では、ウミウシは写真で見るほうが迫力があります。

この小さな生き物を、わたしは自分自身の戒めとしています。
『ウミウシは海の宝石』などと言うと、
実際にいくらか磯遊びをしたことのある子供たちは、得心のいかない顔つきになります。
彼らにとってウミウシとは、10cm以上の巨体をしたアメフラシのことだからです。
これは健全な感性です。わたしは、子供たちには、
映像や写真でしか見ることのできない、南国の極彩色のウミウシのあでやかさよりも、
すぐそばに生きている、地味で不細工なアメフラシの、ありのままの姿を、
自分の目で確かめて、知っていて欲しいのです。

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